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冒険者登録

 エンチャント付与も終わり、ギルド本部へ行った。

 東門付近に行くと城下町にはいなかった鎧を着た人たちが歩いていた。なかには頭に包帯を巻いている人もいる。


 そして鎧を着た人たちが入って行くのがギルド本部だ。

 中に入るともうそこには冒険者しかおらず、カウンターと思われる場所や何か貼り紙がある壁に集まっている。


 まずはギルドで冒険者登録をしなければならないのでカウンターに向かった。


「冒険者登録をしたいんですが」

「はい。わかりました。お名前をこの紙にお書き下さい」

 受け答えしてくれたのは茶髪のショートカットにメガネをかけたお姉さんだ。

 指定されたように名前を書く欄に『リュウジ』と書く。

「リュウジさんですね。これからリュウジさんの依頼受付担当になります、リンデ・スーチーです。よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

 すると、リンデさんは立ち上がりカウンターから出てくる。

「モンスターと戦う前にリュウジさんには、基本的なスキルや魔法を覚えていただきます」

 

 そう言って訓練場に案内された。

 正直言って、やめた方がいいと思う。

 なぜなら俺のステータスは崩壊しているからね!

「まず、『身体強化スキル』です。このスキル本を読んでいただくとスキルを取得できるので」

「え、スキルってそういうスキル本を読むと使えるようになるんですか?」

「はい。そうですよ」

 じゃあ俺のスキル取得法はおかしいのか?俺の場合はそのスキルが必要になったときにそのスキルを知らなくても自動的に取得できるのだが。

 そのことについてもう少し考えたいが、ステータスカンストしてるくらいだからこれくらいは当然なのかな。ヤバイ。色々チートなことが起きすぎて感覚がずれてきてる。


 スキル本を見てみても何を書いてあるか分からない。ステルダム語翻訳スキルは取得しているはずだから、これはステルダム語ではないのかな?それに自動的にスキルが取得できない。いつもならここでこの文字の翻訳系スキルが発生してもおかしくないのに。

「あの…この文字読めないけどいいんですか?」

「大丈夫です。見ていただくだけで取得できます」

 すると、スキルが発生した。


 『ブースト』 消費MP50

 身体強化スキルの一種。すべてのステータスを一定時間1.5倍にする。


 おースゲー!と素直に喜びたいとこだが喜べない。

 俺の攻撃力は999999だ。それを1.5倍にされたらただでさえ破壊力が凄いのにヤバイことになる。

 気になったのが、消費MPだ。今まで『自動ヒーリングスキル』や『ステルダム語翻訳スキル』などは消費MPがなかった。とういうことは、攻撃系スキルはMPを消費するということか?

 まあこの疑問はスキルをもっと覚えればのちに分かると思うので置いておく。


「さて、『ブースト』を取得されたリュウジさんにはこの藁でできた人形に『ブースト』を使って殴ってもらいます」

 だめだ。それはだめだ。それはやっちゃだめだ。

 人形は何とも頼りなさそうな、かかしみたいなもの。

 それでは、俺の攻撃を受け止めきれない。

「えーっとこれって絶対やらなきゃダメですか?」

「だめです。モンスターと戦ってる最中にスキルが発動できなかったら危険ですので」

「じゃあ発動するだけじゃダメですかね?」

「ダメです」

 俺の訴えもむなしくリンデさんは一向に考えを変えてくれない。

「この訓練場吹き飛んじゃいますよ!!俺結構攻撃力あるんですよ!」

「どこからそんな自信が湧いてくるかは分かりませんが、大丈夫ですよ。一応この訓練場はある程度の攻撃に耐えられるように、石材の前に防衛アイテムを使い『物理攻撃軽減』『魔法攻撃軽減』のシールドを張っていますので」

 ホントに大丈夫かな~。

 もういいや!弁償ならいくらでもしてやる!ゴールドなら沢山あるし!


「いきます!」


 俺は握りこぶしをつくり、藁人形に打ち込む――


 

 その瞬間、訓練場の壁が吹き飛んだ。


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