面白い物語の始め方と続け方と終わり方とタイトルの付け方
第1話:水
(△)コップには水が入っていた。
(□)少女は、その水を誰に飲ませるか悩んだ。
(□)少女は家を飛び出すと、飢えて苦しんでいる人間を見つけた。
(☆)少女は、苦しんでいる彼にコップの水を飲ませて、満足した。
(△)少女は、家の中に男を引き入れた。(続く)
第2話:勇者
(△)少女は男(=??)を救い出した。
(□)少女は、男から外の世界の苦しみを聞いた。
(□)少女は家を飛び出すと、勇者だった男と旅に出た。
(☆)少女は、勇者と協力して世界を救い、満足した。
(△)少女は、平和になった世界で男に恋をした。(続く)
第3話:恋(から始まる愛と憎しみなどの気持ち)
(△)少女は勇者だった男に恋をした。
(□)少女は、その気持ちに振り回されるまま、男と何をすべきかを考えた。
(□)少女は、自分の存在の全てをかけて愛を表現し、告白をした。
(☆)勇者は、少女の愛を拒絶し、少女は世界を滅ぼした。満足した。
(△)世界には何もなくなった。(続く)
最終話:再生(した世界)
(△)何もなかったはずの宇宙に、再びその少女は現れた。
(□)少女は、この宇宙で何をしたいのか悩んだ(※言い換え→宇宙と何をすべきかを考えた)。
(□)少女は、好きだった勇者の生まれた世界を創造した。
(☆)少女は、出来上がった世界を見て満足した。
(△)これ以上の続きは無いという宣言。(続く=続くかもしれない)
<答え合わせ>
N話:最初から持っている使い道の分からない資産
(始まり)最初から持っている使い道の分からない資産自体の説明。
(続き)最初から持っている使い道の分からない資産の使い道を探索。
(続き)最初から持っている使い道の分からない資産を実際に使う。
(終わり)実行結果とその結果を見て感じた気持ちの表現。
(続き)最初から持っている使い道の分からない資産の説明 or これ以上の続きは無いという宣言。(続く=続くかもしれない)
捕捉:
最初から持っている使い道の分からない資産
→
読者が物語に共感を持つ理由は、文章として書かれている「使い道は無いけど余っている資産」がもったいないという気持ちが湧いてくるからである。
ただし、その余っている資産を使って、なんとなく自分が強くなれるんじゃないかと読者が期待していないと、面白いとは感じない。
今回4話の物語の中で、余っている資産の例として「水」を挙げたが、「水」では興奮できない人もいる。だから、余っている資産を「異世界の最強の魔法」などに変更することで、異世界チートの物語が描かれていると読者は予想し、その面白さを知っている読者は、「最強の魔法」が物語の中で必要とされる瞬間をじっと我慢しながら、物語を読み進める。
よって、タイトルに書く「余っている資産」には、読者自身が使わないともったいないことを共感するような存在(例えば「最強の魔法」「最強のアイドル」など)を指定し、長い文章を読み続けることを我慢したくなるほどの興奮を呼び起こす必要がある。
よって、当たり前だが、その読者がもったいないと感じられないほど重要度が低い存在(例えば「宇宙の神秘」など)を選ぶと、その物語が面白くなくなる。
商業的に売れることを気にするならば、多くの人がもったいないと感じられる資産を、作者が探し出して、そのテーマで物語を描く必要がある。
よって、例えば、もしもあなたが書いた小説について、あなたの小説の面白さを評価する目的で否定的な意見を貰った場合、その小説は期待した資産の使い方がなされなかったゆえに、作者が読者の想像力で負けたか、あるいは、説明不足や無礼によるものであるため、その点で満足してもらうために作者は努力する必要がある。
ただし、小説が面白いからと言って読者数が増えるわけではなくて、作者の作品と長くお付き合いしたい意思のある読者だけが、継続的にPV数を稼げる。そこで、一度あなたの小説を読んだ読者を逃がさずに、その後もPV数を増やし続けたいならば、短編小説よりも長編小説を書く方が合理的である。