表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

144/229

ある殺し屋

土曜日の20時更新です…

 トン平はミニブタなんだブー。


 今日はK市にお仕事で来たブヒ。昼過ぎに駅に着いて今から目的地に向かうところ。


 アスファルトしゃかしゃかー。


 途中の公園で小動物見かけたもんだから。気になって覗いてみるトン平。白うさぎとモモンガ、ベンチでダベってるんだブー。


「ウンコ出ないけどヨースケ」


「知らんわウサ。ちゃんと野菜食え」


「この世界から消えて無くなれ野菜」


「まず農家さんに心から謝れー。あとベジの人にも」


「農家さんゴメンなさい。ベジ野郎は地獄に落ちろ」


 トン平は好き嫌いないから、いい子! この白いうさぎは悪い子! 


 にしても黒耳ひこひこの白うさぎー。口悪いブヒ。


 …………フゴ? 


 黒耳の……白うさぎ?


 あ、アレだー。うん。そうそう!


 偶然ターゲット発見ブヒイイイイイイイイイイッ!


 ちょいテンションアゲー。


 トン平は殺し屋なんだブー。


 お国に頼まれて小動物専門の殺しのライセンス持ってる、プロフェッショナルでブヒ。


 今回はあのウサってヤツをぶっコロでシゴオワ。さっさと片付けて、お家帰って、ご飯食べて、横になるんだブー。


「……ウサ。さっきから、ちっこいブタがお前見てブヒブヒ言ってんゾ!」


「ちっこいブタさん?」


 トン平を凝視してくるターゲット。


 コイツの視線……獲物を見る殺し屋のソレだブー。ロックオンされたのわかる! プロだからトン平。でも何のロックオンなのブヒ?


「ブタの赤ちゃんだー! 赤ちゃんがいるー!」


 え、違……トン平はミニブタってだけで赤ちゃんじゃないブヒ。


「レンジで丸焼き出来るくらいちっちゃいよー! ヨースケ」


「怖いわウサ。涎出るわ」


 ヤバブー、サイコってヤツだ白うさぎ。あと、このモモンガもぶっコロね。


 今回のターゲット。


 ビスケットの会って秘密結社のボスらしいんだブー。人類の敵、ってお国の人が言っ……ちょおおおおッ!


 ヤメ……ヤメろブヒ! ペタペタ体触んなっ、声出ちゃうから……あッ、アレも出、出、出るブヒィ…………出る出る出る出る出る!


 コポー。


 あー、スッキリしたブヒ!


「赤ちゃんいい顔でゲロ吐いたーキャハハ」


「ウサ、笑っちゃあダメじゃん。ねぇ? コポーて……ぷっ、コポーて吐いたけどもクスクス」


 ヤバブー。ついここで出しちゃった商売道具。


 コレ蠱毒なのブヒ。


 トン平は自分で作った蠱毒、胃の中に隠して持ち歩いてるんだブー(トン平は特殊な訓練してます)


 普段はコレを食べ物とかに混ぜてターゲットをぶっコロ。でも、どーしよどーしよブヒ! オモクソぶち撒けちゃった蠱毒……


「あ……良かったらどーぞだブー」


 思い切って地面に広がるコポーをお勧めしたブヒ。


 す………………………………んてなる白うさぎ&モモンガ。


「ウサ。コイツ赤ちゃんじゃねーわ絶対」


「何言ってんのヨースケ。まともな小動物がコポー勧めて来たら、ソイツの脳みそトロトロになるまで鍋で煮込みます僕」


 ヤバブー。シチューにされちゃう! 殺し屋だけど毒に全振りしてるから腕っぷしは、からっきしなトン平。


 もう毒切れだし……詰んだブヒ。


「それよかいっちょ前にゲロ吐いてこの赤ちゃん。どっか具合悪いのかなー?」


「病院連れてく? ウサ」


「イヤ、めんどいから。交番に放り込んで逃げよ」


 一番困るの警察沙汰。これ以上関わってるとヤバブーだこの白うさぎ。


 逃げないとブヒ。一刻も早くコイツから!


「お、何か後退りしてね? この子」


「迷子の赤ちゃんはやっぱ交番でしょ。僕、ポリ公嫌いだからヨースケお願い」


「赤ちゃんじゃねーから」とか「僕今から塾あります」とかトン平のなすりつけ合いしてるブヒ。もー仕方無いなー! 奥の手、使いたくなかったんだけど。


 パタふ。


 トン平は地面に倒れたんだブー。死んだフリ。


 強烈な思い込みで仮死状態にまで持ってくヤツ(トン平は特殊な訓練してます)


 アイツらが大声で叫んでるみたい。


 ま、心配はしてくれてんだブー。ありがた迷惑。


 後は運を天に任せよう……ブヒ。


 出来れば病院の方……………………


✳✳✳


 目が覚めたトン平。


「うぅ…………ん? 公園? 倒れた時のまんま?」


 アイツら居ない。


 ちょっと寂しかったブヒ。

それではまた…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ