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アライグマのパパ活2

土曜日の20時更新です…

「キツネの三助おじちゃーん!」


 夕方の公園。


 秋の訪れを感じながらベンチで甘酒クピクピやってるワシ。


 そこにアライグマのジョーの息子。ルキアが人間のバァさんと手繋いでやって来た。


 七色の髪の毛で角刈り、チビTの小太りバァさん。


 この人、アライグマ親子が間借りしてる家の主やねんけど。地球侵略の前乗りで調査に来てた宇宙人に体乗っ取られとります。


 まぁ、ウサと一悶着あって中身は星に帰っちゃった。帰っちゃった……ハズ…………?


「ルキアー。そのバァさん宇宙からの侵略者やゾー」


 ワシにはわかる。まだ中におるで宇宙人!


「ンバは帰れなくなったのだキツネ」


「はぁい?」


 バァさんはひとこと言ったきり、ルキアを砂場まで連れてって一緒に遊び始めた。


「パパ見てホラ。オレ、穴掘るの得意!」


「何の意味があるのかわからないが。そうだな」


 今パパって言うたかコイツ? 宇宙人の角刈りバァさんのコト、パパって?


「ル、ルキア? お前ジョーの息子。オケ?」


「この人パパだよおじちゃん。だってカッコいい光線銃とか持ってるもん!」


 そーいやウサから聞いたコトあるわ。コイツすぐ誰でもパパ認定するらしい。


「ンバはこの小さい個体とは生物学的にも遺伝的にも全く無関係なのだが。パパと呼ばれている」


「それが帰れない理由なんか?」


「そうだ」


 ヤバッ。


 まだこの宇宙人がおるってわかったらヤバい。


 ウサが来たるべき侵略の日に備えて地球防衛隊のメンバー集めとんのに。インベーダー狩りや言うて。


 わざわざバクチクとかロケット花火とかパチンコとか吹き矢まで準備して。ご丁寧にウチの祠の裏に穴掘って隠しとるんよ、ワシ知ってる。


「アンタ、さっさと星に帰った方がええゾ」


「何言ってんのおじちゃん。パパはどこにも行かない」


 七色ヘアーの角刈りバァさんにしがみつくアライグマのチビ。


「ンバはこの星に留まる」


 アホかこの宇宙人。お前には地球侵略の為に調査報告の使命があんねやろ。帰れ! ややこしいから。


「お前のホンマの父ちゃんはどないしてんの」


「お酒飲んで人殴りに行ってる」


 やさぐれとる〜。


 息子宇宙人のババァに取られて心が荒んどるジョーの奴〜。まぁ、元々そーゆーヤツやけども。


 とりあえずコイツらとウサを合わすワケにはイカん。宇宙戦争が勃発してまうわ! 百ヶ月後やなくて今すぐ地球が侵略される。


 ワシは今の暮らし気に入ってっから。まだ失うつもりはない。何とかせんと……


 ふと、義手に目が行く。


「あ」


 ブーメラン。


 本日の日替わり義手にブーメラン着けてきてたワシ。ヒマな時、よー飛ばしよったコレ。


 ……コレや!


 ワシは意を決してベンチの上に立ち上がると義手からブーメランを外す。そんで風の確認してから左前足でピュッ! て投げてみた。


 ひゅんひゅんひゅんひゅんひゅん……


 ブーメランは円を描きながらルキアのおる砂場の真上かすめて


 ひゅんひゅんひゅんひゅん……


 時計回りで戻ってキタ。


 パシィ!


 後ろ手でキャッチするワシ。目が飛び出しそーになっとるチビ助。


「パッ……パパァァァァァァァァァッ!」


 転びながら走ってくるジョーの息子。さっきまでおじちゃん言うてたよね。


「パパ凄ッ、もっかい! もっかいやって!」


 ベンチの下から飛び跳ねて懇願してきよる。ワシはさっきより高い軌道で投げてやった…………パシィ!


「パパ、カッコいいいいいいいい! パパーッ!」


「フフン。お前もやるかルキア〜」


 嬉ションしながらブーメラン投げる自称ワシの息子。


「利き腕と反対側のほっぺに風が当たる向き。そうそうそっちに投げて……お、上手上手〜!」


 ルキアの相手しながら宇宙人のバァさんを横目でチラと見る。


 ピィィィィィィィィィィィ……


 目から光線出しとった。


「あっちのパパも何か凄! パパーッ、オレもそれやりたい!」


「ンバにしか出来ない」


「じゃ、いいです」


 ウチの子、ブーメランにへばり付いとる。もう可愛くってしゃあないッスわ!


 ん……何かバァさんクルクル回り出したで。


「ンバと仲間は百ヶ月後ここに戻ってくる。そしてこの星を滅ぼすだろうぅぅうううぅぅぅぅう」


 眩い光が辺りを照らしながら空高く登ってく。


 後に残された白髪頭の角刈りバァさん。すぐにスタスタ歩いてどっか行ってしもた。ボケてはるから。


 ワシは自分の仕事っぷりに満足してる。


 宇宙人とウサの抗争。今は食い止めるコト出来たからなー。


 百ヶ月先の話なんか知らん。

それではまた…

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