表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

124/229

KONDOU会議

土曜日の20時更新です……

 何か、会議してる。

 

 グループホーム『おだんご』一階ロビーにある四人掛けテーブル。その上に乗っかって白うさぎとトイプードルと黒猫。

 

 土曜日のお昼前。アニマルセラピーで勤務中の三匹が頭付き合わせて真剣な表情で。

 

「今から緊急会議します!」てウサが叫んでたんで。職員であるボク、里見洋介は気になって事務所から様子を伺ってました。

 

「コレ……何だと思うロッキー?」

 

「何だろうねウサくん。この薄っぺらいヤツ」


 テーブルの真ん中に置いた小さな個包装の袋を見下ろしながら、うさぎとトイプー。黒猫が前足でチョンチョンてやりたそうにしてます。


「エレベーターの中に落ちてたか……見た感じ食べ物ではなさそうだ。薄いからね!」


「僕クッキーだと思う」


「ハハ、こんなペラッペラのクッキーじゃお腹膨れないぞ。ウサくん」


「だったら……あ、突っつくなよジュジュ!」


「にゃっ」


 チョンチョン、パシッ。


 それが宙に舞いました。4~5センチくらいの四角くて黒いヤツ。

 

 あーハイハイ…………〝アレ〟かぁ。


「0.01ってヒントじゃねロッキー」


 パッケージに気付いた黒耳。


「0.01……ひょっとして目の悪い人の何かかッ?」


 違うゾ脳筋犬。


「コンタクトだ!」


 違ーう。


 どっちも装着はします、何てね。「コンタクトつまんね」とか「コンタクト興味ね」とか言ってる二匹。コンタクトにやけに厳しい。


「にゃっ」

 

 ピリーッ。


 ジュジュが袋、引き裂いちゃいました。ダメなんだけど拾得物勝手に開けちゃ。

 

「コンタクト…………じゃないぞ、ウサくん!」


 中から出てきたのはテカテカで透明な、アレ。


「丸い。あ、ベトベトしてる」


「ダメだよ、危険な薬品かもしれない。迂闊に触っちゃあ……こら、ジュジュさんも!」


 アレに爪を立ててブンブン振り回してます。それ、穴開けたら死刑になるよー。重罪だかんなー。


 人間の子供なら百パー水風船にして投げて破裂させるんだけど。意外と何も起こらないです。やっぱ動物っスわ。


 その時。


 ウサが突然、アレを股間にあてがったかと思うと……


 中にオシッコし始めました。


 野生の勘でオシッコから水風船の可能性に辿り着く気かコイツは! 


 みんなも後に続きます。ブヨブヨになったアレが面白いと気付いたようで「オシッコもう出ない!」「オシッコが足りない!」と大騒ぎのアニマルズ。


 テーブルの上で何しとんじゃお前ら。

 

 ボクは黙ってテーブルの前まで行くと、連中の大切なオシッコ風船の口をしっかり結んでから取り上げたんです。

 

 ……まだ生暖かいコッペパン大のそれ。

 

 こいつはヤツらに持たせておくと危険だ! 大ブーイングの中、ボクはトイレに向かいます。

 

 オシッコ爆弾と化したアレを無事に処理するという若干の緊張を感じながら。一歩、また一歩と慎重に歩を進めるボク。

 

 そこへジュジュが飛びかかってキターッ! こういう時の猫はアホだからヤバい。


「ふんにゃぁぁぁごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


 とても不思議な事に。


 音も映像も、全てがスローモーションになって展開していきます。その爪がゆぅぅっくりとゴムに食い込む刹那。


 生まれてから漫画の連載打ち切りになるまでのボクの人生が、走馬灯のように蘇ってきたんです……


「何で一番嫌なとこで」


 そう思いながら。


 ボクは黄色い閃光に包まれました。

それではまた……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ