パーティー
警備の配置が完成し、続々と各国の王子が城内に入ってきた。
隆二とノンはエミリーとユリアと一緒に部屋にいる。
「ほおー。イケメンだらけじゃないか」
「顔だけはいいんですね。この人達は親の権力に頼っているだけでしょう?」
「バッカ!聞こえたらどうすんだ!ていうかお前ってホント毒舌だよな」
王女の御付きがぼそぼそと話しているのは極めて珍しい光景なのだが、王子達はパーティーが楽しみなのか、居酒屋並みに話が弾んでいるため誰も咎めなかった。
中にはこのパーティーで2人しかいない少女達に話しかけている者もいた。
「今回のパーティーに誘っていただきありがとうございます!」
「は、はい!今日はよろしくお願いします」
エミリーはドレスに着替えその者達の相手をしていたがこういうのに慣れていないのか、はたまた、こういう雰囲気が嫌なのかはわからないが、ぎこちない笑顔と言い方で言葉を返していた。
対してユリアはというと、
「こちらこそよろしくお願いいたしますね。楽しんでいただけるとありがたいです」
手慣れたように相手をしていた。
「この対人スキルの差だよ」
「他にもエミリーさんが王女として足りない部分はあると思いますが」
この隆二とノン2人のエミリーへの評価を聞いたか聞かなかったかは分からないが、エミリーの侍従のテミスは1人ブツブツと何かを言っていた。
「やはり最近公務をしていなかったからか…。というかエミリー様が嫌がるからこちらとしても公務をスケジュールに入れにくいんですが。ここは私が王女として必要なことを徹底的に教えるしか……」
「人としては、っていうか民間人よりかはエミリーさんも品格はあると思うけどさ。結構活発な部分があるからな。公務とかしない王女を持つと侍従の人は大変だな」
「そう言えば私結構ステルダム国のパレードとかに行ってましたけど、エミリーさんを見たのは数回しかなかったですね」
そうこうしているうちに、全員が部屋に入ったのか各々グラスを持ち出した。
ストラスフォード国国王ティル・ファングがステージのような場所に立ち、パーティー開始を促した。
今まで以上に賑やかになってきた部屋で、エミリーとユリアは一緒に行動していた。
途中で何度も話しかけられたが、エミリーのぎこちなさをユリアがフォローしていた。
「ごめんねユリアちゃん…。こういうの慣れてなくて。というか、このドレス動きにくい…」
「まあまあ。そんなに長時間じゃありませんから我慢しましょう?」
「む~」
つい前日に戦闘をしていた少女には、やはりこのような雰囲気には向いていないのか。
「ところで」
ユリアには何か気になることがあるのか、そう切り出した。
「あの殿方はエミリーちゃんとどういう関係ですの?」
「うえぇッ!?どどど、どういう関係ってどういうこと!?」
「あらあら。凄い慌て様ですわね~。だってあの殿方は結構イケメンでしたし、エミリーちゃんと親しそうでしたから」
その質問にエミリーはわたわたとした。
「あ、あれはね?リュウジさんはね?あの…私が魔法を使えるようにしてくれた人で、そんな長い付き合いじゃないから!ニヤニヤしないで!!」
「恋バナというものは楽しいですわね。これからもエミリーちゃんのことをいじろうかしら」
「止めて!!あの人とは何もないから~!」
一方的にいじられているため、エミリーの顔はどんどん赤くなった。
それを横に見ながら、せっせと料理を食べまくっているのは隆二とノンだった。
「あの2人なんの話をしてんのかな?エミリーさん顔赤くなっているけど。つうかこの料理うめぇな!」
「そうですね。あっ、こっちもいけますよ」
もぐもぐと全ての料理を皿に乗せながら、部屋中を歩き回っている彼らを咎める者は何故かいない、という異様なことになっているが、ただ1人止めにかかった者がいた。
「リュ、リュウジさんとノンさん。できればもう少し大人しくしてもらっていいですかね?」
オルリナが冷や汗を流しながら、言った。
「おう!オルリナさんか!アンタは食べないのか?」
「私はちょっと…。警備員ですし」
オルリナの発言も気にせず、隆二とノンは黙々と料理を平らげる。
その後も、食べ続けた2人は全ての料理をコンプリートした。




