55話 夢にいた誰か
私が眠っていた時に誰かが私に話しかけてきた。
『君も病気になってしまったんだね・・・・・・』
どこからか聞こえてきた声は全く知らない声だった。私は声の主が誰かわからなかった。でもどこか懐かしい気がしたのだ。
『あなたは誰?』
私は声に尋ねた。しかしこの時に対する答えは返ってこなかった。
『これから君の身に起こるかもしれないことを僕は話しておかなければならない』
私の身に起こること?いったい何なのだろうか?この時の私には全くわからなかった。
『君は呪われているんだ。いや、正確に言うと呪いがついていると言った方がいいのかもしれない。そして現状ではまだ解決出来ない』
『解決出来ないって、この先も私の周りが不幸になっていくしかないの!?』
私はそんなこと信じたくなかった。この先一生このままだなんて想像したくもなかった。特に新瀬君と出会ってからは強くそう思うようになった。
しばらく声が聞こえなくなった。夢なのにここまではっきりと意識があるのは初めてだった。
そしてまた声が聞こえてきたのだ。
『解決策はあるんだ。でも今はまだ実行出来ない』
私は驚いた。解決する方法があるなんて今まで一度も言われたことがなかった。お祓いに行ってもダメだったのに・・・・・・でもいったいどうやって?
『どうすれば呪いは解けるの?』
『・・・・・・それはまだ言えない』
『どうして!?』
『言えないんだ』
それしか返ってこなかった。どうしてまだダメなのかがわからなかった。
『あまり時間がない。これから起こるかもしれないことを説明するからよく聞いて』
『ちょっと待って!』
声の主は私の返事を聞こうとはせず話し続けた。
『まずこの先もしかしたら大事な人を失うかもしれない』
大事な人を失う!?そんなこともう嫌だ!私は信じたくなかった。
『そこから君の周りで大きく変化があると思う。不幸が偏るか、もしくは君に不幸が襲いかかる。すでに君が病気になってる時点で何かしら変化は起こっているんだ。ただ実際どうなるのかは僕にもわからない。今まで通り何も変わらないかもしれない。僕が言えるのはそれだけだ』
変化が起こる?それに私に不幸が起こるってどういうことなの?私は全く意味がわからなかった。今までそんなことなかったのにどうして急にそんなことが起こるんだろうか?
それより私は声の主が気になって仕方がなかった。
『急に言われてもわからないよ!それよりあなた誰なの?』
『・・・僕は誰でもないよ・・・・・・君の中にずっといる。ずっと君を守って・・・・・・・・・』
最後の方は声がどんどん小さくなってほぼ聞こえなかった。ただ最後にいろのと言われたような気がしたのだ。
私はそれからすぐに目が覚めたのだ。夢の中では少ししか話していないのに時間は数時間も経っていたのだ。
それと目が覚めると体調は良くなっていた。あの夢はいったい何だったのだろうか?とにかく大事な人を失うというのだけは信じたくなかった。
羽野君に夢と言われるまでこのこと以外を完全に忘れていた。
しかし今こうして夢で説明されたことが現実となっている。私の身に不幸が起こってしまっているのだ。
この先私はどうすればいいのだろうか?とにかくこのことを二人に話さなければならない。
そう思い私は二人に夢の出来事を話すことを決めたのだ。




