表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/89

世界樹との戦闘(4)

「さすがのお前も、この攻撃には耐えられないだろう?」

 レインは勝ち誇った顔で言った。

 彼女の目には確実に攻撃が隆二に当たるのが見えた。

 だが。


「残念。まだ許容範囲だ」


 彼女の部屋の一部分が白く霞んだ。その霞んだ場所から声が聞こえた。あの少年の声が。

 徐々に実態を表すそれは――


 隆二だった。


「なぜ…生きている!?」

「確かにお前の攻撃は俺に当たった。だが、当たる直前に俺は『空間防御(バリア)』を使ってダメージを最大限減少させた。まあ一度は地上に放り出されたが、俺には『テレポート』があるからな。すぐにここに帰って来られたよ」

 レインはなめすぎていたのだ。隆二の現在のレベルは『LEVEL1920』。レインは『LEVEL300』。この圧倒的なレベルの差にレインは気づいていない。

「まさかこれほどの強敵だとは気づかなかったなぁ。だが、あの杖は何としても取り返さなければならない」

「これで終わらせよう。その方がお互いにいいだろう。」

 レインはそう言って魔法陣を展開した。

「俺も奥の手を使わせてもらおう」

 隆二は自分のエクストラスキル一覧を見てみる。



『エクストラスキル一覧』


無に還し(ノンイレーズ)』…進化前。その他説明不可。使用後、使用1分につき10分行動不能。1分×10。限界発動時間は1回あたり1時間。呪文「全てを無に還す」


『消滅の創生』…消したステータスを他人に付与、または自分に付与できる。消した物ならば、実体化可能。現在使用不可。



(やばい。全然分からない。1つ目のスキルなんか『説明不可』って表示されているし。どんなスキルだよ。だが、2つ目のスキルは『使用不可』だから1つ目のスキルに頼るしかないが…ペナルティがきつい。1分使っただけでスキル解除後10分行動不能というのは厳しい条件だ)

 隆二はエクストラスキルを見て、自分の異端さを改めて実感した。

(まあ、でも使わなきゃ分かんねぇよな)

 昔から実際にしてみないと気が済まないタイプだったので、ここでもその性格がでた。


「これが今私ができる最強の魔法だ」

 レインの魔法は準備が整っている。


 一方、隆二は『無に還し(ノンイレーズ)』を選択する。


 ――ブオォォォォ!!


 彼の体から白いオーラのようなものが漂い始めた。

 彼の顔に白い線が刻まれた。

 髪は黒から白に。

 彼の剣『パーソンプロテクション』は刀身が黒から白に変わった。

 そして、彼の目は金色に。


 隆二の変わりようにレインは驚愕した。

 しかし、すぐに笑みを浮かべる。

「それがぁ、お前の全力か。面白い!!お前の全力を上からねじ伏せてやる!!」


世界樹幹合成魔法せかいじゅみきごうせいまほう!!」


 彼女の周囲に浮かんでいた世界樹の幹は合わさり、1つの巨大な幹を創生した。

 先ほどの幹より10倍はありそうな直径。


「いけ!!」


 彼女の合図で幹がもの凄い速度で隆二に迫る。

 避けきれないと判断した隆二は剣で迎え撃つ体制になる。


 ――ビュォォォ!!




「全てを無に還す」




 隆二のエクストラスキルの呪文を最後に、彼の剣とレインの幹が激突した。


 その瞬間。ダンジョンを丸ごと吹っ飛ばすほどの『白い爆発』が起きた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ