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剣技の特訓

 ダンジョンに潜って数時間が経った。

 ダンジョン内のモンスターはスライムやゴブリン、毎度お馴染みホワイトウルフしか出てこない。

 こんなにも同じモンスター…ホワイトウルフを倒しまくっていると少し罪悪感がある。

 まあ、いくらでもいるから大丈夫だと思うけどね。

 

 俺がここに来た理由。

 それは2つある。


 1つは単に俺がダンジョンを攻略したいから。


 2つ目の理由はエミリーさんの武器作成に必要な素材の入手である。

 昨日話しているときに見たが、エミリーさんが持っていた杖はゲームでいうところの初期武器だ。

 これから強力な魔法を覚えていくには初期武器では耐えられない。

 

 俺が作ろうと思っている武器は『ケミニーホープ』という武器だ。

 昨夜、杖の設計書を書いたときに『武器作成スキル』を入手したので、自分で武器を作れるようになった。この杖は俺のオリジナルだ。

 作成に必要な素材。

 1つ目は『龍の目』。

 これは前に戦った龍から入手していたから問題ない。

 2つ目は『世界樹の枝』。

 杖の本体となる部分に使う。

 世界樹の枝は普通の枝より遥かに耐久力がある。また、魔法攻撃1.3倍の付与効果(バフ)がつくところが優秀だ。

 しかし、この世界樹の枝はそこらへんにあるわけがなく途方に暮れていたところ、このダンジョンに生えているのを発見した。

 まあ『生えている』じゃなくて、『発生させられている』が正しいと思うが。

 これで一応今日の目的は果たしたので、ダンジョンから出ようと思う。


 最後に最深部の大きい扉を見る。

 ここは面白そうだ。この中にいる奴がこのダンジョンのボスだ。


 俺は笑みを浮かべながら、扉に背を向けて歩き出した。



***



 待ち合わせ場所に来るともう2人は到着していた。

「あ、師匠!こんにちは!特訓をお願いします!」

 エミリーさんは乗り気のようだ。まあ相変わらずテミスさんは浮かない顔をしているが。

「今日は剣技を教えたいと思う。魔法については自分で覚えてもらってくれていい。分からないことがあれば俺に聞いてくれ」

「はい!」

 返事を聞いたあと、俺は2人に向かって木刀を投げる。

「これは?」

「これから2人にはその木刀を使って俺を攻撃してもらう。俺に木刀を当てられれば特訓成功だ。ちなみに2人で協力してかかってこいよ」

「…なめているのですか?」

 テミスさんは剣技に自信があるのか、俺に威圧感を放ってくる。

「まあ来いって」

 

 2人は顔を見合わせると、左右に散った。

 いい判断だ。

 敵と戦うときに重要なことは、どれだけ敵の視界の外にいき奇襲を仕掛けられるかだ。

 だが、俺にそれは効かない。


 俺の正面に陣取ったエミリーさんが上段から木刀を振り下ろしてくる。

「せりゃぁぁ!!」

 正面から繰り出される攻撃を体をくねらせながら避ける。

「ふっ!!」

 そこで、横から繰り出された薙ぎ払いを木刀を使って防ぐ。

「!?」

 受け止められたのが驚いたのか、テミスさんの体の力が少し抜けた。

 そこを狙って、木刀でテミスさんもろとも後方に1メートルほど飛ばす。

 そして正面で攻撃を放っているエミリーさんも同じ方法で後方に飛ばす。


 そして再び突撃体勢を整え始めた2人を静止させる。

「2人がかりで攻撃しても一発も当てれないなんて…」

 2人とも驚いている。

「まあ、木刀でやってみたけど2人ともいい剣筋だね。だけど2人とも攻撃をしている最中に隙がありすぎる。当分は俺に本気を出させることを目標にするかな」

「は、はい!!」

「はい!」

 エミリーさんは元からとして、テミスさんも気合が入ったのか元気のいい返事が返ってくる。


 当分の間剣技の特訓かな。

 こっそり心の中で思ったりもしている。

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