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HINAMACHURI!

土曜日の20時更新です…

 神様の話します。


 こんなコト言うと宗教ぽいけど。全然違う。


 伊吹山の神様とか八百万の神様とかちゃんとした感じじゃなくて。僕だけに指示出ししてくる変な神様。


 リンと暮らし始めてから聞こえるよーになった。


 前は一言二言、アタマん中で響くだけだったのにサ。最近は独り言みたいな感じで言ってくんの。


『動け。キャラもっと動け』


『ノープランだから勝手に動いて』


 大切なコト言ってる気がする。よくわかんないけど。でも僕らにどーしろって言うんだよ。


 何の神様なのアンタ。


「とりあえず食い放題だからなウサ。食え食え」


 里見ィが煽ってキタ。珍しく焼き肉奢ってくれてんだけど。また何か企んでるきっと。


 リン絡みのコトだったらボコすから僕。


『優しくしてあげて……』


 は? 神様?


 何でか知んないけど里見ィに甘いこの神様。キショ!


「実はな、ウサ…………煮詰まってる」


「何が?」


「漫画の企画。ホラ、暴露系うさぎとデスペラードパンダやってんじゃんか今」


「知りませんけど」


 勝手に僕とパン田さんを漫画にしよーとしてたのか、元売れない漫画家め〜。キャラクター使用料取るからな絶対。


「漫画よかリアルなお前らの方が面白いから。漫画にする意味あんのか悩んでる」


 知らんわ。


 そこ上手いコト料理すんのがプロじゃないの。イヤ、別に料理しなくていいけどサ。


『アドバイスプリーズ』


 えーッ! 


『今、いい感じの事言ってたから……』


 面倒臭い。


『コロッケポイント発動しました』


 コロポだ!


 言うコト聞くとご褒美にコロッケがどっかで手に入るハイパーイベント。


 僕は真顔になってボサボサ頭の里見ィを見つめる。


「超えないと! リアルを超えたトコにあんのがエンターテイメントだと僕は思うんだ、里見ィ!」


「リアルを超える……か。だな! よし肉食え、肉」


 里見ィが網の上にどんどん肉、乗せてく。


 火が点いた。ボーボー。


 燃えてる肉をポケーって見てる里見ィ。え、コレ大丈夫なの? て感じでフリーズする僕。


 そしたらね。


 テーブルの上を覆面被った小動物がテテテーて走ってきて。そのまんま里見ィにドロップキックぶちかましたんだ。


「はぐぅおーッ……」


 思っきしアゴが上がる里見ィ。


 店の制服を着た覆面ハムスター。とっとこが黒いコップに入った氷を網に向かってどんどん投げてる。


「何してんの? とっとこ」


「え、え、うそヤダー! ウシャしぇんぱい……アタチ今、消火活動に取り組んでましゅ。この放火犯とは知り合いなんでしゅか?」


 とっとこのバイト先だったんだココ。


「チィッ」


 放火犯が舌打ちしとる。


「んあ?」


 迎え撃つ店員。


 何か空気悪ッ! 肉焦げちゃっただけに。


『この展開NG……』


 は?


『空気変えて』


 はあああああああああああッ?


 知らんわ!


 何で僕がそんな気ィ使わなきゃいけないのサ。肉焦げたから空気悪いって上手いコト言ったでしょ?


『コロッケポイント発動しました』


 コロポだ!


 今日二回目のコロポチャンス。僕は全身全霊かけて事態の収拾に挑む。


「とっとこーッ!」


 雌ハムのお股目掛けて金蹴りを打ち込んだ。


 ガッシ!


 膝でらくらくガードされる。想定内。


「しぇ、しぇんぱい」


 次、前足で目潰し。パシィ、これも余裕で払われる。


「勝負だ、とっとこ! 僕が勝ったら明日ッ」


「明日?」


 新技の縦ヒジを打ち込みながら


「HINAMACHURIを一緒に祝わせて!」


 一瞬。


 戸惑うとっとこの覆面をかすめてくヒジ。気付いたらカウンターで綺麗な頭突きを貰ってた僕。


 フッ、全然見えんかった……


 パタふ。


 倒れた僕を心配そーに覗き込みながら「ひなまちゅり…………」て呟くとっとこ。


 ステゴロハムスターの純情、とか言いながらスマホにメモってる里見ィ。


 お店の黒っぽい天井を見上げながら溜め息つく僕。


 ふうううううううううううう何だこの展開。


『OKでーす』


 OKなんだ。

それではまた…

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