真夏の夜の恋バナは
土曜日の20時更新です…
嵐、まさに嵐のような一日だった。
ウサが家でお泊り会やるって言うから。「あ、いんじゃね?」的な軽いノリだったんだけど。
メンツがウサ、モモンガのヨースケくん、エキショーの子猫メタちゃん。皆ちっこいから舐めてたよ。小動物が集まった時のバイブス……。
今やっと夜の0時。エアコンを健康冷房に設定して、と。
「リン、僕らのお布団三角形になるよーに敷いて!」
「真ん中のスペースにお菓子とジュース置けるじゃん。ウサ天才!」
「まだ寝なくていいよねウサ兄ちゃん? ボク全然眠くないもん!」
スタミナ底無しかよこの子ら。まあ、お昼寝してたしね。でもお泊り会ってここからが本番。
言われるがまま用意したげる私。
少し離れたとこに自分の布団敷いて様子を伺う。一応パジャマには着替えた。ピンクの可愛いヤツ! 普段は部屋着で寝てるけどね。
ウサがお気にのキャラメルポップコーンを振る舞ってます。メタちゃんお腹ぽんぽんだけど大丈夫かな。
ヨースケくんは……ふふ、いいね。あの顔。
ぶっ込みたくてしょうがないって感じじゃんか。私の大好物を。
この為に頑張ったと言っても過言ではないのよ。小動物のこれを聞くのが生き甲斐です私。さぁ、ご褒美タイムカマーン!
「……あのさウサ。今好きなコとか、いねーの?」
GO! モモンガGO!
「サクサク、ボクはウサ兄ちゃんが好きもぐもぐ」
「うん、メタはコーン食っとけ。どーよウサ?」
「うーん……」
何か緊張するんですけど〜。
ウチの子の恋バナ。聞きたいよな聞きたくないよな。
「俺サ、今好きなコいるよ」
ヨースケくん恋愛体質だから。言いたくて堪らんのわかるけど、ここはウサの話聞いてくれぇ。
「ボク、パン田も好きもぐも……かふッ!」
「メタ。ジュース飲んどけホラ、ストローあんだろ」
「ヨースケはどーせまたムササビ狙いっしょ。自分よりデカい女子フェチ」
「モデルと付き合いたがる金持ちか俺は」
「例えが古くてダサい。な、メタ」
「え、興味ないからジュース飲んでたボク」
「イヤイヤイヤ。お泊り会で恋バナのノリ悪いお前らの方がダサダサじゃね? メタはまだお子ちゃまだから仕方ないけども、だ」
「え、ボク彼女いるけど」
何だとォォォォォォォゥゥゥ?
「同じ猫カフェで働いてるマンチカンの子猫のリリィ。ね、ウサ兄ちゃん」
「あーあの子な。いつもチュッチュしてる」
チュ、チュッチュてぇぇぇぇ!
「マジか……でも俺だってモモンガのミクちゃんと一緒に滑空したコト、ありまーす!」
メタちゃんのチュッチュでショック受けたからかな。ヨースケくんがやけに愛おしひ。今度のお相手は同種なのね。
「じゃ今度僕の手握って一緒に飛んで。カッコよく」
「俺とミクちゃんで? 落ちるわ! うさぎと心中だわ俺とミクちゃん」
「ツッコミの神様。ヨースケが絶不調ですいつもだけれど」
「今、お泊り会! 恋バナの時間! 御祈りはヤメて盛り上がってこーゼ、お前ら!」
ヨースケくんガンバ。死んでもウサの恋バナを聞き出すのよ。
「あー! やっぱミクちゃん好きだわー俺。ミクちゃーん、大好きだよー!」
「リリィかわいいから好きー! ボク、リリィしか見えてないからー!」
スモールアニマルズ絶叫大会が始まった。只今、夜中の0時回っとります。
順番的に皆の視線がウサに集まる。ドキドキ。
ん? 何でこっち見んの。
「リンは好きな人いないの?」
まさかの観客席に振るという暴挙に出たウサ。
「へ? あ、イヤ〜別にいないってワケじゃ……いるよ。いますよ私にも好きな人くらい」
小動物と張り合う引きニート20歳独身。ざわつく界隈。
「◯クールはひ〜んやり〜♫ のCMのオジとか」
別の意味でざわつく界隈。
何だ。文句あんのか。
緊急のお泊り会ミーティングが執り行われる。
「あの寝てる人?」「趣旨が違う」「ボクも好き!」「今は黙れメタ」顔を突き合わせてあーだこーだ激論交してます。
気づいたらウサが目の前までトコトコやって来て
「僕が好きなのはリンだけ!」
私をダシにして恋バナを上手に躱しよった〜。
どこぞのアイドルですか。まぁ、ちょっとホッとしたけど。
エアコンが優しい風を吐き続けてる。
それではまた…




