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風邪気味で病院行ったら検査代かかる

土曜日の20時更新です…

「ゴホン、オホ……ケホケホ」


 咳してるね。


 夕飯何もなかったからコンビニにレトルト買いに出たんだけど。新幹線の高架下通った時、彼が居た。


 頭だけ小魚。真っ裸の小人のオッサン(ワカメ褌)


 自称〝呪いの王〟チカちゃんが道路の端っこで横になってた。一見するとただの魚の死体みたいでサ、スルーしかけちゃった。


「……どした? 大丈夫?」


 ギョロ目開けて緑ジャージの私を見るチカちゃん。


「ゴホ、こんにちはリン……風邪ひいたっぺさ」


「ひくんだ風邪」


「うん。ワイは不死身だけどデリケートなんだぺさ」


『だったら着ろよ服』思ったけど言わない。コイツ、メンタル豆腐だから。


「そんなとこで寝てたら、またカラスに食べられちゃうよ……ウチ来る?」


 チカちゃんが寝転がったまま首を振る。小魚ピチピチって感じの絵面。


「ウサとは微妙だからやめとく……」


 まぁウサとは敵なんだかよくわかんない関係だからなー。でもこのまま臥せってるUMAを見捨ててくワケにもいかないし。


「ご飯食べてる? チカちゃん」


 小魚ピチピチ。


「何か食べないと。コンビニ行くから買ってくるよ。何食べたい?」


「…………幼虫系のヤツ」


「オッケー。じゃ、コロッケでいいね」


 晩ご飯のおかず(お魚にした)とコロッケ、風邪薬を買って高架下に戻った私。


 寝転がってる小魚の口元にコロッケを千切って置く。


 あ、あ、何かついばんでる〜!


 キモカワだよコレェ。面白くなってじゃんじゃん食べさせてたら一個全部完食したチカちゃん。


「コロッケ……美味しいぺさ!」


 起きて座れるようになったね。横キン見えてるゾ。


「じゃ薬も飲みな。割ったげるから」


 細かく砕いて一欠片飲ませる。


 フフ、ウサは普段病気とかしないから。こうゆうの新鮮だわー。世話焼くのって楽しい!


「何か……力湧いてきたっぺさリン」


 うん、だねー。コロッケ食べたから、それともお薬飲んだからかな。体……おっきくなってね?


 オウム位のサイズだったのに今はウサ位あるよね。ワカメの褌も解けちゃって。公然わいせつ罪で捕まるよチカちゃん。


「今ならカラスに仕返し出来ると思う。リン、ワイはこれからヤツらを血祭りにあげてくるっぺさ!」


 てててーって走ってく小人。ポッコリお腹でしかもパイパン。頭はさんまサイズになってる。


 新しいカテゴリーの変態だよねコレ。


 野に解き放った責任を感じつつ一応後を追う私。どうやらチカちゃんは近所でも有名な〝カラス山〟を目指してるらしい。


 街なかにあるちっちゃい山なんだけど。カラスがいっぱい棲みついてて朝夕は鳴き声が騒音レベルのとこ。


 薬がキマり過ぎてオツム無双状態の秋刀魚。


 途中走り疲れて喉乾いたって言うから缶ジュース買ったげて。ついでにコンビニの袋で作ったパンツ履かせといた。


 よし。コレで通報だけは避けられると思う。


 しばらくして山の階段手前に到着した私達。まだ昼間だからカラスはそんなに帰って来てないみたい。


 それでもカーカー聴こえてくる。ヤバくね?


「おーいアホのカラスども! 呪いの王が復讐にやって来たっぺさよーッ!」


 声量もアップしてるチカちゃん。十数羽のカラスが階段下まで飛んで来た。


「こいつは驚きだ。一口サイズのオレ達のエサが増量してデリバリーに来たゼ」


「コリャ突っつきがいがあるな」


「糞になっても自分で再生すんだから。エコ飯食ってる地球に優しいオレら」


「ゲラゲラゲラ」


 カラス達がなかなかの負けフラグ立ててきます。


「イ◯ペリオ!」


 エコ飯が呪文を唱えると一斉に下向くカラス。つかコレ、ハリ◯ポッターに出てくる禁術だよね?


「ち、チカちゃーん? 使っていいヤツなのかな色んな意味でコレ」


「うん。こんなんもんイメージだからリン。別にウンコブリブリ〜でも構わないっぺさ」


「……何の呪いかけたの?」


「風邪ひき」


 数日間、辺りのカラスは静かだったって。

それではまた…

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