ストラスフォード国国王
ドアを開けた部屋には、中央にテーブルクロスが引かれた大きいテーブルが置いてあり、そのテーブルに添え付けられている椅子に向かい合うように座っている集団があった。
「おお!リュウジ殿ではないか!!」
隆二に最初に話しかけてきたのは、低い声。
顎の髭が目立つ、ステルダム国国王マクルス・スチュアートだった。
「どーも。なんか昨日の戦闘に関わった者ってことでここに呼ばれました」
「ほぼド派手な戦いをしていたのはリュウジさんだけですけどね」
ノンが横からいらない事を言ってくるが、それを完全スルーして隆二に新たに話しかかてきた者がいた。
「君がリュウジ君か。ストラスフォード国国王のティル・ファングだ。マクルス殿から君の話を聞いたよ。エミリー殿が魔法を使えるようにしたとか」
「あれ?ティル様はエミリーさんが魔法を使えなかったことをご存知なのですか?」
王女が魔法を使えないというのは一大事なので、一般にも他国にもそのことを知らせていないと隆二は思っていたのだが、ティルは知っているようだ。
「我が国とステルダム国は世界大戦前から友好関係だったのでな。そういうことを話し合えるほど古い仲なのだよ。マクルス殿とは個人的にも」
「ティル様。本題に入りたいので、この者への質問は後ほどにしていただいてよろしいでしょうか?」
会話に割り込んできたキエルがティルに意見を言う。
ティルはまだ隆二と話したそうにしていたが、意見を聞き入れ、本題に入るように促した。
「リュウジ殿だったかな?君の名前は」
「そうですけど」
「そちらの君はノン殿だったかな?」
「はい」
キエルは隆二とノンに順番に名前の確認を行った。
「これから先は私とこの方で質問させていただきます」
キエルは手で横を示した。紹介された者は隆二達に一礼した。
「ステルダム国騎士団団長オルリナ・エーストです」
オルリナはオレンジ色の髪を後ろで結び、所々体を守る部分がない鎧を着ていた。
「早速、本題に入らせていただきます。昨日の出来事はすでに昨日の内に、城に戻ってこられたエミリー様から聞いています。リュウジさんとノンさん、特にリュウジさんですが。『白い爆発』を起こしたのはあなたですか?」
「俺ですねー。お騒がせしてすみません」
オルリナはペコっと謝る隆二を見ながら、
「あれはスキルですか?スキルにしては威力も攻撃範囲もデカいですが」
「エクストラスキルですね。まあ、自分でも把握できていないんですけどね」
何かの紙、報告書のようなものに記しながらオルリナは聞いた。
「ここで、そのスキルを使うことはできますか?」
「このスキルは使用後に動けなくなるので、できるだけ使いたくないんですけど…」
ここで、隆二が提案した。
「魔法の威力くらい見せれますよ?」
「なら、それをお願いします。あれだけの威力のスキルを使う御方がどれだけの実力なのか…騎士団長として我々も知りたいですし」
それを聞いた後、隆二は魔法欄から初級魔法を選択する。
(今ここで俺の実力を見せるのはやめよう。易々と自分の実力を見せるのはよくない)
「じゃあ、いきます」
隆二が宣言する。
その時。
「あ、待ってください。ここは私とキエル殿が結界を張っているので魔法は使用でき……ま………せん!?」
隆二の周囲に魔法陣が展開される。
「な!?」
「なんだと!?」
隆二とノン以外の、この部屋に居る者全てが驚愕した。




