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第百十八話・嘘を見抜くアイテム


「た、確かにそれもそうだな。ルコールの言う事にも一理ある......」


「でしょう!どうしようもないお馬鹿でお間抜けな男連中と違って、

女って顔色を変えずに嘘を吐いちゃうからねぇ~♪ホント凄いよねぇ~!

巧妙に連ねた嘘の言葉でさ、然もありなんの如くあっけらかんとした

顔をしていけしゃあしゃあとさ~♪」


ちょ、ルコールさん!?


男の貶し方も大概にヒドいけど、女の方も結構貶し過ぎですよっ!


全く悪びれる事もなく毒言葉を吐いてくるルコールに、俺は目を丸くして

軽く呆れていると、


「よっし!お前達のその疑問にはこの俺が答えてやろう!何故ランカが

事件に関与していないとわかったか...それはな、嘘を見抜くアイテムが

ランカ(こいつ)をシロと判定したからさっ!」


ギルマスが俺達の疑問に対し、ランカさんがどうして無実なのか、

その理由を教えてくる。


「嘘を見抜くアイテム?ああ、はいはい。【ジャッジクリスタル】を

使ったんだ?あれを使ってシロと出たんなら、オッパイお化けは無罪で

まず間違いはないみたいだね!」


ギルマスが言う、嘘を見抜くというアイテムにルコールは心当たりが

あるのか、それだったらランカは事件に関与してないかと納得した。


「分かってくれたのならいいんだよ。さて、俺の言葉に嘘がないと理解を

得られたところで......レンヤ、ランカの処分をどうする?」


ルコールを無事納得させる事ができたギルマスがレンヤに顔を向けると、

改めてランカの処分を問うてくる。


「ギルマスやルコールが言う、嘘を見抜くアイテムを使ったんなら、

ランカさんはこの案件に関わっていないんだろう。けどさ、俺がここで

ランカさんの訴えを却下したとしても、あいつらに殺された冒険者は

他にもいるんだろ?だったら、その家族や恋人とかから、納得がいかないと

ランカさんを訴えてくるんじゃ?」


俺のそんな疑問に、


「そこは安心して下さい、レンヤ様。法律上、そういう訴えはできないと

なっているんです。悪事を働いた者を裁く権利があるのは、その場...

つまりはレンヤ様達みたいに現行で被害にあった者以外にはできないと

いうルールになっているから!」


サオリナさんがそういった連中を裁けるのは原則、その場でその連中から

被害を被った者だけという説明を受ける。


「へぇ、そうなんだ?でもそれは何でなんだい?」


「えっと、それはですね。簡単に言いますなら、討伐した時に貰える報酬や

賠償金とかの関係です」


「報酬や賠償金の関係?」


「はい。レンヤ様はもう経験していると思いますが、悪事を働いた連中を

討伐した時に貰える報酬、そして被害に対する賠償金というのがありまして、

それを貰う事ができるのは、その場で最初に悪事を働いている者と

出会った者や、その場でそういう連中から被害にあった者だけとなって

いるんですよ!」


「へえ、そんなルールがあるんだ?」


「はい。ですが、それを守らない連中が結構いるんですよねぇ...」


「そうなんだよっ!サオリナが言う様に、途中から参加してきた分際で、

討伐したのは俺達だから俺達に報酬を全部寄越せとかいう連中がいてさぁ!

ホント、嫌になってくるぜっ!特に賠償金関係はもっと、ヒドイんだぜっ!

あいつらときたら、確実のない陳腐な証拠や想像で家族が死んだから、

恋人が死んだから、自分らこそ賠償金を貰う権利がある。だから自分らに

寄越せとか抜かしてくるんだぜ!あいつらが来る度、ギルドの殆どの機能が

ストップするんだぞ!冒険者っていうのはな、その日、その日に行った

労働にて収入を得て生計を立てて暮らしているんだよっ!死活問題なんだよっ!

そんな戯れ言なんぞに、いちいち構ってなんかいられないんだよぉぉおっ!!」


何かのスイッチが入ったのか、サオリナの説明を遮ったギルマスが興奮しながら

息継ぎも忘れるくらいの早口で、賠償金にたかってくる冒険者の家族や恋人に

対しての不満不平を熱論してくる。


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