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言いたくてしょーがない話

土曜日の20時更新です…

 衝撃の圧倒的初体験!


 まだ頭ボーッとしてる。


 もうね、喜怒哀楽がグワーて押し寄せて来て情緒グッチャグチャの私。


 エンドロール終わって劇場が明るくなった瞬間、ウサが座席の上に立ってスタンディングオベーションしたの。


 そしたら周りのお客さんも立ち上がって拍手喝采!


『リン、一生のお願い』


 土下座して頼んで来たウチの子が。だから観に行ったの鬼退治のアニメ映画。


 私、映画は劇場で観る派です。


 ただアニメはわざわざ行かなくていいかなーて感じだった。この作品もウサがテレビ録画して必死で観てるなぁ、位の認知度で。


 でもネ。魂鷲掴みにされましたァ!


 ハリウッド映画顔負けじゃんコレ〜。思わずウサと握手しちゃったよ私。


 二人してコーフン冷めやらぬ状態でお家に帰宅。


 そしたらウサがサ、お友達呼んで報告会をおっ始めたの。


「ウサ……ネタバレみたいなのしちゃダメだよ。色々とホラ、色んな意味で。わかるよね?」


「大丈夫だよリン。僕、質問に答えるだけ」


 メンバーはアニメ仲間のシマリスのシマちゃんと呪いの王チカちゃん。


「何でワイまで呼ばれたっぺさウサ? アニメって何」


「雰囲気。ちょっと鬼っぽいから」


 今日もまっ裸にワカメ褌のチカちゃん。小魚の頭で尾びれピチピチしてるとこ、確かにザコ鬼っぽい。


「師匠。◯◯◯は倒せたのか、シマちゃんは気になると思う!」


「倒せました」


 ネタバレェェェェ! 思いっ切りネタバレしとるゥゥゥ!


 そりゃストーリー上そうなるとは思うけど。そこ聞いてくるシマちゃんもシマちゃんだけどサ。やっぱそれ言っちゃダメーッ!


 あ。


 お手々繋いで踊り出した白うさぎとシマリス。まぁ、本人同士がOKならいっか……て良くない良くない!


 チカちゃんは大の字になってエアコンで涼んでるし。風邪引くなよ魚。


「ちょ、どこ行くの?」


 踊りながら外に出てくアニオタ師匠と弟子。


 私は小魚に留守番頼むと二匹を追っかけた。この方角だと公園行ったな多分……足、早ッ!


「ハァ、ハァ…………あれ? パン田さん?」


 暴走師弟が植え込みに潜んでたガリガリの白黒を引き摺り出してます。


「あっつう! ……やァ、ちっこい友人達。王のバカンスを中断するのはどうかと思うんだが?」


 野良は日陰命。ウサが質問質問て責め立ててる。


「アニメ映画? すまない君達。パン田はパンダのストーリーにしか興味が持てなくてね。逆に動物王の伝説について質問があればお答えしよう!」


 シュンてなってるアニオタ共。


 残念な気持ち、わかるよー。私だって皆に伝えたいモンあの感動……


 でも知らない人には迷惑かな。


「……ぉぉぉぉぉぉ」


 モモンガのヨースケくんだ。木から木へと飛び移って来る。


「とぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーッ!」


 私の肩にしがみつきながら着地。飛んで来た時の顔が必死こいててカワイイ。


「何やってんのお前らー?」


「皮膜ビロビロ鬼か。別に何も」


「攻撃と見なす!」


 キャーキャー言いながらじゃれ合うウサとビロビロ。シマちゃんは何かの種ぽりぽり食べてる。パン田さん逃げた。


 はしゃぎ疲れたみたい。ベンチの上で二匹くっついて動かなくなっちゃった。


 肩組んで入道雲を見つめるうさぎ&モモンガ。


 何これヤダァ! ちょっとアオハルぽーい!


「ヨースケ……伝えたいコトがある」


「あぁ。何でも聞いてやんよウサ」


「さっき観た映画のストーリー、全部話す!」


「どんと来ーい!」


 あ〜ダメですよ君達。


 ネタバレどんと来ちゃダメだからエチケット違反ね。どっかの腐れユーチューバーかよって話。


「でもまぁ。本人同士がOKなら」


 熱を帯び始めた公園を後にして。


 私、とっとと帰宅。


 チカちゃんが鼻水垂らして待ってた。

それではまた…

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