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クエストを受けよう

「ホントすみません!!」

 俺は頭を下げていた。

 予想はついているだろうが、俺の崩壊ステータスのせいで訓練場の壁を吹き飛ばしてしまった。

「いえ、もういいです。リュウジさんの発言を聞き入れなかった私の責任もありますし…」

 リンデさんはさっきの俺の崩壊力に若干引きつつ許してくれた。

 そしてもう一人。

「ガハハハッ!訓練場の壁を吹っ飛ばしたか!坊主おもろいな!」

 ガハハと豪快な笑い方が特徴的なガレス・レーベンさん。

 さっき壁を破壊したときにいち早く駆けつけてくれたギルドの職員だ。

「もう!ガレスさん笑いごとじゃないんですよ!」

 リンデさんは怒っているが、ガレスさんは気にしてない。

「坊主攻撃力どんくらいだ?」

「まあそこそこっすね…」

 言えるわけないじゃん!攻撃力999999なんて!信じないでしょ!?


 リンデさんのおかげで、今回だけ特別に俺は弁償しなくてすんだ。

 その時に、リンデさんに「訓練場の使用はできるだけお控えください」と言われた。

 いや使わねぇし!俺そこまでバカじゃないし!破壊神でもないし!



「さて、リュウジさんは冒険者登録が終了しましたが、さっそくクエストを受けますか?」

「はい。オススメのとかってありますかね?」

 ようやく俺のやりたいことの話になった。

 今日冒険者登録した後はクエストを受けようと思っていたが、破壊騒動のせいでこの話にたどりつくまで時間がかかった。

「坊主これ受けてみろ。おめぇくらいの攻撃力なら大丈夫だ」

 ガレスさんがそう言って指差したクエストは『ホワイトウルフのボスとその群れの一掃』と書いてある。ウルフということは狼なんだろう。しかし、クエストを受けたことがない新人にボス討伐を命じるとかどんな神経してんだ。あ、ドラゴン倒したからいけるか!

「じゃあこれ受けます」

「はい。受諾しました」


「行ってきます」

 俺は戦闘準備を整えてギルドを出る。

 今日買い物したときに気づいたが何とも便利な機能があることがわかった。


 『ストレージ』

 アイテムを出し入れできる。入るアイテム数は無限。


 この機能のおかげで剣や拳銃などを簡単に持ち運べる。


 さて、初のクエストを頑張ろうか。



***



「ガレスさんどう思います?」

 私はギルドを出て行ったリュウジさんの背中を眺めながら問うた。

「あの攻撃力は初心者じゃねぇ。あの壁は素材こそいまいちだが、シールドは高性能だ。よっぽどの攻撃力がなけりゃあのシールドをパンチ一発で破壊することは不可能だ」

 リュウジさんの前では伏せていたが、あのシールドはアイテム製造研究所が製造した結構性能がいいものなのだ。

「だが、態度からして初心者としか思えねぇ。冒険者登録はしてないし、『ブースト』は取得してなかったし。怪しいとは言わないが素性を調べたいな」

 そう言ってガレスさんはリュウジさんの素性を調べるために動き出した。



***



 俺は森を歩いていた。

 目的地の場所まで遠く馬車を使っても3時間はかかったと思う。

 いざ目的地に着いてみれば、木!木!木!

 目印もなんもなかった。

 途中何匹かホワイトウルフに出くわしたが、全てデコピン一発で倒した。

 これでも攻撃力を制限したつもりだったが、ホワイトウルフの体は面白いくらい吹っ飛んでいった。

 すまない。俺のステータスのせいで。死因がデコピンなんて悲しすぎるぜ。

 そういう場面が何回かあったが、まだボスっぽい奴には会ってない。


「グガァァァァオ!!」


 そこで近くで獣の唸り声が聞こえた。

 その獣がいると思われる上空に飛ぶ鳥は、驚いて鳴きまくっている。


 さて、とうとうボスだ。ちょっとはこのステータスに耐えてくれるかな?

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