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第百二十二話・ギルマスのいらぬ茶々


「うぅ、う~む。そ、そうだな......俺個人としては、ランカさんに

対して何か罰をって、思うところはない......かな?」


「そ、それじゃ!」


レンヤの前向きな返答を聞いた、ムーホとステイが喜びの表情浮かべる。


が、


「悪いが無罪放免は駄目だ。あれだけの失態を犯した冒険者達の

担当である受付嬢を何の咎めもなしの無罪にしてしまったら、流石に

犠牲になって死んでいった連中に対して申し訳が立たねぇし、示しも

つかねぇ。それに罰を回避できるんだという前例を受付嬢達に

与えちまうのもまた不味い。だからよ、担当受付嬢には何やらの罰を

キッチリと与えなければいけねぇ!」


やっとこさ決めたレンヤのランカの処遇に、ギルマスが横槍を入れてきて、

その処遇の決定に難色を示す。


「おいこら!ちょっと待てや、ギルマスッ!せっかく良い方向にまとめ

ようとしていたのに、それを台無しにするような発言をすんじゃねぇよ!

散々ランカさんの罪を見逃せアピールをしてきた癖に、お前は俺に

ランカさんの事を許して欲しいのか、欲しくないのか、どっちなんだよ!」


意見をハッキリさせないギルマスに対し、俺はまゆをピクピクとさせながら

苛立ちを見せていると、


「わ、分かってるって!だからよ、無罪じゃなく、何かしらの罰をよ――」


「――だぁあもう!いつまでダラダラ、あ~だこ~だやってんのよ!」


優柔不断の流れに痺れを切らせたルコールが、俺以上に苛立ちを見せ、

その場にいる全員をジト目で睨む。


そしてルコールは早く終われと言わんばかりの態度で、


「平行線で埒も開かないみたいだしさ、もうこうなったらいっその事、

あのズキンのアホ達も、そこもオッパイお化けも、みぃ~んなまとめて

斬首って事でいいんじゃないの?」


ズキンの青年達とランカの斬首宣言を口にする。



「「「「ざ、ざざ、斬首ぅぅぅう―――――――っ!!?」」」」



そんな一片の慈悲もなきルコールの言葉に、ギルマス達やムーホ達が

目を丸くして喫驚すると、石の様にカチッと身を固めてしまう。


「い、いや...ル、ルコールさんよ!その斬首ってのは、流石にやり過ぎと

いうか...さ、さっき言ったと思うがよ、ランカ自体に罪はねえんだよ、うん!

だ、だからさ......お、おい、レンヤ!何か良い案はないのかっ!?」


ルコールの斬首宣言を何とか回避するべく、ギルマスが慌ててレンヤに目線を

バッと向けると「何でも良いからお前がランカの罰を決めてくれっ!」と

言いたげな顔をして嘆願をしてくる。


「ったく...こうなったのも、元々お前がいらん茶々をいれてきたからだろうが。

大体さ、何で俺に全部丸投げしてくんだよ!お前は冒険ギルドの責任者...

ギルドマスターなんだろ?だったら、お前も少しは考えろよっ!」


「うぐ...た、確かにお前の言う様に身内の不始末なんだ。俺だって自分で

決めたいさ!だがよ、ギルドのルール上、当事者の被害者だけしか

加害者の罰を決める事が出来ないんだよ!」


「その昔にですね、罪を犯した冒険者の罪の有無に貴族共の介入があった

らしく。それを無くす為、その後トップによる介入の出来ない、そんな

ルールが作られたんですよ!」


グチグチと文句をこぼすレンヤに対し、ギルマスが苦渋の表情をして

いると、サオリナが困惑の表情をしながら、ギルマスが罰を与える事の

出来ない、その理由(わけ)を説明してくる。


「おのれ!また貴族共(あいつら)が原因かよっ!」


「...とまぁ、いう訳なんでよ、レンヤ!あんまり軽くもなく、だが重くも

ない、そんな罰を考えてくれや!」


「か、考えてくれやって...」


こ、このマッチョハゲめぇぇぇえっ!


言うが簡単だけどよ、そんなあっさり罰なんて決められるかよ。


内容如何によって、ランカさんの命運が大きく変わってくるんだぞ!


「ぐぬぬぬ...か、軽くもなく、然れど、重くもない罰か......」


ううぅ、考えろ...考えろ......俺ぇ、考えろぉぉぉおっ!


......


.........


............


...............ハッ!?


そ、そうだっ!?


あれは...あれはどうだろうかっ!


俺はある解決策が頭の中でピコーンと閃く。


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