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続・この樹の根元にはコレがいる(らしい)

土曜日の20時更新です…

 夕暮れの桜並木の道をジョグするゴールデンブラウンの獣。


 それがワシ、キツネの三助や。


 小麦アレルギーのせいでグルテンフリーになってから健康的になったんかしら。運動にも気をつこてる。今日の義手は心拍計付き!


「スッスッ、ハッハッ、んぉ?」


 目の前歩いとるランドセル背負った女の子。ツインテって言うの? 七色ヘアーなんやけど。


 何か見覚えのある、この七色。


 前にアライグマ親子が居座ってる家のボケばぁさんに取り憑いとったよなー。


「……アンタまだ地球におったんか宇宙人」


「キツネか」


 振り返るメガネっ娘。


 この子、ウサ公認の小学生ストーカー瀬良じゅりあやないかーい! 今度は子供の身体乗っ取っとるがな、この迷惑系エイリアン。


「調査終了して星に帰ったんとちゃうの? アンタ」


「ンバは途中で引き返して来たのだ」


 何でこの街? 他行けよ。ウサが地球防衛隊結成しとんのにお前……ロケット花火で撃たれんゾ。


「ンバは職場放棄しました」


 バイト辞めました、みたいな口調で。百カ月後に皆で侵略しに来る言うてたよね?


「ンバはこの星が気に入ったから。母星に偽りの報告をして単独で占領する事にしたのだ。着服ってシステム」


「そんなん直ぐバレるやろ」


「この銀河系は人気がない。埼玉の山奥にある物件くらい人気がない。だから大丈夫。貸金庫から客の金を抜く位にイージー」


 何か、各方面に謝れ色々。いらん情報ばっか仕入れやがって。


「この個体は気に入っている。腰が痛くないし脳ミソもスッキリ爽やか」


 鼻唄歌っとるがなー。ガブって噛んだろか? でもボディは瀬良じゅりあやからウサにバレたら怒られるし。


「ん?」


 ふと、後ろ見たら。


 桜の樹の下に着物姿のおかっぱ少女が立ってた。これまた小学生くらいの。


「何か困り事のようだな」


 その子の一声を聞いて全身の毛が逆立ったワシは。


 秒で平伏しとった。


「ははァァァ〜ッ! この子に宇宙人が取り憑いてて、そんでソイツが地球を支配する言うてますうう」


「成る程。確かにこの世界の者ではないな」


 インベーダー瀬良が目から光線ピーて出した。桜の樹の幹に十円玉大の穴が貫通。


「初めまして霊的存在。ンバはこの星をうぉッ?」


 おかっぱ少女が瀬良のお腹に頭突きしとった。


 吹っ飛んで気絶するランドセル女子。ツインテの髪色が黒に戻ってく。


 おかっぱ頭には二本の角。


 そこに青白いスライム系のキショいのが突き刺さってて。童顔の鬼様はそれを千切って食べ始めた。


「……それ、宇宙人スか?」


「うん。ソーダ味」


 侵略者を完食した鬼様は「娘を介抱してやれ」と言い残して桜並木に消えてった。


 この国の魑魅魍魎は強いんじゃボケ。

それではまた…

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