それぞれの仕事納め〜良いお年を〜
土曜日の20時更新します…
今日はジビエ(ザリガニ)のランチを食べにレストラン(川)に来ている。
動物界の頂点に立つ者として、常日頃から食事には気を遣っているよ。パンダはザリガニが大好物。もう常識だね。
おや?
橋の真ん中辺りに老人が立っている。
……ポリ公では無さそうだ。キャメラも持ってない。
パン田は用心深くってね。セレブのプライベートなんてあってないようなモノだから。
ただの散歩中のお年寄りか。
「ご老人。これから王様のランチタイムなんだ。申し訳ないけど庶民は遠慮してくれないかな」
「……何じゃパンダか。あまりにも痩せて汚ならしいからUMAの類いかと思ったわい。チュパカブラとか」
だいぶ視力が衰えているらしい。真っ白な髭がモジャモジャじゃないか。この寒いのに赤いスウェット上下にサンダル姿で……あまり関わらない方が良さそうだ。
「仕方ない。でんぐり返し一回でいいね?」
「ふむ……ワシは自分の意思でここにいるんじゃ。お主のソレで何とかなると思うたのか三流パンダ」
フォーッフォッフォッて笑ってる。
どうやら動物王と同じ空間を共有出来た奇跡。理解出来てないらしい。気の毒に。認知症じゃないかな。
「ワシはな。今、燃え尽き症候群て感じなんじゃ。気にせず川でエサを漁っとれガリパン」
ボケてる割に的確に削ってくる。通報してやろっかなー? あ、ポリ公はダメだったハハ。
とりあえずパン田はお腹ペコペコなんで川に入るコトにするよ。老害は放っておいてランチの準備を進めるとしよう!
「……ザリガニ探しとるんか?」
橋の上からジジイが何か言ってくる。無視無視。
「パンダは笹とか食うんじゃないんか?」
出た出た。年寄りに有りがちな古い価値観と偏見。
「ウチのトナカイは苔とか食うとるゾ」
またフォフォ笑ってる。トナカイってアンタ。
「クッキー死ぬ程貰ったから食うか?」
「イエスッ! おじい様!」
パン田が急いで川から上がるといつの間にか大きな袋を手にしているジジイ。
「海外じゃクッキーとミルク用意してくれとるからの」
そう言うと袋からお皿に盛られたクッキーとコップに注がれた牛乳を取り出す。
マジシャンかよアンター! 最高かよー!
早速いただいた。
色んなクッキーをガツガツと頬張って牛乳でゴクゴク流し込む。落ち着いてくると牛乳INクッキーとかバリエーションも楽しんでみる。
「フォッフォッフォッ。たくさんあるから食え食え」
不思議なコトに袋からは牛乳とクッキーが際限無く出てきた。
パン田は此処ぞとばかりに食べまくったんだ。次いつ食べモノにありつけるか、わからないからね。もう阿修羅の如く貪り食ったよ。
そして気付いたら
数年ぶりの超高カロリー摂取の結果。真ん丸のデフォルトパンダに戻ってました!
王の帰還。そして真の動物王、復活。
「随分とパンダらしくなったのう」
「イエス、ボス! お陰様でございます!」
「もう行け。子供達に夢を与えてくるのじゃ」
「イエッサー!」
公園で、商店街で、路上で。パン田は集まってきた人達にでんぐり返しをお見舞いした。
湧き上がる悲鳴にも似た歓声&コール。
「パ・ン・ダ! パ・ン・ダ! パ・ン・ダ! パ・ン・ダ! パ・ン・ダ! パ・ン・ダ!」
両の前足を広げて称賛を体いっぱいに受け止める。この無敵感!
2024年、最後に責務を全う出来たと思う。
途中ウサくんに見つかって「指名手配の写真と別人じゃん!」とか「これなら警察に捕まらないね!」とかデリケートな情報暴露されたけど御愛嬌サ。
だって聴衆の熱狂は冷めるコトなかったんだもの。
「容・疑・者! 容・疑・者! 容・疑・者! 容・疑・者! 容・疑・者! 容・疑・者!」
ワールド・イズ・マイン。
それではまた…




