表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呪われた転校生  作者: にごう
1章:新瀬典貴
13/80

13話 呪いの謎

『や、やばいんじゃないか、これ?』

俺がゴールに向けた拳を下ろした時、羽野が話しかけてきた。

『当たってれば死ぬとこだったじゃないか!?』

『かもな』

『かもなって…お前何でそんな平然としてるんだよ!?』

それは俺にもわからない。さっきまでは動揺していたが、今は不思議と落ち着いていられた。ただ、何となくここで死ぬことはないと思ったからだ。

『挑発だよ。きっと』

『え?挑発って…』

羽野は不思議そうに俺を見た。

『今はまだ殺す気はないんじゃないかな?そう思うよ』

『本当かよ!?』

『わからない…でも、今はそう思うしかないよ』

それを聞くと羽野は黙り込んだ。


しかし、確かに不思議ではある。本当に佐久野の呪いが俺を殺そうとしているのであれば、今のが俺の上に落ちていたはずだ。だが、実際は違った。ゴールは俺の上ではなく、すぐ後ろに倒れた。

これは呪いが俺に向けての挑発だと考えるしかないだろう。もし違うのであれば、何かが俺を護ったのかもしれない。

まぁ俺にはそんな何かに護られるような何かはないと思うけど。


とにかく、このことは佐久野には黙っていないといけない。そうじゃないと彼女がこの学校から去ってしまう。しかし、誰かを通して伝わる可能性は高い。だが、こればかりはどうしようも出来ない。


一先ず羽野には口止めをしたが、全員に口止めをするための理由がない。そう悩んでいると、

『俺が全員に口止めしといてやるよ!』

そう羽野が言ってきたのだ。

『でもどうやって!?』

『理由なんて何とでもなるさ。とにかく俺に任せとけって!』

少し悩んだが、羽野に頼むことにした。羽野はこういう時に凄く頼りになるやつだ。これからも頼ることは多いかもしれないな。


そして、俺は授業が終わると担任の伊瀬に呼び出された。

『怪我はなかったか?』

『はい、後ろに倒れただけなので』

『そうか、それならいいんだが…』

伊瀬は口を濁した。何か言いたそうにしている。


俺は早く教室に戻りたかったので、

『先生、何もないならもう戻ってもいいですか?』

そう伊瀬に言って、戻ろうとする姿勢を見せた。すると伊瀬が、俺を呼び止めた。

『ま、待ってくれ。先生という立場上、こういうことはあんまり言いたくないんだが、佐久野のことなんだが…』

俺は驚いた。何故伊瀬の口から佐久野のことが出てくるのかわからなかったからだ。しかし、動揺するわけにはいかないので、

『佐久野さんがどうしたんですか?』

平静を装った。

『いや、先生も佐久野の過去は知っているんだ。』

『え!?』

思わず声が出てしまった。伊瀬はそれを見て話を続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブログ にごうきち Twitter @nigo_do_vi
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ