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エミリーのエクストラスキル

 ワームという怪物を創生したのは一体誰だろう。

 『この世界』においては『ヘンリー家』というのが様々な研究を進めている。

 『この世界』の最先端を行くのが彼らだろう。

 日本は『この世界』よりは確実に技術が進歩し、生物開発も発展しているがワームなどの怪物を製造していたりしたら、大々的なニュースにでもなっているだろう。

 この時点で『この世界』や日本では無いということは明らかだ。

 当初の疑問に戻るが、ワームを創生したのは誰かというだ。

 果たして人が創生したのかも怪しいところだが、この疑問の答えがワーム討伐の鍵になる。


 人間は決して完璧ではない。どこかに必ず欠点がある。

 それはモンスターにも言えることである。

 ワームにも必ず弱点がある。

 有名な話では、切り離した体を犬に咥えさせそのまま持って行ってもらうことで、再生を阻止する方法。

 もう1つは斬り落とした体を川に流して遠くまで運ぶことで、再生を阻止する方法。

 ある意味ではそれも打開策の1つかもしれない。

 だが、『ヘンリー家』の開発によって強化されたワームはイギリス伝承の時点ではその方法で対処できたかもしれないが、再生能力がアップしその方法でも倒しきれない可能性が高い。


 なら確実にワームを倒すにはノンが提示した、圧倒的な力でワームを一瞬で消滅させることだけが打開策だ。



***



「『聖の援助(ジエルデイ)』…?これが私のエクストラスキル?」

 エミリーの所持していたエクストラスキルは『聖の援助(ジエルデイ)』というものだった。

 スキル説明は隆二と同じく『説明不可』。

「説明不可ですか…。このスキルが直接敵を攻撃するものじゃなかったら絶望的な状況になりますね」

 今ワームを引き受けているテミスを見ながらノンは言った。

 現在テミスはワームの攻撃を華麗に躱しているが、体力が減ると攻撃を受ける可能性が高くなるだろう。

 現在の状況を鑑みるに、時間的な猶予はほぼ存在していない。

「私はこのスキルを使う。もうこれしか希望がないから」

「そうですね。なら大規模攻撃であることを信じてそれに賭けます!私はテミスさんに加勢するので準備ができしだい、合図をお願いします!」

「了解!」

 ノンはワームの元へ全速力で向かう。

 ノンはテミスに当たりそうな攻撃を魔法で迎撃することで、テミスの負担を減らしていた。

 エクストラスキルを使用する際に準備などは必要ないが、心の準備というのは必要だろう。

 ある程度、心を落ち着かせたエミリーは、

「いける!2人とも下がって!」

「分かりました!テミスさん!一旦下がって下さい!」

「作戦ですね?了解しました!」

 2人が下がったのを確認したエミリーは、ワームが接近する前に、急いでエクストラスキルを選択する。


(お願い!どうか大規模攻撃のようなスキルであって!)


「『聖の援助(ジエルデイ)』‼」


 その瞬間。

 ワームを中心とする大規模な眩い光を放つ柱が出現した。

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