表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

目的地へと

 ベンチに置いておいた新しい服を身につけた。

 Tシャツ、革パンツ、革ジャン、ブーツ、全てが黒で統一されている。

 シャッターを開き、スポットライトの電気を消した。

 真っ暗闇の中、またがらずにバイクのバイクのクラッチをニュートラルに入れ、セルスイッチを押してエンジンを掛けた。

 部屋の中が暖かかっただろうか。チョークを引かずとも、一発でエンジンは掛った。

 ヘッドライトのスイッチを入れる。ハンドルを握ってバイクを押した。

 シャッターを通り過ぎ、サイドスタンドでバイクを止めた。シャッターを下ろす。

 時計を見た、午後十時を少し回ったところだった。

 右のサイドミラーに引っかけたヘルメットを取り、かぶる。

 頭の中に、出雲路橋までのルートを思い浮かべた。

 バイクにまたがり、ギアをローに入れる。

 アクセルを吹かし、高速回転のまま急激にクラッチをつなぐ、後輪がスピンして、砂煙をまき散らした。

 だがすぐに強烈な加速が発生し、マシンは俺を夜の峠道へと運んでいった。

 俺の家は八瀬の山道を少し入ったところにあった。街に近いが、静かな環境だ。だが、山間部になるせいか、人はあまり住んでいない。

 バイクはマフラーを改造し、大きな音が出ないようにしてあった。水平対向六気エンジン。本来なら地響きがするほどの爆音が発生するのだが、大きな音をまき散らすのは俺の仕事には不向きなのだ。

 見慣れた夜の景色が、後方へと飛んでいく。

 俺は通常の人間よりも、目が良かった。夜目も利く。

 警察が設置したスピード判定機、遠くに見える検問。それだけではない、近くを走っている車両の動き、飛び出してくる恐れのある道、全てを把握することが出来た。

 事故を起こさず、最短の時間で目的地に到着する自身がある。

 出雲露橋へは、十分と掛からなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ