幼熟同意
もう、目の前の人を神様だと信じるしか無い。
神様は、力づくで人に頼み事をするということが出来ない。そう父からも教えられていたし、神様の見た目から、暴力的な印象がなかったので、断ることにした。
それは間違いだったのだろうか。
神様は、にやりと笑って、切れ目の目が赤く光り、俺に覆いかぶさるように大きくなった。
「急を要する」
どこからか、低い声が響く。
「お待ちください」
「ちっ」
そういうと、神様は元の姿に戻って、お茶をすする。
「お前でも事足りる相談事だ。そうでなければ、相談をしない。というか、お前の親父は、私は嫌いなのだ。何かとあれば、不承不承といった態度で、従順さがない。気も利かないしな、私の好みを理解しようとしないし。それに比べ、先ほどのケーキはうまかった。私は洋菓子の方が好きなのだ。そレを見込んで、相談しようというのだ。お前は、そんな私の気持ちを十分に考えて、良い答えを聞かせてはくれないというのか。話を聞くだけだ、何をそんなに警戒することがある」
まだ心臓の鼓動が、怖いほどに鳴っていたが、よく断れたと思う。反射的に断ったに近いが、それでもこの永遠に生きて、想像できないほどの力を持つのであろう神様の頼み事なんて、普通に考えて、受けるものではない。
「それに私は縁結びの神だ。恩は売っておいたほうがいいぞ」
「間に合ってます」
「それは嘘だろう」
バカにしたように神様は鼻で笑った。
非常に癪に障ったが、話を反らすことにした。
「その、変身って何にでもなれるんですか?」
「ん? あぁこれか。別に変身ではない。その全てが私の姿だ。力の出し方の違いにすぎない」
説明の意味が解らず、首を傾げていると、神様の髪の毛が短くなった。
「つまりはこういうことだ」
「いや、どういうこと?」
今度は、神様が縮んで、それに合わせて服も小さくなる。顔も幼く、手足も小さく可愛らしく変化した。
「こういうことだ!」
「なるほど、最高ですね」
「ん、そうか。何がだ?」




