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私はお金を貯めることを考えていた。

お金だけは裏切らない。

イマイチオーナーたち以外の人を信用できなかった。

うふふ、おほほ、と表面だけ仲良くしているようにしか思えない。

私は、今後また婚約者になり、婚約破棄された時のことを考えた。

もし、大人になってから婚約破棄されたら?

私が悪いといわれたら?

誰とも結婚できなくなったら?

家を追い出されたら?


手に職がないこと、人に誇れることが何もないことは私にはとても怖いことだった。

前世の父がいっていた。

「手に職をつけろ。そいつは裏切らない。」と。

ただ、私がご令嬢である以上、修行にでることは難しい。

そこで、思いついたのがお金だ。

お金はだいたいのことを解決してくれる。

この国では物価の変動もほとんど起こらないようで、よりお金を頼る理由になった。

「....というわけで、このプリンを売り出したいんだけど、どう思う?」

プリンは売れる。

前世の私が言っている。

甘いものは売れる、と。


ノリのいいオーナーはすぐに協力してくれた。

トントン拍子で庶民街に小さな店を構えることになり、プリンを売り出すことになった。

プリンなんて得体の知れないものが売れるのかーー

と心配に思ったが、どこかでモンタリーナ家のクロエ様(私)が関係してると噂になって、客が入るようになった。


「知っています?最近プリンなるものが流行ってるとか。」

久々に王宮に誘われたと思ったら、お茶会が行われていた。

「知ってますよ?」

「あら、いいわね、クロエ様は王子様におねだりすればいいんですから。」

「そうよね、どんな手をつかって婚約者になったのか。」

思った通り、社交界で陰口。

王子もそれを知ってながら、何も言わなかった。

クロエは、プリンの流行り具合を見るためだけに、お茶会に出ていた。


その2年後には店は大盛況となり、第二、第三の店舗も育っていた。

パンケーキも売り出し、今度はチーズに取りかかっていた。

それにしても貴族ブランドすごい....

私の噂を知らない庶民の皆様は、とりあえず貴族様の経営するリーズナブルな店として繁盛しています。

おかげさまで、ありがとうございます。

当のクロエ様が14歳の女児であることを知らない庶民の皆さんは、私が店に出入りしてもモンタリーナ家のクロエだと気がつかなかった。

16歳となった今では、街のあらゆる人と知り合いになっていた。

「あら、お嬢ちゃん。」

ちょうどお昼どきに来たのマラシアおばさん。パンケーキが大好きで、よく店に顔を出す。

「マラシアおばさん、今日も来たの!?」

マラシアおばさんは、いつもお友達を連れて食べに来てくれる。

さすがに毎日のようにパンケーキを食べるのはいかがなものか...

店に来てくれる喜びと、体調とを天秤にかけて悩む。

複雑な顔でうむうむうなるクロエをみて、店にいる客たちは穏やかな気持ちに包まれていた。


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