女の子化レッスンその1
遥斗は電話でなんとか親を説得し、そのまま莉奈の家に行く事になった。
莉奈の家には、莉奈と姉の加奈しか住んでおらず、両親は今海外に住んでいると言っていた。
そうこうしているうちに莉奈の家に着き、
美結と香織は夜も遅くなったということで、家に帰っていった。
結局莉奈に連れられ、彼女の部屋に入ると、まずその部屋の大きさに驚くとともに、女の子らしい可愛いけど落ち着いてる部屋という印象を受けた。
部屋の中は大きなベットと机、ソファー、そして大き目のドレッサーが置いてあった。
「じゃあとりあえず座って」
遥斗は部屋の真ん中に座った。
「今日は疲れたでしょ? 今日からここがあなたの部屋にもなるんだから、くつろいでもいいわよ 」
遥斗は散々いじめられてきた莉奈だが、女の子と2人で生活することに対し、少しドキドキしてきた。
「とりあえず今日はお風呂に入って、もう寝なさい 明日から色々と大変だと思うから」
「え?明日から何するんですか?」
遥斗はこれ以上、自分に対し莉奈達がすることが思い浮かばなかった。
「それは明日のお楽しみ! いいから早くお風呂に入ってきて! ちなみに身体はと髪はしっかり洗って、必ずトリートメントはするのよ!!」
遥斗は言われた通り、身体を洗い、女物のシャンプーとリンスを使い髪を洗った。
髪型を変えられたおかげで、今までよりも洗いやすくなったが、明らかに髪の手触りが良くなり、複雑な気持ちなった。
風呂から出るとすかさず莉奈がやってきて、バスタオルを胸の位置に巻かれ、頭にも美容院で巻かれたようにタオルを巻いてきた。
そしてそのまま部屋のドレッサーの前に座らされ、
「じゃあまず、化粧水と乳液でお肌を整えましょ!」といい2つの瓶を渡され、自分で顔にパチパチと塗らされた。
「お肌も女の子にとっては大切なんだから、しっかり塗り込みなさいね」
莉奈は遥斗の後ろに立って一つ一つの仕草をチェックしてる
一通り肌の手入れが終わると、次は頭に巻かれたタオルを取り櫛を渡された
「まずは髪をブラッシングして真っ直ぐにするの! そのあとドライヤーで前髪を乾かしてから頭頂部から毛先にかけてゆっくり乾かしなさい!」
遥斗は言われた通りに軽くブラッシングした後、ドライヤーで髪を乾かした。
今までこんな丁寧に髪を乾かしたことなどなかったため、それだけでとても疲れてしまった。
一通り髪も乾き、やっと終わったと思い一息ついてると、莉奈は次にまた液体の入ったスプレーを渡して
「まだ終わりじゃないから! 次は洗い流さないトリートメントをかけて全体的に馴染ませてからまた軽く乾かすの!」
と言われ、スプレーになってるそれを髪全体にかけ、手櫛で髪に馴染ませ、またドライヤーで乾かしていく。
その時自分の髪から香る匂いはまるで女の子の香りであり、その手から感じる髪質はサラサラツヤツヤであり、女の子の頭になってしまったと再認識させられる。
「最後に櫛で髪をゆっくりとブラッシングして終わり! ハイやって♡」
遥斗は自分の長くなった髪の毛を櫛で梳かしていく。
その仕草も女の子特有の仕草であり、毎日やらなければいけないことを考えると、本当に女の子みたいになってしまう気がしていた。
遥斗はここまでの長い工程に嫌気がさしており、若干嫌々やっていた。
その気持ちが少しだけ顔に表れており、それに気づいた莉奈が
「なんかさっきから嫌々やってない? これから毎日やらなきゃいけないんだから嫌々やっても無駄よ! 」
少し莉奈の機嫌が悪くなりそうになり、
また莉奈を怒らせるわけにはいかない遥斗は必死になって髪を梳かした。
しかし
「なんかあんまり自分の髪に愛情を感じないわねえ せっかく綺麗な髪にしてもらったんだからもっと愛情を注いで梳かさないとダメよ!」
と言うと何かを思いついたような顔をして
「だったらこれから最後のブラッシングする時は、綺麗になぁーれ!綺麗になぁーれ!って自分ででいいながら髪を梳かしなさい! 女の子らしくね!! そうすれば心もだんだん女らしくなるからね!」
そんな男としては恥ずかしすぎる残酷な命令に
「そんなこと恥ずかしくてできません! ちゃんと愛情もってやるんで勘弁して下さい! お願い!」
泣きつくように莉奈に頼んだが
「だーめ!! 遥香が身も心も女の子になるまで、毎日言うのよ! ついでに寝る前には別の事を言ってもらうから!」
遥斗は演技でもいいから積極的にやってればよかったと思い酷く後悔した。
「じゃあ早速やってみせて」
遥斗はこれ以上何かを別の事をやらされる訳にはいかず、なるべく莉奈を怒らせないように女らしくブラッシングを始めた。
「き…きれいになーれ…きれいになぁーれ…」
恥ずかしくて顔から火が出そうになりながらもなんとかやってると
「じゃあ今日のところはもうそんなもんでいいよ! 明日からは言われなくてもやりなさいね! じゃあこれに着替えて!」
やっと夜のヘアケアも終わり、一息つけると思いながら、恐る恐る渡された服を見ると案の定フリルのついたピンクのネグリジェだった。
遥斗はもうある程度こういう服を着させられると覚悟していたので、羞恥心に耐えながらなんとか着替えた。
「おおー! もう後ろ姿とかはどっから見ても女の子ねー! どお?初めてのネグリジェは??」
遥斗は正直に今感じてることを答えた
「生地がツルツルしてて、触り心地は気持ちいいです。」
すると莉奈は満足そうに
「気に入ってもらえてよかったわ! じゃあもう寝るけど、さっきも言った通り、寝る前の暗唱してから寝ようね! はいこれ!」
というと莉奈は一枚の紙を遥斗に渡し
「今日から寝る前にはこれを声にだして読むのよ!」
内容を見てみると
遥香は可愛い可愛い女の子
遥香は女の子なので目一杯オシャレして可愛くなります
遥斗は女の子なので髪の毛を綺麗に伸ばして、色んなアレンジをします
遥香は女の子になるために心の中でも女の子になります
遥香は女の子
私は女の子
あたしは女の子
遥香は可愛い女の子
と書いてあった。
「ちなみに女の子らしく可愛く言わないと何度でもやらせるからね! じゃあ早速やってみて!」
遥斗はこれさえ言えば長かった今日が終わると思い、意外とすんなり受け入れ、紙を持ち、なるべく女の子らしく言った。
しかし最初の一文を読み出すと、なぜかまた目から涙が出てきてしまったが、莉奈の許しが出ないことを恐れて、涙を流しながらも必死に高い声をだし、可愛く女の子みたいにセリフを言いきった。
その様子を見て莉奈は笑みを浮かべて
「遥香やればできるじゃん!とっても可愛かったわよ!特に涙を流しながらも女の子になりきってたのはホント良かった! じゃあ今日はもう寝ましょう 」
莉奈は布団を出してきて、遥斗は布団に寝かされた。
遥斗は自分から発する女の匂いに戸惑いながらも、今日一日とても疲れたため、すぐに眠りに落ちた。




