表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/89

狼男

「貴様らはルイスと会ったであるか?」

「ルイス…?」

 男は突然隆二たちに質問してきた。

「その様子だと知らないようであるな。何者かと交戦している感じがしていたが、まだそいつに時間がかかっているのであるか」

「さっきから何を言っている。こっちも言いたいことはあるんだが。何故俺たちをここに連れてきた」

「それは貴様が理由に気づいていないだけである。分かっているであろう?認識しているであろう?自分の異常な力を」

 自分は何もかも分かっている、とでも言うように男は言った。

「お前はエクストラスキル欄にある『無に還し(ノンイレーズ)』を世界樹(レイン)の時に使ったはずである。そのときにお前はこう思っただろう。『この力は何だ』と」

 男は隆二の全てを知っていた。思考すらも知っていた。

「だが貴様に『無に還し(ノンイレーズ)』とはなんだ、と聞かれても我は答えない。正体を知った途端、貴様の辿る道は決まっている。我の強敵となる前に貴様を殺す」

「貴様をここに連れてきた理由はそれだけだ」

 男はどこから出してきたかもわからない薙刀を握りながら言った。

「名前を言っていなかったであるな。冥途の土産に覚えておけ」


「オスカ・ヘンリー。『転生族』、『ヘンリー家』の一員である」


 言葉を発するとともに、オスカは自分のスキルからなにかを選んだ。

「進化前とはいえ、『無に還し(ノンイレーズ)』と生身で戦うのはキツイからな。こちらもエクストラスキルを使わせて貰う」

 オスカが選んだスキルはエクストラスキルだった。

 オスカの体から獣の体毛が生えてくる。牙も爪も鋭くなり、体は数倍大きくなった。

 それはすでに人間じゃなかった。

「獣人化!?狼か!」

「狼男というのは知っているであろう?我のエクストラスキルだ。全ての身体能力を発動中強化させるという極めてシンプルなものだがな」

 だが、とオスカは付け足した。


 隆二にその声が聞こえたときには、オスカは隆二の目の前に来ていた。

「こういうことも簡単にできる」

 オスカにとっての1秒は条件さえ揃えば人を殺すことも可能な秒数なのだ。

 オスカはそのままのスピードで隆二を吹き飛ばした。

 ドゴォォォン!!という音を響かせ壁に激突した隆二は、その瞬間にはそこに姿がなかった。


 意趣返しのような感じで、オスカの目の前に一瞬で迫った隆二は拳を握る。

「お前のスピードも凄いようだが、単純なステータスなら俺の方が上だ」

 隆二が放ってくる拳をオスカも拳を放って迎え撃つ。

 衝突した瞬間、2人の強大な力により周囲に衝撃波が発生した。

 その後も、拳のやり取りが数回あった。

「ノン!バリア内に入っておいてくれ!」

「はい!」

 隆二はオスカと少し距離が離れた瞬間を使って、ノンに指示を出した。

「後ろに守るべきものがいると戦いにくいのではないか?」

「生憎、そこまで苦戦しているわけではないんでね」

 少し話したものの、2人は再び激突する。

 隆二は剣を握り、オスカは狼の鋭い爪があるため素手の状態でぶつかり合っていた。


 怪物たちはそれぞれの武器を用いて激突する。




 『限界突破(リミットブレイク)』のあるダンジョンの戦い

 現在の状況

神崎隆二…戦闘中

ノン・マティス…戦闘中

オスカ・ヘンリー…戦闘中。エクストラスキル開放状態

仮面の男…戦闘可能。現在地不明

 戦闘不能者

ルイス・ハーン

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ