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シテ・・・ドウシテ・・・


「ナイトシュバルト・ホームボディ、あなたに一騎打ちを申し込むわ」


陽光に照らされて燦燦と輝く長い銀髪。余りのまぶしさに反射的に目を眇める。

物語の1ページとしてならば散々見てきたありふれた一幕。しかしこうして当事者になってみると感じ方も変わってくるものだ。「何でこんなことに」である。




「この決闘に私が勝てば、あなたに私たちのパーティに加入してもらいます。負ければ私も相応のモノを差し出しましょう・・・受けてくださいますね?」




許可を求めるような言葉とは裏腹に、彼女の蒼眼からは拒否を許さない圧力が放たれている。人の機微を察することに低評のある俺にでも伝わってくるのだ。これがニートにはないコミュニケーション能力なのかと感嘆せざるを得ない。


だが入学して一年、だてに面倒ごとを躱し続けてきた俺ではない。このひと悶着をスルーし、それでいて周囲からの評価にも傷をつけない理論武装(パーフェクトロジック)をぶつけ――――




「あなたの部屋の本棚の裏に」




目の前の女からボソリと牽制が放たれる。

なるほど、すでに交渉材料(きょうはくざいりょう)は手中に収めていたらしい。なるほど・・・


「その勝負、このリーコキッヒ学園第一席ナイトシュバルト・ホームボディ、謹んでお受けしようじゃないか」


どこまでも気障ったらしく、余裕綽々だとアピールする。逃げ場が無くなった人間によくみられる兆候だ。

すなわちヤケ。


「せいぜいあがいてくれたまえよ、後輩くん?」


あがくのはどう考えても目の前の才女ではなく俺である。

転生してからここまでうまくやってきたがとうとう年貢の納め時なのだろう。

俺は転生してから2年、ここにいたるまで積み重ねた怠惰とその場しのぎが走馬灯のように脳裏を駆け巡った――――





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