伝説の白うさぎを探してみた〜登録者数５０万人〜
土曜日の２０時更新です…
「はい！ トイプーロッキーのムキムキチャンネルぅぅぅぅぅてコトでね。今日は私のお友達、白うさぎのウサくんの一日に密着するんですけれど」
「こんちはロッキー！ スマホで何やってんの？ え、ヤバ。俺撮られてるわー」
「今ウサくんが午前中１０分だけ働いてるパン屋さんに来てます。えーと、ここで待ち合わせのハズ……」
「まだウサ来てね。俺モモンガのヨースケ！」
「うん、知ってる。お店に撮影許可も取ってあるんだけど、ウサくん遅刻かな？ ヨースケくん」
「アイツたまにバッくれる。俺モモンガのヨースケ！」
「うん、知ってる。あ……何か店の奥でアライグマが人と殴り合いしてます」
「ジョーがまた主任の後藤さんとケンカしてるわー。ちょっとモモンガのヨースケが止めてくっから！」
「気を付けて。私はウサくんを探してくるよ」
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「ココはウサくん行きつけのコンビニです。いつも好物のコロッケ買って駐車場で食べてたり……居ませんね。お店の人に聞いてみようかな（ピロリロピロリロ〜♪）」
「いらっしゃせー」
「おねぇさん、今日ウサくん来ませんでしたか？」
「うさぎさん？ 来ましたよー。ガリガリのパンダと一緒に。コロッケ奢ってたみたいス」
「パン田さんとか。仕事に向かう途中、パン田さん見つけて何かオモシロ案件掘り当てたかもだ。どこ行くとかは？」
「春はおたまじゃくしの踊り食い〜とか何とか」
「それだ！」
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「はい、川に到着……パン田さんいる！ パン田さァァん。あ、逃げたッ！ 違、ケーサツじゃないってー」
「んッ？ やぁ、トイプーのロッキーくんじゃないか。てっきりタクシー運転手に美味い店紹介しろって言う番組かと思ってハハ」
「だとしても何故逃げんの。ウサくんは？」
「動物王が、おたまじゃくしのランチをご馳走しよーと思ったんだが。何か、想像よりグロい〜とか言って帰っちゃったよ」
「おウチ？」
「イヤ、キツネの祠御殿を襲撃するって笑顔で」
「公園か」
✳✳✳
「えと、この植え込みの中。……あった、ちっちゃいけど立派なお稲荷さんの祠ですね。三助くーん、あーそーぼー！」
「（キィィ）何やロッキーか。珍しいな」
「ウサくんいる？」
「ふうう。アイツ、何か耐久実験とか言うて祠にバクチク投げてきよってなー」
「ホントだ。心地良い火薬の匂い」
「お前ら、このバクチク兄弟！ ワシもロケット花火で応戦したんやけど」
「戦争ごっこ！」
「あぁ、ちょっとオモロかったけど。お互いに手持ちが無くなったトコでウサ、帰ったで」
「おウチかな……」
「や、ちょうどベンチの上にな。カラスに跨がった小魚頭の小人のオッサン見つけて。夢中で追っかけてった」
「チカくんだ！」
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「多分この新幹線の高架下辺りに……あ、カラス軍団発見しました。えーと、いたいたチカくーん！」
「今度は筋肉バカのロッキーだぺさ……」
「どしたんだいカラスの餌。元気ないじゃないか」
「さっきまでウサにまとわりつかれてて。心底疲れたっぺさ……」
「君はウサくんの大好物だからね」
「カラスに食われてお腹ん中で消化されてく時の心境とか、ウンコになったらウンコすんのかとか、色々とセンシティブな質問。インタビュー形式で聞いてくんの」
「それは大変だったと思う」
「うん……アイツ、デリカシーないから」
「ところでウサくんは？」
「深夜アニメの録画見るとかって。今さっきおウチ帰ったっぺさ」
「アニメ観賞かぁ。うーん……ウサくんはアニメ見てる時全然つまんないので密着はここまです」
「み密着？」
「仕事ズルして、川で遊んで、祠襲撃して、呪いの王に質問責め。これがウサくんの一日です。この動画がオモシロいと思ったらチャンネル登録と高評価、ヨロシクお願いしまーす！ ムキムキッと」
それではまた…
