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ザ・チェイサー

土曜日の20時更新です…

 犯人を探している。


 パン田の顔に落書きした犯人を捕まえたいんだ。


 この動物王が、公園のベンチで、束の間の休息を取っていたスキに。


 目の模様、愛らしさの象徴とも言える黒毛と黒毛の間を黒マジックペンで繋いだヤツがいる……ご丁寧にメガネのつるまで両サイドにグ〜ッて描いて。


 神をも恐れぬ冒涜って正にこのコトだと思う。普通ならパンダが寝てると拝むよね? 条件反射で。


 つまり、この犯人は普通じゃないってコト。


 そしてパン田は犯人に心当たりがある。普通じゃない小動物。だが憶測だけで判断するワケにはいかない。動かぬ証拠を見つけないと。


 だからこれから聞き込みを始めようと思う!


「やぁ、キツネくん。こんにちは」


 パン田は公園の茂みから出て来た茶色の彼に声を掛ける。右前足に黒マジックペンの義手。


「お、パンダか。相変わらずガリガリやん。今日もハトと餌の取り合いしてたんか?」


「戯れてた、の間違いじゃないかな。実はさっきベンチでうたた寝していた時、顔に落書きされてしまって。犯人を探しているんだ」


「タレ目のサングラスやん。ウケる」


「ありがとう。え〜と、パン田の探している相手は君でいいのかな?」


「ん? あ、この義手か。このペンはさっき祠に飛んできたから拾って付けたんや」


「それを証明出来る?」


「証明? そーいや〝指名手配犯は変装しなきゃ〟とか〝これで捕まんないね〟とかキャッキャ言うてんの聞こえてきてたけど」


 複数犯!


 ただパン田の掲げる犯人像とイメージはドンピシャ合ってるんだ。そう言いそうだもの。このセンシティブな部分をイジってくる感じ……


 キツネにお礼を言って公園を後にする。


 犯人達の目星、付いたし。これからどこに行くべきかパン田が考えあぐねていると。


 何か飛んできた。


「とおおおおおおおおおおぅぅぅぅーッ!」


 頭に止まったけど。モモンガのヨースケくん、そこは王冠が乗るべき場所なんだが。


「パン田さんグラサンでイメチェン? ゴールデンウィークだから?」


「グラサン掛けてないしGWも関係ないよ。事件の捜査中なんだヨースケくん。不審な小動物のコンビを見かけなかったかい?」


「事件ッ! 俺、協力する。何すればいいか言ってみ。ほらカマン、来いよ来い来い!」


「痛い痛い。頭ぺちぺちしないで……不審な小動物のコンビ、見かけなかったかな?」


「不審て何!」


「うん。えーと…………ウサくん見なかった?」


「さっきメタと走ってった!」


 あのエキゾチックショートヘアの子猫ちゃんと……


 ウサくんとメタ。このコンビは危険だと選ばれし者の本能が告げている。


 引き返す? ノンノン。


 例えパンダのアイデンティティが崩壊しようとも。


 友人達に「めっ」てしてあげる。それが頂点に立つ者の使命だと言うコト。パン田は知ってます。


 モモンガと別れて彼の指差した方へ歩を進めてみた。


 一瞬、我が目を疑う。


 犯人達が〝その場所〟で〝やらかしてる〟のがここからでもハッキリと確認出来たからだ。


 駅前のポリBOX……通称交番。


 ウサくんと子猫がカウンター机の上に乗っかって。お巡りと喧々諤々やり合っていた。


「しょ、正気かウサくんは! 自ら犯した大罪に耐え切れなくなって自首…………にしちゃ何か変だな」


 パン田は危険を顧みず近くの電信柱まで移動したね。


 一体何してんだろ。このコンビは……


「だーかーらー! パンダのパン田さんは旅に出たっつってんじゃん、この分からず屋のポリ公めぇぇぇ」


「ウサ兄ちゃん、落ち着いてよう」


「あ、ごめんごめんメタ。ポリ公相手だとエキサイトしちゃう……えとォ、お巡りさん。パンダは海外に逃亡しました。だから探しても無駄です」


 オマイガッ?


 オーマイガァァァァァァッ!


 偽装工作してくれてるウウウサくんが!


 最初っからそのつもりで……この落書きもホントに変装だったんだウサくん的に。


 すまないマイエンジェルズ。


 素直に認めよう。どうやらキングとしての資質に欠けていたようだ!


 パン田の可愛い友人達は誠の忠誠を捧げてく


「世界中に指名手配して。オモシロイから。あとメガネで変装してます」


「だねーウサ兄ちゃん。オモシロイもんね!」


 うん。


 とりあえず顔を洗わないと。

それではまた…

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