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呪われた転校生  作者: にごう
1章:新瀬典貴
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27話 夢の確認

翌日俺が家から出ると佐久野が家の前で待っていた。少し驚いて立ち止まった。すると佐久野が俺のことに気付き笑顔でおはようと言った。俺は少し呆けた顔をしていたがはっとなり慌てて笑顔を作りおはようと返した。

俺は佐久野と一緒に学校へと歩き始めた。それにしても佐久野の体調はもう大丈夫なんだろうか。俺はそのことが気になり佐久野に尋ねた。

『体調はもう大丈夫なの?』

『うん、昨日の午後にはもう熱も下がって何もなかったかのように元気になったの』

そんなことがあるのか?そう思ったがそれ以上のことが今起こっているから特別不思議なことではないんだろう。俺は自分にそう言い聞かせた。

しばらく歩いていると、佐久野の様子がおかしい事に気がついた。ずっと何か考え込んでいる様子で歩いている。不思議に思った俺はどうかしたの?と佐久野に尋ねた。

『なんでもないよ、大丈夫』

佐久野はそう答えたが、実際大丈夫そうには見えない。俺は佐久野の顔をもう一度見つめた。すると突然佐久野が慌てた顔でこちらを向いた。

『危ない!』

俺は佐久野に手を引かれた。その直後俺の前を車が通り過ぎていった。もう少しで引かれる所だった。俺はすぐに佐久野の顔を見た。

『危なかったね』

佐久野が心配そうに俺の顔を見ている。でもそれは前とは違い絶望に満ちた顔ではなかった。俺は安心してありがとうと言った。


学校に着くと羽野が驚いた顔で俺達を見てこちらに近付いてきた。

『佐久野さん体調はもういいの?』

羽野が尋ねると佐久野は笑顔でありがとう、大丈夫だよと答えた。

そしてすぐに俺を引っ張って廊下に連れ出した。俺はそこまで強く引っ張らなくてもいいのになと思いながら後をついて行った。

廊下に出てすぐ羽野は小さな声で俺に尋ねた。

『佐久野さんに碇のこと聞いたのか?』

いきなりその質問が出るとは思っていなかったので俺は驚いた。

『き、聞いてない』

俺がそう言うと一瞬羽野が残念そうな顔をした。だから俺は話を外した。

『それより今朝車に引かれそうになった所を佐久野さんに助けられたんだ』

今度は羽野が驚いた顔になった。

『佐久野さんはなんともなかったのか?』

それはどっちの意味なのかわからなかったが、俺は両方答えた。

『佐久野さんには何もなかったし、呪いに関して何か言う感じもなかった。普通に俺のことを心配してくれただけだった』

『そうなのか。また関わるなって言われたら大変だもんな』

『その辺りはもう大丈夫だと思う。今朝も普通だったし』

すると羽野は何かを考える素振りを見せた。そして少しの間が空いて話し始めた。

『やっぱり碇の加護なのか?それより夢の話が本当なのか佐久野さんに確認したい』

『確かに確認したいな。教えてくれるかな?』

『わからないけどその場合、呪いを解くヒントになるかもしれないからって聞けば教えてくれるかもしれない。早速聞きに行こう』

そう言うと羽野は教室へ戻り佐久野の方へ歩いていった。こういう時の羽野の行動力は凄いなと思うことが多々ある。俺も羽野の後を追った。

突然戻ってきた俺達に佐久野はどうしたのという感じの顔をしていた。そして羽野が口を開いた。

『佐久野さんちょっと気になってことがあるんだけど、碇君の名前って何て言うの?』

ストレートに聞きすぎだろと思ったけどそれが羽野なんだなとも思った。

『二人共碇くん、いろくんの名前知らなかったんだね。てっきり知ってるものだと思ってたから』

いろくん?確かにそう聞こえた。俺達は一瞬顔を見合わせたけど、すぐにうんと頷いた。

『いろのって言うんだ。私と同じ色にこれって読む之で色之。男の子なのに変でしょ?』

佐久野は少し笑いながら言った。思ったより普通だったので安心していたら佐久野の目から涙が出ていた。

『どうしたの!?』

俺が佐久野にそう聞くと羽野も佐久野の異変に気が付いた。しかし佐久野が話を続ける。

『そう、私と同じ名前だったからこうなっちゃったの』

それから佐久野は手で顔を覆って俯いてしまった。

碇の名前を確認出来たのはよかったけど、佐久野に辛い過去を思い出させてしまったので、俺と羽野は名前を聞いたことを少し後悔したのであった。

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ブログ にごうきち Twitter @nigo_do_vi
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