ごっこの彼方へ
土曜日の20時更新です…
女子アナになりたいんでしゅ。
覆面レスラーになる夢、諦めたから……
ご主人しゃまを食わしぇる為、安定した仕事を選ぶコトにしたの。女子アナなら何とかなるって思ったから。だってアタチ、お喋り得意だもん!
「とっとこーッ!」
ウシャしぇんぱいが襲ってキタ。
「いや〜ん!」
思わずしゃがみこむアタチ。しぇんぱいの必殺ラビキック、空振り。
「ど、どしたの? とっとこ。いつもの金蹴りからの目潰し頭突きコンボは?」
「ちょっと待てウサ。あゆみ、覆面してねーじゃん!」
モモンガのヨースケしぇんぱいが先に気付いちゃったか〜。空気読みなしゃいよ、このお邪魔虫。
アタチらは『ほっぺた』ってお店で一日十分クッキー作ってて。仕事終わりにいつもこの屋上で連んでるんでしゅけど。
「……おおっとー。ハムスターのあゆみちゃん、ウシャしぇんぱいの金蹴りに対しノーガード。らしくないでしゅねー」
「へ?」
「覆面、してましぇんね。どーしたんでしょーか。カワイイ素顔が丸出しでしゅ」
「実況……してる? ウサ、何かあゆみ変だ」
「とっとこが素顔丸出しですねー。丸出し素顔です」
「イヤ、お前も実況してどーすんの。つか繰り返してるだけ! ド下手!」
モモンガにラリアット決めるウシャしぇんぱい。ウフフ。下手なのに張り合ってくるトコ……しゅきぴ!
「どーやら、あゆみちゃんはプロレスラーから女子アナに目標を変更したみたいでしゅ」
コソコソ相談を始める二匹。「女子アナに謝罪」とか「滑舌終了」とか「しゃくれ」とか。好きな子に憎まれ口叩くウシャしぇんぱい、大しゅき!
「じゃ、とっとこはもう僕と戦わないってコト?」
「史上最強、謎の覆面小動物から人気女子アナ目指しゅので……暴力は封印なんだそーでしゅ」
「じゃ、僕の勝ちってコトでオケ」
えッ。
イヤしょれは違…………
「勝ちましたウサにインタビューです」
「ハイ、勝ちました」
は?
「今回、長い戦いに終止符が打たれたワケだけど。勝因は何スか?」
「勝因て何?」
「負けたあゆみ選手に一言」
「リンがまた遊びにおいでって言ってた」
キャーハハハ。面白ーい。
ウシャしぇんぱいのこーゆーお茶目なトコ、可愛くてしゅきー! リンしゃまありがと。モモンガはぶっコロでしゅ。
ん?
ウシャあんどヨースケしぇんぱいがジーッとこっち見てる……アタチのターンてコト?
いいでしゅよ。
あゆみの回し、見しぇてあげましゅ!
「ハイ、中継先のウシャしぇんぱいとビラビラ皮膜〜。しょちらのお天気はどーなってましゅか〜?」
「昼です!」
「落ち着けウサ。えーと、モモンガの皮膜は飛ばない時に畳んでるだけなんで。ビラビラって言うなです」
「放送中に不適切な発言がありました。訂正してお詫び申し上げましゅムシャシャビしゃん」
「モモンガですー、空飛ぶハンカチーフの。ムササビは空飛ぶ座布団なんで間違えるなですー」
「そしたらユースケが屋上から羽ばたきます!」
「滑空! 皮膜で飛べねーからウサ。そしてこっから滑空もしねーから、です」
「しょれではハンカチ野郎に飛んでもらいましょーか。どーじょ」
「話聞いてる? ぜってー飛ばないから! です」
数秒間、シーンてなっちゃった。
「只今放送事故がありました。重ね重ね申し訳ありましぇん」
「飛ぶ飛ぶサギです」
「言ってねーからウサ! オレ、飛ぶ、言ってない!」
ウシャしぇんぱいとサギ男がケンカ始めた。
女子アナがこんなペコペコしゅる職業だって思わなかったなぁ…………何か面倒くしゃい。
静かにマスクを被り直したアタチ。
それではまた…




