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いつか結びて月に咲く  作者: クエルア
welcome to the another world
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第4話 補正の存在を確認、及び認知(20161117改稿)

忘れてたから次は忘れない内に投稿したい

 目が覚めると、

 知らない天井が目にはいった。




 …………これさっきもやったな。


 時計をみると21時を示している。えーと、……

 こっちに飛ばされたのが17時半頃、一回目に目を覚ましたのが確か20時だったから…………

 一時間眠ってたのか。


 外を見るとまだ昼のように明るい。

 そもそも異世界だとしたらこちらの世界にも昼や夜という概念はあるのだろうか。いや、さすがにあるか。


「さて、一応推理タイムの前に情報収集と行きますかね」


 咲はここら辺の事を知っている人物に話を聞くことにする。もちろん、ここら辺の事を知っていてなおかつ咲の知り合いである人物は今のところ一人しかいない。

 グリーである。

 早速立ち上がってドアを開けて部屋を出る。瞳に写るのは木製の廊下。

 部屋の間取りが分からないのでなんとなく歩き回っていると、咲は誰にも出会うことなく玄関にたどり着いた。たどり着いてしまった。




「おーれーの………靴っと」

 靴を履き、外へ出た。

 真っ先に聞こえてきたのは『スコーンっ』という感じの心地よい音どうやら右側から聞こえてくるようだが。しかし、首を右に回すが誰もいない。

 よくよく聴いてみるとどうやら家の死角となっていて見えない場所から音が聴こえる。

 そこへむかって咲は歩いていった。




「何してるんだ、……グリー」

「ん?……お、サキか。体大丈夫なのか」

「あぁ、まあな。寝すぎて体を動かしたい位だ」


 名前を結構ガチで忘れていた咲。

 音のする方へいってみると、グリーが薪割りをしていた。ちなみに咲は、薪割りをする人をみるのは、これが初めてである。現代人のほとんどがそうであるように、また咲も、その『ほとんど』の内のひとりであった。

 グリーの回りには割った後の薪が山というほど積んであった。

 もしかして俺の寝てる間の一時間ずっと薪割りをしていたのだろうか?グリーの額には大粒の汗が結浮かんでいた。


「んじゃ、やってみるか?これ」

 グリーが斧を咲へ手渡す。

「んじゃやってみるかな」

「よし、ならすこし俺は休憩する」


 手渡された斧をしっかりと握ってみる。

 随分と使われているようだ。

 金属部分の劣化が半端ではないほど進行している。

 グリップはないのに手にしっかりとフィットするあたり、さすが使いふるされたものである。

「………結構軽いのな」

 咲が片手で斧を弄びながら言う。

 結構刃の方も大きく、全長も1㍍はある代物であった。

 しかし見た目ほどの重量を感じない。

 というよりもまるで紙のように軽く感じるのだ。

 これは、やはりあれだろうか。

 異世界の謎技術の賜物なのであろうか。

 いや、異世界だなんて俺は信じないぞ。

 これは、多分、カーボン素材とかで

 軽量化されてるんだろうな。

 うん、きっとそうだ。


「その斧が軽いって?」

「おお、ほら」


 そうして片手で振り回して見せる。


「いい素材使ってんのな」

「あ、あぁ……(…………)」


 グリーがなにやらつぶやいたようだが、どうやら聞き逃してしまった咲。


「これを割ればいいのか?」

「あぁ、そうだ。いっとくけどその木はものすごく硬いからな、気を付けろよ。その腕なら全力でやらないと無理かも知らん。いや、その斧を片手で振り回せるなら大丈夫か」

「あら?この斧って重いのか?」

「まあいいからとりあえず全力でやってみろ」

「いや、みるからに固そうだけど薪割りを全力でやれってのはなぁ……」



 …………俺の力って適当に電柱折るとかなら普通にできる位の力があるのだがそれでも大丈夫なのだろうか?


 切り株の上にちょこんと一つ薪がある。

 その薪を見て咲は結構驚いていた。

 なんと、切り口に年輪がないのだ。

 普通木は成長する際、樹皮と木部の間で細胞分裂が起こり、新しい繊維細胞や年輪が作られる。

 言いかえると、年輪とは人間で言う「年齢」にあたり、成長の証でもあるのだ。

 薪が置かれている台座代わりの切り株には年輪があるのに、この薪自身には年輪がない。そんな木は地球にあるはずがないのだが………。

 ………異世界説に信憑性が増してきたのだが、できれば

「ここは、異世界だったのか!」

 という展開は本当にやめて欲しい。『新種発見』くらいの話の大きさであって欲しい。

 外国に飛ばされているほうがよっぽどましだ。

 まあ、それは今考えたところで何も解決しない問題である。

 今は目の前のことに集中して、

 もう一度薪を見る咲。

 断面がツルツルである。

 もしかしてこの薪は、横には割れやすいような繊維の入りかたをしているのだろうか。

 ………というか横に割れやすくて縦には割れにくいって、いまからやろうとしてるのは

 薪割りじゃなくて薪折りになるんじゃ…………?


「まぁいいか、……ょっと」


 斧を大きく後ろに持っていき、恐らく硬いであろう薪を折る動作に入る。

 体の芯の正面に薪を合わせる。

 これぐらいの力でいいかな?

 いま力を籠めるときに気づいたが、力が入りやすいというか引き出しやすいような感じがする。

 このフィットする木の握り手部分のおかげか?

 そして咲は斧を振り上げ─────



 ドッッ!!!



 一気に薪の真ん中に全力で振り降ろした。

 振り降ろされた斧は、少しの重力加速度とともに、薪を割り、遂には切り株をも割ってしまった。


「あっ(これやばいんじゃ)」


 しかし、咲が気づいたときにはもう遅く、





切り株をも割ってしまった斧はその勢いを止めることを知らないようで、その刃は地面にまで達した。その時、辺りがふっと暗くなる。グリーはその原因を目の当たりにしていた。


「ん?あ"!?」

 斧が振り降ろされたことにより、地面にめり込んだ部分からおよそ5メートル位先までの土が、身長より遥か高くまで舞い上がったのだ。そして地面にめり込んだ斧は、その動きを止めた。


 刹那


 数秒間の揺れ。

「地震」というには足りないほど微々たるものだったが確かに地面が揺れた。そして空中に舞っていた土が音をたてて落ちる。二人とも土まみれになったのは言うまでもない。





 呆然としているグリーと、やってしまったかのような表情で顔を手で覆う咲。




 暫しの静寂。









「はぁ!?」


 その静寂を破るかのように、グリーが土まみれの体の振るいながら大声をだした。


「………あのグリズリーの死体を見たときからおもってたが、その斧を片手で持ったり、斧で地面揺らしたり、一体そのからだのどこにそんな力があるんだ……!?「格」を解放してないのに純粋な筋力でそこまでできるのか!?いったいなにしたんだ!?」

「いや、そんなこと言われてもなぁ……」


 筋トレとしかいいようがない。いや、それでもこの力はおかしい。ここにくるまではこんなに地面揺らす程の力なんてのはなかったはずだ。

 …………これは「補整」か?

 いよいよ異世界説に信憑が増してきたな。一応覚悟は決めといておいたほうが良いのかもしれない。

 そして追記しておくが、咲はあの熊みたいな奴、正式名ブラックグリズリーとやらの死体をまったく思い出せない。

 本当に倒したかどうかさえもわからない。

 咲は頭でも打ったショックかなんかで記憶が混乱しているのではないかと考えている。


「もしかして解放してなくても身体強化系の魔法をつかえるのか……?」

「…………」


 アーハイハイキコエナイキコエナイ

 魔法ナンテコトバハイッサイ

 ミミニシテオリマセン

 タブンソラミミダナ


「いや、戦闘方法を他人に明かすなんてことするわけないよな、忘れてくれ」

「え?あ、あぁいやぁ、うん秘密ってことで」


 ………秘密もなにも俺自身よく知らないんだから教えるもくそもないわけで。

 本当に残念そうにしているグリーをみていると少しかわいそうな気がしてくる。




 とりあえず薪を全部切った。

 いや、切り株はあの一発で真っ二つだから使い物にならんよ。地面も不安定だしな。

 じゃあ、どうやって薪を割ったかって?

 簡単だ。




 薪を放り投げて空中で切った。


 グリーのなんか信じられない物を見るような視線はめんどくさいので無視した。一応武器の扱いも高度なレベルまで鍛えたつもりではあるが、流石に一度も使ったことのない武器で、ここまでできるのはどう考えてもおかしい。


 


 今なら俺なんでも出来るような気がする。


 幾度も本で読んでいつも疑問に思っていた主人公補正。こういうことなのかもしれんね。

 ………やだ、俺主人公だって。




 まじでやめてくれ。



FGOでみゆ概念礼装あたったけど俺はイリヤ欲しいがほしいのだが………

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