目次 次へ 1/36 プロローグ 英雄の詩 弱き者が強き者に喰われる。 喜で笑えば、哀で泣く。 剣が魔を切る。 魔が剣を砕く。 善があれば悪もある。 それは、この世界リアゼルに刻まれた揺るぎなき理。 空を渡る翼。 泥に沈む爪。 すべては同じ鎖に繋がれ、燃やすは命。 美しき理想は、遠き幻。 真実はいつだって、静かに喉元を裂く。 たとえ、どれほどの力を持とうとも。 たとえ、どれほど多くを救おうとも。 得た喜びは如何ほどか。 それでも…… 足掻き続けた英雄をここに記そう。 ——著者 影紡ぎの寡婦