表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

あらしの夜に

作者: イワイサキ
掲載日:2014/11/17

「すごい雨だね」

「うん、すごいね」

 小さな洞窟の中から、仲良しのオオカミとヤギが外を見ていました。外はすごい雨でした。

「大きな川だね」

「さすがに泳げないね」

 雨は川になって、洞窟の前を流れていました。

「お家に帰れないね」

「明日になったら泳げるようになるよ」

 気弱なオオカミと強気なヤギは体を寄せ合って眠りました。


「雨、止まないね」

「明日にはきっと止むよ」

 二人は疲れ果てていました。

「お腹すいたね」

「美味しくないけどコケは食べれるよ」

 オオカミはコケを口に入れましたが、すぐに吐き出してしまいました。

「僕はね、君の仲間を食べるけど、君だけは絶対に食べないよ。友達だからね」

 そう言うと、オオカミは空腹に耐えるように目をつぶりました。


 お腹のすいたオオカミは横になったまま聞きました。

「外の様子はどう?」

 入り口の近くに座っているヤギは少し顔を上げて答えました。

「雨は止んだけど、川は泳げそうにはないよ」

 二人はまた目をつぶりました。眠くないけど眠ろうとしました。

「――ねえ」

 オオカミの声にヤギは顔を上げました。

「一本だけなら、足を一本だけなら、食べても大丈夫かな?」

 その声は小さく、やっと聴こえるような声でした。

「一本だけなら、大丈夫だよ」

 オオカミは後ろ足を一本食べ、眠りました。


 疲れ果てたオオカミは横になったまま聞きました。

「川は泳げそう?」

 ヤギは顔を上げ、答えました。

「まだ流れてるよ。明日になったらきっと渡れるよ」

 ヤギは目をつぶりましたが、オオカミはヤギを見ていました。

「――もう一本ぐらいなら大丈夫かな?」

 ヤギは目を薄く開け、答えました。

「前足ならたぶん大丈夫だよ」

 オオカミは前足を食べ、眠りました。


 すっかり細くなったオオカミは横になったまま聞きました。

「今日は渡れそう?」

 ヤギは立ち上がり、答えました。

「もう渡れるよ」

 オオカミは嬉しそうに立ち上がりましたが、すぐにこけてしまいました。

 二本足では上手く立つことが出来ません。

 その様子を見て、ヤギは言いました。

「僕は嘘をついたんだ。川なんてとっくに無くなってたんだ」

 オオカミはヤギの言っていることがわかりませんでした。

「僕のお父さんとお母さん、いなくなっちゃったんだ」

 そう言うと、ヤギは洞窟を飛び出しました。


 一人で帰り道を歩くヤギは、悲しくなりました。帰り道がとても長く、とてもとても寂しく感じました。

 やっとの思いで帰った家は静かでした。ヤギは泣きました。大きな声で泣きました。

 すると、見たこともないオオカミが家に入ってきました。オオカミはヤギを見つけるとすぐに飛び掛ってきました。

 いつもなら助けてくれる友達も、もういません。

「食べるなら、足から一本ずつ食べてください」

 なにも知らないオオカミは、言われたとおりにヤギを食べてしまいましたとさ。

元作品、まだ読んでないや。

救われない話が好き過ぎるので、よくラストを修正するのですが、これは突っ走りました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ