表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

第一話 戦乱

多少、グロテスクな表現が入ります。苦手な人は注意してください

僕は目の前で見てしまった


「あ、ああ…」


自分の親が、目の前で…


「あああああああーーー!!!」


殺される場面を


「あっちにもまだ居たぞ!」


兵士が二三人で僕を囲む。血がついている剣を僕に向けて…。


「してやる、してやる!お前等全員、皆殺しにしてやる!!」


僕は生まれて初めて怒りを知った。自分の怒りを、本当の怒りを。この16年の人生の中、最大の怒りを。


「やっちまえ!」


兵士達が一気に襲い掛かる。だが、今の僕には関係が無い。僕の全身が、相手を殺すために変化しているのが自分でもわかった。


理性を失ったんだ


「死ね!」


僕は斬りかかる兵士の脇辺りを抜け、僕は親が手に握られている太刀(長さが60センチ以上の長めの刀)を抜き取り構える。


「死ぬのはお前等だ!」


再び襲い掛かる刃を、僕は太刀で弾き返して隙を開ける。そして、僕は相手の鎧と兜の隙間に刀を突き刺す。


「グヘェ」


相手は血を吐き倒れる。それがさらに引き金へと変わる。


「殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す」


僕は相手を殺す事しか頭に入らなくなった。その時である。


「落ち着け、ライフ!」


僕を呼ぶ声が聞こえ、一瞬我に帰る。目の前に、僕の名を呼んだ本人が居る。だけど、敵兵でも肉親でも無い。友達でも無ければ、親戚でも無い。1人の男である。


「逃げるぞ!今のままじゃ、全員死ぬぞ」


その声は、優しく僕に投げ掛ける。だが、僕は再び理性を失う。


「殺す殺す、全員殺す!」


「ライフ!」


その時、敵兵が男に斬りかかる。


「邪魔をするな!」


男はベルトに着けた革製の入れ物からナイフを素早く取りだし、敵の首に突き刺す。敵兵は声も出さずにその場に倒れる。


「くそ、仕方ない!!悪く思うな」


取り乱す僕の腹に正拳が入る。僕は何も言えぬまま、気を失ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ