表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/89

俺が助けたのはお姫様

 宿屋に帰った後にスキルを見ていたらある変化を見つけた。

 

 1つは観覧できる個人情報が増えたことだ。

 前までは名前とスキルだけだったが、加えてレベルも観覧できるようになった。


 もう1つはマップだ。

 現在地検索と自動マッピング機能に加え、マッピング内種族表示機能・イベントお知らせ機能だ。

 

 『マッピング内種族表示機能』というのは、そのマップ内にいる種族を確認できるというものだ。誰が何の種族かは分からないがどんな種族がいるのかが分かるようになっている。


 『イベントお知らせ機能』

 ここで言っているイベントはゲームのイベントではなく、この場所でこのようなことが起きそうだということを教えてくれる。具体的な例を挙げれば、国同士の情勢が悪化し戦争になりそうになりどちらかの国が砦などをつくり始めたとき、地形情報でそれを取得しマップで、ここで戦争が起きそうというのを教えてくれるらしい。説明が律儀に書かれてあるのが不自然だが。

 ちなみにこのお知らせは確実ではなく予想が外れる場合があるらしい。


 新機能を確認したので、今日はもう寝ようと思う。クエストが意外に楽しかった。明日以降はやることが特にないので、クエストをクリアしていこう。

 レベルはもう上がらなくていいが、ゴールドは多いに越したことはないのでじゃんじゃん稼ごうと思う。





 初クエストから数日がたった。

 リンデさんからオススメされるクエストを片っ端からこなした結果、俺のレベルは『1912』に。スキルはあまり得られなかったが、ゴールドは予想以上に貯まった。

 何故か最近、リンデさんやガレスさんから俺の素性を聞かれるのだが。聞かれても俺はもともとこの世界の住人じゃないから曖昧に答えるしかできない。


 さて、今俺が受けているクエストは『シュティーエーバーの討伐』。

 シュティーエーバーは鋭く長い角を持ち、長い尻尾は鎧を一発で破壊できるほどの威力があるという。

 そのシュティーエーバーと思われる赤い大きい点をマップで見つけたのだが、少し厄介なことになっている可能性が高い。

 大きい赤い点の進行方向に人間と思われる小さい点が2つ表示されている。

 もし後ろから不意打ちで角で刺されたら大惨事だ。

 急がなければ――


「きゃぁぁー!!」


 遅かったか!大きい赤い点は2つの赤い点が表示されている場所で停止している。


 『ブースト』発動!!


 全速力で走り抜ける。



 俺の目がシュティーエーバーを捉えた。

 やはりあの大きい赤い点はこいつだったのだ。

 シュティーエーバーの目線の先には腰が抜けている2人の少女がいた。

 見る限り怪我はしていないようだ。


 2人の無事を確認し、鞘から剣を抜く。


 勢いを殺さず、そのままのスピードで敵の側面に向けて剣を構える。


 側面に上段から剣を振り下ろし攻撃を入れる――


「!…モオォォ……」


 シュティーエーバーの体は真っ二つに斬れ、そのまま光の粒をまき散らしながら消えた。


「えっと…大丈夫か?」

 俺は呆然としている少女たちに話しかける。

 何秒か固まっていたが、片方がハッとし立ち上がった。


「助けていただきありがとうございます。私はステルダム国王の娘エミリー・スチュアートです」


 あ、ヤベ。


 これが俺の交友関係が崩壊し始めたときだった。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ