さすらひ
土曜日の20時更新です……
意外と大きくてグロ、とか。
尻尾長くてキモ、とか。
ギャアアア、とか。
言われまちゅね。
何とかハーツの歌で「美しい」とか言われてるもんちゅから。イメージ先行型ッス。
「見たコトある。誰だっけ?」
白うさぎとキツネが公園ベンチの上から声かけてきたでちゅ。
二匹して鳩にポップコーン投げちゅけとるゥ~。
「ご、ご無沙汰でちゅウサさん、三助さん。伊吹山の神様にお仕えしてたネズミのモミ蔵ッス」
「おっとこの? アイツ罰ゲームやんないで逃げたんだけど。デコピンで泣かすつもりだったのにィ」
「罰ゲームやなくて何でも言うコト聞くヤツな。頸珠もろてハーレム作る計画がパーじゃ、あのチビ」
一応古事記にも出てくる荒振神なんスけど……
まぁ、この自由な感じ? のおかげで今のあっしがいるワケでありまちゅ。
「その節はドーモ。神様は七番勝負でアンタらに負けた後行方不明になっちゃって。あっしもやるコトなくなったから、とりあえず山を出てフリーダムを満喫してるトコなんス」
「……そんなキャラだっけ? モミ次郎」
「モミ蔵な、ウサ。神使っつーのは先祖代々引き継いで勤めるコトになっとるから。コイツのやってるコトってけっこうパンチ効いとるでえ」
右前足の義手に糸ノコちゅけてるキツネの三助。クレイジー野郎かと思ったけど案外まとも。
「神様いなくなってノンストレスの毎日。けど何か、胸がスースーし過ぎて不安になって……気づいたら叫びながら旅に出てまちゅた」
「うおおおおおおうふッ、て?」
うさぎ。
「うげぇはわわおえぇッ、て!」
あっし。
「うわわわわわわわわんわんわんわんわんわんッ!」
キツネ。吠えたいだけじゃん。確かにテンションは上がりまちゅけど。
しぱらく皆で叫んだ。
やっぱ動物同士だと楽しー!
人間相手は何か気ィ使うんちゅよ。人里降りるまでネズミはDランドの何たらマウスのおかげで好感度高めって思ってたから。
でも、現実は嫌われモノ。
「そだ! 僕ん家おいでミッキー。リンに乳製品作ってもらって食べよ」
えッ……今、絶対言っちゃダメなヤツの名前で呼びまちゅた? 消されちゃうよマジで。
「長旅でお腹ペコペコっしょ」
ウサさん空見上げてから
「ミッキィィィィィィィ!」
「チーズ切ってもらうだけやけどな」
三助さん遠くを見つめながら
「ミッキィィィィィィィ!」
言ったらダメって言われたら……言いたくなりまちゅ。うん、わかるわかるテヘ。
じゃないでちゅ!
潰されるッスD機関の連中にぃぃぃぃ。
片手で。ぎゅって。
……ま、折角なんでお呼ばれしてみまちゅたけど。
ご主人、わざわざチーズ買いに行ってくれたんス。こないだ丸めた雑誌で駆除されかけたけど。今日は優しかったでちゅ。
「そろそろ行きまちゅねー」
「公園でゆっくりしてったらええやん。ワシの寝床貸したるでえ」
「だよー。この街に住み着きゃいいじゃん」
「サンキュ、ウサさん三助さん。でもあっしはもっとこの世界を見てみたい。嫌われモンでも全然気平気。やりたいコトやりてーんス!」
「ミッキィィィィィィィ!」
うさぎとキツネは、旅立つあっしが見えなくなるまで手を振ってくれまちゅた。
さァ、風に乗って気ままに行きまスか。
あっけらかんと。
笑いながらね。
それではまた……




