お披露目の日
そのまま莉奈について行きカラオケに到着した
部屋を開けると聞いていた通り美結と香織がいた。
莉奈は遥香を部屋に引き入れると
「えーー!! 遥香!? これが!?」
「めちゃくちゃ女の子になっちゃってるーー」
「かわいーー!!」
と言って遥香に近づき、体中をペタペタ触りだした
「髪もこんなに綺麗になっちゃって♡」
と言い美結が遥香の髪の毛に手櫛をいれる
「ホントねー!匂いもシャンプーのいい香りじゃん!」
香織が遥香の髪に顔を埋めている
そんな中、遥香は俯きながらも苦笑いで立っていると
莉奈は「さあ遥香!自己紹介しなさい!」
といってきたので、遥香は前から言われていた通りに
「初めまして。この度女の子として生まれ変わっま星宮遥香です。 女の子としてはまだまだ未熟者なので、これからはもっともっと女子力を上げて頂きたいと思いますので、よろしくお願いします。」
と言って自らのスカートを両手で広げて足を曲げるお嬢様風のお辞儀をした。
「えーー!もう中身も完全に女の子になっちゃったの!?」
「あんなに嫌がってたのに!どうしちゃったの?」
美結と香織は遥香の変わりぶりをみて、驚いてる反面喜んでもいた。
「ここまで心も体も女の子にするのも大変だったでしょ??どうやったの?」
「まぁちょっと色々とね! まだ内面は100%とは言えないけどね!遥香!」
莉奈はまるで遥香がまだ男としての心を隠し持っているのを見抜いているように遥香を見た
「そんな事ないわ! 遥香はもう女の子よ!」
遥香はちゃんと女の子らしく回答した
「まぁいいわ! それより遥香はヘアアレンジが得意なのよね? やってみせて♡」
莉奈はいつも遥香が使っていたヘアアレンジセットを遥香に渡した
香織と美結が興味しんしんに見る中、遥香は恥ずかしさを押し殺し、いつも通り髪をブラッシングして、丁寧に髪を2つに分ける
すると美結が「えーもしかしてツインテールにするの?? 最初はあんなに嫌がってたのに!」
「今やツインテールは遥香のトレンドマークだからね!笑」
莉奈が嬉しそうに説明する
遥香は無理矢理笑みを浮かべながら片方の髪をゴムで結び、その結び目に小さなピンクのリボンをつける
そしてもう片方も結び、リボンをつけた。
最後に左右のバランスを確かめ、手櫛で整えてツインテールが完成した。
「おおー やっぱり遥香はツインテールが似合うねー!」
香織が関心していると美結が
「でももっと可愛くしてあげるよ」
と言ってヘアアイロンを持って遥香の後ろに立つ
「遥香は前髪がぱっつんだから、このコテで厚みと丸みを出した方がいいよ」
美結は遥香の前髪を巻いてく
終わって鏡をみると確かにより女子力が高い髪型になった
「ホントだー!ありがとう美結」
遥香は嬉しそうな顔を浮かべながら言った
「じゃあ遥香も可愛くなったことだしそろそろ出よっか」
莉奈達はそう言うと会計を済ませ、遥香を連れて外に出た
その後はみんなでプリクラをとったり、スイーツを食べたり、ショッピングしたりと、まるで休日の女子高生の過ごし方のお手本のような事をして、一日が終わった。
不思議と莉奈達3人と遊んでると女の子の振りをするのも慣れ、女の子の仕草や言葉遣いが自然と出るようになっていた。
また莉奈は遥香がちゃんと女の子でいると優しく、本当の友達のように振舞ってくれた。
それからはいつもと同じように日中はメイクの練習、ヘアアレンジの練習をし、夜は念入りなヘアケアをする生活を続けていた。
日を追うごとに頭の中でも女言葉を使うようになり、仕草や態度もどんどん女の子らしくなっていき、莉奈からの制裁もほとんど無くなっていた。
しかし、この夏休みが終わりに近づくうちに遥香には1つの不安事項があった。
それは、”学校が始まったらこの生活から解放され、男に戻れるのだろうか? “
最近、遥香はこのことだけが気になり、何としても男に戻らないといけないと思うようになっていた。
そのまま莉奈には何も言い出せず、ついに夏休み最終日がきた
「おはようー」
「おはよう莉奈」
「いよいよ今日で夏休みも最後だね!」
「うん…そうね…」
遥香が若干戸惑いながら答えると
「何?どうしたの?」
ついに聞き出す時がきたと思い、遥香は思い切って口を開いた
「あの… えーとさー… 明日から学校なんだけど…わたしはどうすればいいかなぁ…?」
莉奈に怯えながらも聞いてみた
「え? どうすれば?」
莉奈は考える素ぶりを見せた後
「ああ!なるほどね! 女の子として学校に行くかどうかってこと??笑」
遥香は頷く
「そっかぁー もしかして女の子として登校させられると思った??笑」
「え… いや…」
「遥香はどうしたい? 今後も女子高生として通学する?」
遥香にとってこの女の子生活はあくまで夏休み限定のものであって、こんな姿を他のクラスメイトに見せるのだけは嫌だった
「莉奈お願い!! それだけは勘弁して! 学校は元の姿で通わせて! 」
必死に莉奈に懇願する
「まぁいいわ! 正直遥香はもう女の子として十分可愛くなったし、私としては目標達成だから明日から男に戻ってもいいよ!」
「え……」
遥香はあまりにすんなり受け入れられたことで呆然としていると
「何?女の子でいたいならいてもいいのよ?」
と言われると遥香は慌てて首を振る
「じゃあ今日の夜までは女の子を満喫してね」
遥香は胸を撫で下ろした
やっと男に戻れる時がきた!
だいぶ考え方も女の子になってしまってたけど、莉奈の一言で一気に男としての感情が蘇ってきた
しかし莉奈の機嫌を損ねるといつ気持ちが変わるかもしれないため、最後まで気を抜かず女の子でいようと思った。
「じゃあ今日が最後のメイクとヘアアレンジの練習ね!」
と言っていつもの練習を始めるよう促された
遥香にとって苦痛であったメイクとヘアアレンジの練習も、今日が最後だと思いいつもより少し熱心にやっていた
そして夜になりシャワーも浴び、髪を乾かしているとふと疑問に思った
"この髪はいつ切ればいいんだ?"
その疑問を持ちながらもいつも通りヘアオイルを入念に塗り、綺麗になぁーれ 綺麗になぁーれと言いながらブラッシングをした
そして一息ついた後、莉奈に聞いてみた
「あの…莉奈? この髪の毛なんだけど… 流石にこのままだと変だと思うんだけど…」
「あぁ! そうね! でも髪の毛だけはそのままにして! せっかくここまで綺麗に伸ばしたんだから美容院で切って髪を寄付するのよ!」
「え…でも…」
「ダメ!! だめだからね!」
これ以上反論すると危険だと思い遥香は渋々引き下がった
「髪型は好きにしていいから!」
と莉奈に言われ少しホッとした
髪型が自由ならなんとか誤魔化せると思った
それから遥香は莉奈の許可を得てマニキュアを落とした
今着ているピンクのネグリジェと女性用下着も脱ぎたかったが、ここには男用の物が無いため、諦めた
また、股間に付けられた電撃装置も、1週間後じゃないと外せないと言われ渋々諦めた
遥香はそのまま明日に不安を残しながらも眠りについた。
次の日の朝
「おはよう遥斗!」
「お!おはよう!!」
莉奈がなんと遥斗と呼んだ!
遥斗は驚きながらも久しぶりに男扱いされ嬉しかった
遥斗は朝の準備を済ませ、いよいよ髪の毛を纏めようとすると、莉奈が遥斗の使っていた男子制服を持ってきた。
「はい!これ!男物久しぶりでしょ?」
遥斗は嬉しくて涙が出そうになりながら制服を掴み、今来ているネグリジェを脱ぎパンツに足を通した
残念ながら下着は女性用パンティしか無いためそのままだが、そんな事は気にはならない
全身男子制服に身を包み、鏡を見ると、まるで女の子が男装してるように見えてショックだったが、髪型のせいだと思った
遥斗は早速長くなった後ろ髪をなるべく小さくなるように、纏めていると急に莉奈が後ろにきて、黒のかんざしみたいな物を使い、1本の棒で纏め上げてくれた。
「あ…ありがとう」
少し女の子らしく纏められてしまったが、下ろしているよりはマシになったので、良しとした
最後に前髪をなんとかサイドに流しぱっつんを回避した
鏡を見るとまるでOLのような髪型になっていたが、これ以上は無理だと思い諦めた
遥斗の準備も終わり、莉奈も制服に着替え、一緒に学校に行くことになった
通学中、髪型が女っぽいけど男として見られていると信じ、学校に到着した
クラスの扉を開け、おはよう!と言って席に着くと
「おい遥斗!どうしたその髪型!」
「前々から髪長いと思ってたけど、より女っぽくなってるぞ」
とクラスの男子にからかわれる
「いやこれには色々と事情があって… 来週にはスポーツ刈りにしてくるよ!」
となんとか誤魔化した
すると今度は女子から
「星宮君その髪、結構長いでしょ?」
「もしかして前髪ぱっつんにしてる?」
さすがに女子達は鋭いツッコミを入れてきたが
「いやそんな事ないよ! 夏休み髪切る時間なくて…」
とか言って煙に巻いていった
そんな様子を莉奈、美結、香織は影で見守っていた
そのまま午前中が終わり、昼休みのチャイムが鳴った
チャイムが鳴り終わると同時に後ろから
「遥香!!」
と急に莉奈に大声で呼ばれてビクッとして振り向く
「え? 遥香?」
呼び間違えかと思い何事も無かったかのように前を向くと
「はーるーかー!! こっちおいで!」
莉奈がまた大きな声で呼んできた
大声で呼ぶのでクラスの注目を浴びてしまっていた
「いや俺は遥香じゃなくて遥斗だよ!莉奈!笑」
冷や汗をかきながらも男らしく答えると、莉奈達3人がこっちへやってきた
莉奈は遥斗に近づくなり
「なーにが俺は遥斗よ!! あんたは遥香ちゃんでしょ? ほらいつものように自己紹介しなさいよ!」
「え… いや…莉奈?」
遥斗は薄っすらと涙を浮かべながら懇願するように莉奈を見る
すると莉奈は
「みんな聞いて! ここにいる星宮遥斗君は本当は女の子になりたいのよ!」
クラスがザワつきだすが莉奈は続ける
「その証拠にほら!」
と言ったと同時に遥斗の髪を纏めていたかんざしを一気に引き抜き、綺麗に伸ばされた髪を露わにした
「やめて!!」
遥斗はしゃがみこみ必死に髪を隠そうとするが、美結と香織にてを掴まれ立たされる
すると莉奈は手に持った櫛で遥斗の髪をブラッシングする
遥香は首を振り抵抗するが、前髪も下ろされ、ぱっつんが露わになり、完全に黒髪ロングの女の子の髪型にされてしまった。
「ほらね! 普通の男子ならこんな髪型にしないし、こんな女子みたいな髪質にしないでしょ!」
莉奈が言うとクラスの女子も同調しだした
「確かにただのロングじゃなくて、完全に女の子の髪型ね」
「それにめっちゃ綺麗じゃない?縮毛かけて、トリートメントしないとああはならないわよ」
「星宮君って本当に女の子になりたかったんじゃない?」
クラスの男子は驚いたものの、傍観していた。
遥香は拘束されながら俯いている
そこに莉奈が耳元で
「私が遥香を男に戻すわけないでしょ これからはずぅーと女の子になるのよ!」
と言うと美結と香織に合図を送る
2人は合図を受けると、遥香を隣の部屋に連れて行き、紙袋から女子の制服とブラジャーを取り出した。
遥香は美結と香織に
「お願い! 許して… 」
と言うも
「だーめ! 遥香はやっぱり女の子がいいよ」
と言われ、男子制服を脱がそうとしてきた
遥香は抵抗して手を振りほどくと、香織と美結はポケットから電撃スイッチを取り出した
「遥香!! 言うこと聞かないとボタン押すわよ!」
あの電撃ボタンを見るとトラウマが蘇り、遥香はその場で崩れ落ちるようにして、泣き出した
そんな様子を気にもせず、2人はせっせと男子制服を脱がせ、ブラジャーを腕に通し、女子の制服を着せていく
制服を着せ終わると美結がメイク道具を取り出し、遥香の顔にメイクをしていく
遥香は抵抗することも出来ず、結局また女の子モードに戻されてしまった
「はい完成!! じゃあ行こ!」
美結と香織に手を繋がれて、教室に入ると、女子達からの歓声が上がった
「キャーかわいーー」
「本当に星宮君なのー?」
「完全に女の子ねー」
屈辱感と恥ずかしさを感じながら莉奈を見るとあの電撃スイッチを片手に持って笑みを浮かべている
どうやら莉奈はクラスの女子を説得して遥香を女の子として迎え入れることを進めていた
莉奈は遥香を席に座らせると女子に囲まれてしまった
「遥香ちゃんはずっと女の子になりたかったの?」
「なんでもっと早く言ってくれなかったのよ!」
「髪の毛触っていい?」
「性転換はするの?」
遥香がクラスの女子達からの質問責めにあっていると
「遥香! いつもの髪型にしなさい!」
急に莉奈に言われ、鏡と櫛とヘアゴムを渡された
遥香は屈辱の涙をこらえながら昨日までやっていたツインテールを作っていく
ツインテールが出来上がるとまたもや女子から歓声があがり、みんなして髪を触ったり撫でられたりされた
最後に莉奈が
「星宮遥斗君は今日から女の子の星宮遥香になったからみんなで可愛くなるように教育するわね!」
「はぁーい」
「頑張って可愛くなろうね!」
「今度使ってないヘアゴムあげるね」
「化粧品もあげるわ」
クラスの女子が騒いでいる中、莉奈が耳元で囁いた
「もう観念しなさい 遥香ちゃん♡」
「はい…」
遥香は完全に諦め、最後の涙を流した。




