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第百十四話・リタイへと帰還する


「はあ、しかし今日もまた面倒事に巻き込まれちまったな......」


レンヤは深くため息をついて、気持ちが悄然感に落ちていると、

ルコールがニヤニヤした表情で、


「いやいやぁ~甘いぞ、レンヤ君。あたしの勘が言うには、面倒事と

呼べる出来事は、恐らくこれから起きるんじゃないかって告げてるよ♪」


レンヤの悄然感が増す、余計な茶々を入れてくる。


「や、やめてくれぇぇっ!お前の勘はマジで当たりそうだからぁぁあっ!」


心の底から勘弁してくれと雄叫びを上げた後、俺とルコールはロープで

グルグル巻きにしたズキン青年三人組を引きずりながら、リタイの町への

道をトコトコと歩いて行く。



そして数十分後。



俺達はリタイの町の南側にある、一般人の出入り門、南門の前へと

辿り着いた。


「あれは...?おっさん?おっさんじゃねえか!良くケガも無く、無事に

帰ってきたようだな!死んでないかって、心配していたんだぜ!」


レンヤの帰りに気づいた門番がドタドタと足音を鳴らし駆け寄ってくると、

豪快に笑いながら、レンヤの肩をバンバンと叩いてくる。


「はは。心配ありがとうございます。この通り、なんとか無事な身体で

帰って来られましたよ」


「それでどうだったおっさん?初クエストの方は無事に達成でき...た......

のかぁ...って、な、何だ?その素巻きにされている三人組はぁあっ!?」


門番がレンヤ達のクエスト達成の有無を聞き出そうとした瞬間、レンヤ達の

後ろの方で地面に無惨に転がっている、グルグル素巻状態にされている

ズキン青年三人組に気づき、その目を丸くして喫驚してしまう。


「え?ああ~こいつらですか?はは、盗賊ですよ、盗賊♪クエストの

最中...いや、正確にはクエストが終わった時くらいですかね?その時、

こいつらから襲われましてね。ですから、少々ご苦労でしょうが、

こいつらの後始末をお願いしてもいいですか?お~い、ルコール!」


「はいよ、ほれっと♪」


レンヤがルコールに声をかけると、ルコールは足下にいる素巻き状態の

ズキン三人組を門番の前へポイッと放り投げた。


「うむ、確かに預かった。だがよ、初っぱなのクエストでいきなり盗賊に

襲われるなんて、ツキがないな、おっさん♪」


「たはは...ですよねぇ......」


「ま。冒険者なんて稼業をやっていれば、多かれ少なかれ盗賊から襲われる

なんて事は山の如しだ。だからその慣れが早くなったぜ、ラッキーとでも

思っておけよ、あはは♪」


嘆息を吐いて苦笑しているレンヤに、門番がそう述べて慰めた後、高笑いを

上げながらレンヤの肩を先程より強目にバンバンと叩く。


「ん...?嗚呼!こ、こいつら、よく見るとウチんとこの冒険者のゴザイと

イグイとトガイじゃないかっ!?」


レンヤと話す門番の横にいる、もうひとりの門番がズキンの青年達に目を

移すと、そこには自分の見知った人物がいて驚きを見せる。


「な、なんだと!?お、俺にも確認させろ!どれどれ......ほ、本当じゃねぇか!

こいつらって確か、ランカさんが担当している冒険者だよな!?」


レンヤと会話していた門番も素巻状態のズキンの青年達に顔を近づけると、

この門番もまた自分の見知った人物だと気付く。


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