ボーダーライン!
土曜日の20時更新です…
ここんとこウサ兄ちゃんが遊んでくれない。
わかってる。最近シマリスがお気に入りなんだ。アニメのお話出来るから。
やさぐれて商店街を練り歩くボク。
言うてもエキショーの子猫。でも顔クシャなのに迫力とか全然ない。ただカワイイだけ。
「あーぁ! 誰かとケンカしたいなー!」
ウサ兄ちゃんに戦い方は教わってる。したコトはないけど多分強いと思う。だって必殺のラビキック伝授してもらったから。当たると死ぬヤツね。
「お、子猫のメタだっけか。久しぶりィ〜! まだ勉強頑張ってる?」
ボサボサ頭でフラついてる黒のトレーナー男が声かけて来た。
別にコイツと戦ってもいいけどボク、知らない人とはお話しないコトにしてる。ウサ兄ちゃんにいつも言われてるし。
「うぇ? マジ、シカトすんのかコイツめ〜ッ」
男が尾っぽの付け根サワサワ〜ってやってキタ。
やめ、やめろよォォォ! そこ弱いんだよボク……あ、この変人見たコトあるかもー。
「ひょっとして……ウサ兄ちゃんの敵の人?」
「何で敵なんだよ〜! 漫画家の里見先生だよ〜!」
道端でボクをイジくりまくるマンガカ。
うちの猫カフェ来たらなー五百円取られるんだゾ! 自分のコト先生って呼ぶヤツはアタオカだってじゅりあ先生も言ってたし。
ん……あ、でも。
「ギャハハヤメて! そ、そこダメッ!」
「ゴロゴロ言ってんのか〜。ここか? ここなんか?」
コイツ、意外と上手い。
そんでもってこの手のお客はしつこい。仕方ないから身を任せるボク。
「……やっぱ見切りページのアングル変えるかな〜」
ん、ボクを見てない? 上の空だとゥゥゥ?
プレイ中だゾ、マンガカッ! 気持ち入ってないのはボク、NGだから!
「公共の場で何やってんのメタと里見ィ。通報するけど?」
「ウッ、ウサ兄ちゃん?」
白い影がコロッケ齧りながらビー玉みたいな眼で覗き込んでた。何だか見られたくないトコ見られちゃってボク、真っ赤っ赤。
「お〜、ウサ。リンさん元気? 通報はヤメて」
「リンに里見ィが公衆の面前で小動物にイタズラしてたって報告した上で通報します」
「アホかお前? どーかヤメて下さい、リンさんに変なコト言わないでぇぇ! あと通報も」
「しょうがないなぁ。じゃあリンに招かれても二度とウチに来ちゃダメね里見ィ」
何か叫びながら逃げてくマンガカ。
ウサ兄ちゃんがジッ……とこっち見てキタ。こーゆー時の兄ちゃんは危険だよ!
ボクは最初の一手を間違わないよう慎重に身構える。
「同意はあったのメタ?」
「ドッ、ドーイ?」
小動物の勘で無いって言った方がいいと思った。意味わかんないけど。
「無い!」
「そか」
そう言うとボクをぎゅ、てハグしてくれた。
ウサ兄ちゃん大好き!
仕事とプライベートは分けとこっと。
それではまた…




