2024頑張った人のメリクリ
土曜日の20時更新です…
女神の御託宣によってカムバックしました。
ボク元漫画家の……あ、違。現役の漫画家、里見洋介。この度漫画家としてカムバックを果たしたんです。
女神様のお陰。ボクの女神、須藤リンさん。
こないだリンさんにストーリー漫画描けばって言われまして。長編のネーム、編集に持ち込んだら即OK出たんですね。
それで二十ページの読み切り原稿仕上げて担当に預けてました。そしたら代原で差し込んでくれて反響良かったみたいで。あれよあれよと言う間に連載決まっちゃったんス!
長編の連載って事でグループホームの仕事も退職。
リンさんに(正確にはウサに)報告したら何と、クリスマスパーティーに招待されたんですよォォォッ!
んで、今日はクリスマスイブ。
とりあえず締め切り抱えたまんまプレゼント買いに商店街まで出て来ました。ウサがプレゼント交換会やるって言うから。
夕方の六時半からパーティースタートなんで後六時間か……ちゃんと準備しないとです。
ついさっき下書き終わってこれからペン入れってとこでして。昨日は完徹だったんでプレゼント買ったら少し寝ます。ホントはペン入れ前で気が昂ってるけど……せっかくリンさんにお呼ばれしたんスもん。
シャキッとしてかないとなー!
ボサボサ頭で目付きの悪い三十男がジャージの上にダウンジャケット羽織ってオシャレ雑貨店をウロチョロ。
リンさんに何プレゼントしたら……
イヤ、交換会なんだから必ずしもリンさんにボクのプレゼントが渡るとは限らんし。
何かラストページの大コマの構図、気になってきた。
頭に浮かぶ線、線、線。雑貨店で欲しいモンなんて一つもないし何売ってんのか見てもわからん。でも作画については点の一個一個まで把握してる。
「直したいな……」
気付いたらスーパーに居ました。もう頭ん中下書きだらけ。
「里見ィだ! 漫画家の里見ィだ!」
「それを言うなら漫画家の〝ずるむけ赤ティンコ先生〟が正解だよウサくん」
白うさぎとトイプーの『おだんご』コンビに遭遇。
「あのね、クリスマス会の買い出しに来てる!」
「里見さん大丈夫? 小学生が防犯ブザーに手を伸ばすレベルなんだが」
何故か右手にネギ、左手にネギを持ってますボク。
「クリスマスプレゼント買いに来たんだけど」
「里見ィのソレが回って来たら僕、窓から放り投げる」
「ダメだよウサくん。ネギ二本、それが先生の才能の限界だと思って諦めないと」
ヤバ。小動物からダメ出しされたー。縁起悪いワ連載開始前に。
「協力してくれ。プレゼントって何がいい?」
「野菜は死刑」
「焼き菓子とかが無難じゃないかな」
「成る程。君らは何にしたの?」
「僕、コロッケ!」
「レモン味プロテイン」
別にネギでもいんじゃね? と思ったけど。リンさんにセンス疑われんのだけは避けたい。ここは脳筋犬の言う通り焼き菓子が無難です。
「それよかサ、里見ィ。頭ボッサボサじゃん!」
「散髪。行くべきだと思う里見さん」
コロッケとプロテインしか頭にないヤツらからムッチャまともなアドバイスがキタ。
「だね……髪切って来ます!」
散髪屋で熟睡したボクは、少し元気になって家帰って下書きの直しを始めました。
あっとゆーまに夕方。
慌てて一張羅のチノパンとジャケットに着替えると家を出ます。途中プレゼントない事に気付いて駅前のケーキ屋で焼き菓子を購入。
約束の時間に遅れそうなんで走ってます。
「街の灯りがキレイだなぁ。今日は下弦の月か」
白い息吐きながら。
大好きな人や動物達に会いに行く。
何だかわかんないけどボク……
泣いてました。
それではまた…




