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兵器な少女  作者: 哀上
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19話 本題

19話 本題

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「さて、リーリアもほぐれて来た所で話を元に戻そうか」


「え?


 話を戻す?

 そういえば、何の話からこうなったんだっけ?


「何でも、初日から早速やらかしたそうじゃないか」


「……あ」


「銃をぶっ放しただって?」


 そうだった。

 博士が私の本当の親だったのが衝撃的すぎて、博士が私の想像以上に狂気的すぎて、そんなのすっかり頭から抜け落ちていた。

 私は銃を撃って、人を殺して、今から処理されるところだったんだ。


 こんな重大なこと忘れさせるなんて、博士サラッと衝撃的なことを話しすぎなんだよ。

 死ぬ直前の人間を情報の海に溺れさせて、何がしたいんだか。

 まぁでも、何も知らずに死ぬよりは良かったかな。


 私、死ぬんだよな。

 ……あれ?

 さっきまで言いようのないモヤモヤとした気持ちがあった気がするんだけど、なんか今は別に死んでもいい気がしてきた。


 昔は自分の死なんてどうでも良くて、

 でも、さっきどうでも良くなくなって、

 今は、どうでもいいって訳じゃないけど別に死んでもいい気がしている。


 ヴィーナって言う、まだ今日であったばかりだけど私の死を惜しんでくれそうな友達が出来たし。

 狂気的なサイコパスだけど、最後にお母さん? の事も知れた訳だし。

 考えてみれば私の人生、死の直前に滑り込んで来てだいぶ尻上がりになったな。


 随分とハードな、私の一生以上に濃い1日だった。

 これが最後っていうのも、悪くないのかもしれない。


「そもそも、何で銃なんて持っていたんだい?」


 何か始まった。

 また事情聴取か。

 もう飽きたんだけど。


 せっかく私の覚悟が決まってるんだし、今のうちにこうちょちょいとやって欲しいところだ。

 どうせ終わりは決まってるんだし。

 第一、そんなの知ってどうなると言うのか。


 まぁ、答えるけど。

 持ってた理由ねぇ、


「……博士のせい?」


「何で私のせいになるのさ」


「いや、物心ついた時から側にあったから、ないとどうも落ち着かないと言いますか。ひいてはそんな状況に私を置いた博士のせいかと」


「あぁ、なるほど。……それなら仕方ないな」


 仕方ない、のか?

 自分で言っておいてあれだけど、全然仕方なくはない気がする。

 殺される前に説教なんかされても反応に困るけどさ。


 と言うか、2人部屋だって教えててくれればそもそも持っていって無かった。

 ……少なくとも銃は。

 小型ナイフぐらいは許されるよね?


 いや、流石にこれはただの責任転嫁だな。

 そもそも1人部屋だろうと持ってくなって話だ。


「まぁ、銃を所持してたのは一旦置いておこう。それはいいとして、撃ったらやばいというか、銃を持ってるのがバレたら警察のお世話になるのは分かってはいたんだろ?」


「はい」


 そんなの当然分かってた。

 いくらずっと軍にいたと言っても、そこまで常識知らずじゃない。

 だから一応は隠してた訳だし。


「じゃあ、何で撃ったの?」


「……博士のせいです」


「え、これも!?」


 博士は不満気だ。


 でも、これに関しては紛れもなく博士のせいだ。

 前のはまぁ、私もちょっとは、半分ぐらいは、8割方悪かったかもしれないが。

 これはは私は悪くない。


 そもそもあの時銃を撃つ撃たないに私の意思が介在する余地はなかった。

 もしあったら撃っていたかと言うのは……ちょっと黙秘させてもらうが。

 とにかくこれは自信を持って博士のせいだと言える。


「仲間が撃たれそうだったので、仲間を守るのも私の仕事ですから。こう自分の意思とは関係なく体が勝手に」


「ん? 学園に仲間なんて居たのか? おかしいな、そんなの居る訳」


「クラスメイト、特に今回撃たれそうだったのはルームメイトです。同じ集団として普段集団生活をする間柄、そんなの仲間以外の何者でないと思います」


「あぁ……」


 博士は予想外とばかりに額に手を当てる。


 博士でもそんなこと、いや別に珍しくもないか。

 紛れもなく天才だけど、適当なところはとことん適当なのだ。

 抜けてるとも言う。


「それは、ちょっと予想外だ。と言うか、そもそもクラスメイトが命を狙われるような状況になる事自体想定していなかった」


「まぁ、そうですよね」


 普通ならそんな想定しないしな。

 命を狙われるような想定をしないなら、クラスメイトが仲間判定されていようとそもそも私のコレが発動することもなかった訳だし。

 銃を持ってた時点でいずれ高確率で処分になってたとしても、初日にヴィーナが撃たれそうになってというのは私もなかなか不運だったと思う。


「それは、まぁ慣れていくしかないね」


「はい」


 ……え?


「慣れる?」


「別にもう調整もしていないしね。徐々にその反射的行動も薄くなっていくとは思うから、こう強力な意思で何とか」


言ってることがめちゃくちゃだ。

根性論じゃん。


って、


「そうじゃなくて、……次があるの?」


「そりゃ、あるだろ。リーリアの帰る場所は残念ながらあの学園以外ないぞ。またこんな事起こされたらたまらないけらな、慣れてもらわなきゃ困る」


 え?

 嘘でしょ。


 学園に戻されるの?

 こんなことしたのに?

 処分は?


 意味わからない。

 処分がなくなるのは百歩譲って分からなくもない。

 それだけ平和路線に行ったってことだ。


 でも、学園に戻されるのは全くもって意味不明だ。

 普通に考えて退学では?

 だって、銃の所持どころか人殺したんだよ?


 博士が来てからと言うもの、何もかも想定通りに進んでくれないんだが?

 どれだけ破天荒なのさ、この人。

 私よくこの人の元でこの年まで生きてこられたな。


 私にもこの博士の血が流れてるんだよな。

 なんか、

 いや、別に嫌って事ないけど。


 ……


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