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なろう系主人公の息子  作者: じよん
3/3

説明だけだから流し読みでいいよ

もとの世界に戻る?

親父の昔住んでたところだろうけど、なんでそんな話に?


『それとあの事は言ったんですか?』

「…………それはまだだ」


ん?あの事ってなんだ。含みのある言い方はやめてほしい。


『えー!?お願いしますよ!ピンチなんですよピンチ!!大変でデンジャラスなんですよ!!!』

「そんな説明でわかるかよ。まぁ、その話はまた明日だ。息子が帰ってきてるんでな」


あ、わかってたんだ。


『わかりましたよ。さっき言ったこと、ちゃんとやってくださいよ』

「へいへい」


その言葉を最後に、謎の声は消えたらしい。


「もう入っていいぞ」


親父がそう言ってくる。俺は少し躊躇ったが、ゆっくりとドアを開ける。


「………………」

「ちゃんと説明するさ。まぁ、座れよ」


俺は何も言えないまま、親父に言われた通り部屋にある椅子に腰掛ける。


「そうだなぁ。まぁ、簡単に言うと俺の故郷がピンチだから助けてくれってことなんだけどな」


理由は大方予想通りだった。しかし、だとすると何故戻りたがらないんだろう。

普通に考えたら自分の故郷が大変な目にあってるなら助けたいと思いそうなものだけど。


「なら、一刻も早く戻らないとダメなんじゃないの?」

「そうしなきゃなんねぇのは分かってるんだけど………」


どうにも歯切れが悪い。もともとハキハキと喋る人ではなかったが、ここまでではない。


「レン。お前は俺が未来を見ることができるのは知ってるよな?」

「まぁ」


知ってるといってもどれぐらい先が見えて、どの範囲で見られるのかなど、詳しいことは知らない。


「俺はあっちの世界に戻ったら、しばらく帰ってこれないだろう」

「しばらくって、どんくらい?」

「さぁな、そこまでは分からん。ただ俺がいない間に、こっちの世界が襲われるってことはわかるんだよ。それも、20年前の厄災以上のね」


ふむ、なるほど。それはまずいね。かなりまずいね。もう、だいぶまずいね。

そもそも、街とか国じゃなくて世界で襲われるレベルの時点でやばそーだなーとか思ってたけど、あの厄災以上となるといろいろと終わってる。


「が、しかし。俺の故郷もやばい。うーむ、どうしようか」チラチラ


なんか、こっち見てくる。わかりやすいぐらいの質問待ちだな。……………ウザいな。


「そんなふざけてるときじゃないだろ」

「ノリ悪いなぁ。ま、いいけど」


あー、こういうところ嫌いだわー。まじで。


「結論から言うとどっちの世界も助かる方法はある。半分賭けみたいなものだけどな」

「ならそれをさっさとやれば──」


俺が話そうとしたら親父が人差し指を立てながら「チッチッチ」といってくる。ウザい。


「まてまて。賭けだって言ったろ?」

「わかったから。さっさと話せよ」

「怒るなって。………まぁ、ここからは真面目に話すが──」


「最初からそうしろよ!」言いそうになったが、また話が止まりそうだから、心の中に必死に抑え込む。


「実はどの世界にも救世主はいる。俺も本来はあっちの世界の救世主的な存在だ。けど、こっちの世界のヒーローさんは産まれるのは数年後らしい。だから俺が神様に連れてこられたってわけだな」


へー、そうだったんだ。知らんかった。親父についての新事実発覚だな。


「でも、それって今までの話と何の関係が……。ん?20年前は産まれてなかったってことは」

「そう、いるんだよ。今、この世界には救世主がな」


まじか、これで未来に希望が持てるぞ!


「そこで、お前にはその救世主探しをしてもらう。どんなに強い力を持ってもその力を自覚しなきゃ強くなれないからな」

「わかった!それで、誰なんだよ。その救世主は?」

「それは知らん!」


知らんのかい。

ほんと、未来視もそうだけど肝心なところ知らないよな、この人。


「さすがにノーヒントじゃ無理があるだろ……」

「安心しろ。俺のエネルギー探知で、ある程度まで絞ることができた」


さすがだな。本当に色々できる。が、どこか一歩足りないなー。


「んで、どこにいるの?ヒーローさんは」

「お前の通ってる生徒の誰かだ」


えーー!?って驚こうと思ったけど、年齢を考えるとそりゃそうか。


「しばらく一緒に生活すれば、救世主の片鱗を見せるときがあるかも知れないから、怪しいやつに目星をつけて、探っといてくれ。それとこのことは内密にな」

「わかった」


とは言ったものの大変だよな。学生の人数は多いし、学年とかクラスが違かったら関わり薄いしなー。

せめて、協力者とか欲しい。


「そうだ、俺の他にもこのこと知ってる人はいんの?」

「各国のお偉いさんがたには言ってある。みんな頭はいいから上手くやってくれんだろ。それと、俺がさっきまで話してた神様だな」


さっきの話し相手、神様だったんだ。なんていうか、威厳がなかったな。

それに、この世界の人間だとお偉いさんだけか。じゃあ、学校で探すのは基本的に、俺1人か。

それにしても、親父は俺の知らない間にこんなに準備してたんだな。もっと早く言ってくれれば手伝ったのに。


…………ん?なんか違和感があるな。

救世主が学校にいるのがわかってたならそれこそ、俺に探させたほうがいい。俺にこの事を説明をして、なんかまずいことでもあったのか?

それに、あっちの世界に戻るって決めてたなら、なんであんなに戻ることを渋ってたんだ?


「さてと、そろそろ飯にしようぜ」


そう言って立ち上がろうとする親父。

これは、確信があるわけじゃない。でも、気になったら止まらない人間なんだよなぁ。


「………もしかして、俺にまだ隠してることある?」

「…………………」


めっちゃ黙るじゃん。

え、怖い怖い。なんか言ってくれ。


「さすが俺の息子。鋭いな」


良かったー!少しカッコつけたけど、めっちゃ緊張したーーーー!!


「救世主が見つかったとしても」


あ、説明始まった。聞かなきゃ。


「その力をうまく操れるようになるまでの時間が足りない。それじゃ、勝てない。それで、他にも多く強い仲間が必要になる」

「ふむ、なるほど」


でも、わざわざ言いにくいことでもない気がするな。


「こっからが本題なんだがな。お前にも救世主の手助けをしてもらう」

「え。でも、俺には第一次能力が……」


模擬戦ならまだしも、本気の戦いなら一次能力は必須だろう。だけど、それがない俺は足手纏いにしかならない気がする。


「……………あるぞ、お前には。一次能力」

「へ?」

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