世界の中心でマッ◯を叫んだ獣
土曜日の20時更新です…
「じゃあ僕、マッ◯シェイクSのイチゴ味下さい!」
うん。
イヤ、あのねウサくん。ここ高級犬カフェなんだ。置いてないからマッ◯シェイクのSサイズ。
「ウサ、塩キャラメルラテとか頼めバ?」
「ハイ、じゃあそれ下さい師匠」
七百円なんだ。ヨークシャーテリアのシェリーが勧めているソレ、七百円だからウサくん! マッ◯シェイクとはケタが違う。二百円握りしめてるけど足りないから全然。
「ロッキーも一緒に飲も。皆でワケワケしよ」
友人としてはありがとう。でもナンバーワンキャストのロッキーとして言わせて欲しい。
この店でワケワケはしない!
「アタシさ、ウルトラ・スマッシュ・フラペチーノ頼んでいいかナ? ウサ」
「オッケー頼みな師匠。今日僕ね、いっぱいお金持って来た!」
千五百円なんだ。ウルトラ・スマッシュ・フラペチーノ、ナメるなよぉぉウサくん!
さっきシェリーが同伴でウサくんを連れて出勤して来たんだが。彼女ナンバーワンの座を狙っていてね。ここのところ、かなり強引な営業をしている。
そもそも一時間三千円の料金設定なんだが。
予算二百円だよね。マッ◯じゃないからここ。マッ◯なら何とかなる。でもマッ◯じゃないからウサくん!
「アタシお腹空いタ。国産ハーブ豚のヤンニョム丼ぶり風プレート食べたイ」
「じゃそれダブルで。僕も食べよっと!」
「ウサくん! もう止めるんだ。ナンバーワンとしてでなく友人として言わせてもらおう。二百円にそんな実力は……ないッ」
シェリーが「は?」て顔で詰めて来たね。お目々と鼻が黒ボタンみたいでポチッてしたくなる。
「トイプーパイセン。アタシの客、取る気スカ?」
「客って……君ら師弟関係じゃないのかい」
胸鎖乳突筋に力を入れて前傾姿勢で身構える。
これ以上、私のカワイイ友人に手を出させるワケにはいかない!
「大丈夫だよロッキー。僕ね、いつでもコロッケ買えるよーにコレ持ってる!」
そう言うと黒耳から百円玉を取り出す白うさぎ。
涙出た。三百円で世界に立ち向かおうとしている勇者がここに。
「こんだけあったら心配ないよね師匠?」
「売り掛けとかあるから全然平気でスお客様」
このイギリス娘。ウチの店では御法度なんだぞソレ! こーなったらオーナーに報告するしか……
「うーん。でもやっぱマッ◯シェイク飲みたい僕。マッ◯シェイクプリーズ!」
「え? あイヤ、ウサ落ち着いテ。マッ◯シェイクはマッ◯にしかないかラ。オケ?」
「オケ」
「じゃご注文は?」
「ビッグマッ◯セットのポテトLで」
「ファックユーマッ◯!」
おぅふ! シ、シ、シェリィィ?
「ダメじゃん師匠。マッ◯の悪口言ったらダメーッ」
「マッ◯ファッ◯! マッ◯ファッ◯! マッ◯ファッ◯! マッ◯ファッ◯!」
えっと……シェリーに今悪霊が憑いてます。あ、あとウサくん煽るの止めよっか。彼女やっちゃダメなコトやっちゃう系だから。
みんなマ◯ドナルド大好きー(ダブルピース)
「マッ◯……ハァハァハァハァ…………ワフ、ワフゥン」
「彼女から悪霊は去ったみたいだハハ。ウサくん、もうダメって言っちゃダメだからね」
「うん、わかった。もうマッ◯の悪口言ったらダメだからね師匠」
「ファックユーマッ◯!」
ウ、ウサくーん? ガラス玉みたいな目して何言ってるのかな?
「この縮れ毛ワン公め。マッ◯の悪口だけは言うなってぇぇ」
大声で連呼しながら逃げるシェリーにピタと張り付いて囁き続ける白い悪魔。
店、クビになりましたシェリー。
それではまた…




