せかいのおわり
土曜日の20時更新です…
「今日はご報告があります」
ペット福祉サービスのパン屋さん『ほっぺた』
六階建てビルの屋上で仕事終わりに僕とモモンガのヨースケ。いつものダベりタイム、スタート。
「どしたウサ! 視聴回数稼ぐセコいユーチューバーみたいじゃん。どーでもいいコト言ったら突っ込むって遊びか? 来いよ、来いよホラ!」
「はしゃいでるトコ悪いんだけどヨースケ。今日はマジのダメ出し……てか、クレームが来てる」
「え、クレーム? 誰から?」
「神様。モモンガにクレーム」
「は? ……え、何て?」
「最近神様が今までの活動に飽きたっぽくて。AI動画作り始めたんだけど」
「……はぁ?」
「モモンガのデザインがどうしてもリスみたくなっちゃうんだって。あとビラビラ皮膜も表現出来ない」
「…………」
「AIに認識されてないモモンガに存在理由があんのかってキレてた」
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、ま! 神様がAI?」
「うん。飛んでるシーンの皮膜がコウモリの翼になるって激怒してます」
「皮膜ディスってんの? そこセンシティブな問題だから! つか、神様って何?」
「たまに僕の頭ん中に指示出ししてくんの。やれ面白いコトやれとか、そこイジれとか」
「……病気?」
「僕も最初そー思ったけど。ホンモノみたいよ。たまに言うコト聞いたらご褒美アイテム手に入る。コロッケだけど」
「その、神様がAI動画作んのにモモンガ全否定?」
「イエス」
「死ねッ! その神様、今スグ死ね! 車に轢かれてペチャンてなれ!」
「……………………」
「ど、どしたウサ」
「何か神様がようつべに投稿したいらしくって。でもモモンガがいる限りムズい。あとキツネの三助の義手もムズいってボヤいてる」
「神様ヒマ人!」
「モモンガ消したろか、て呟いてる」
「出て来いよォォォッ! やってやんから今、ここ来い神様!」
「暴力とかコンプラ的にちょっと、だって」
「いちいちムカつくわー……それ全部ウサの妄想とかじゃね?」
「違うよ。神様飽き性だから今の活動ヤメるとか言ってるし」
「今の活動って何?」
「わかんない。AI動画じゃないヤツでしょ」
「……何かヤバい雰囲気」
「だね」
「神様ヤバいよコレ」
「226で終わりにすっか、だって」
「謎の数字キターッ、226!」
「2月26日ってコトかな。来年の?」
「イヤ、もっと謎っぽい気ィする。何かこ〜俺らの世界の創造に関わるよーな」
「……226円」
「安ぅ! この世界安ぅ!」
「ブッカダカだからヨースケ」
「お菓子もそん位するよね……ってお菓子とおんなじ値段スか世界!」
キャーキャーはしゃぐ僕とヨースケ。
その時、神様がポツリと言ったんだ。
『誰も読んでねーし』て。
それではまた…




