~歌で世界を救うじゃい~
前回のあらすじ。異世界物語の電子版小説を読んでいた高校生の私。親と喧嘩したその日、自分の部屋で眠りにつこうと思った瞬間、異世界召還されました。異世界人の100名様として当選した私は、歌姫となる職業を選びましたとさ。めでたしじゃねぇよ。と、言っていきなり破ってきた何者かの影がそこに残っていた。
ミスティアの方に、魔法陣転送された私は歌姫という職業になったので、さっそく自分のスキルデータを出してみた。「ピロン」と言う音と共に、私の今の状態であるデータが出た。今私が使えるスキルは癒しの歌声で、称号は見習い歌声という。でも女の子だからいざ何かあったら困るので、無限大に収納できるアイテムボックスや、錬金術のいろんなポッション作りや、そして黒魔法や白魔法など。ほんとは歌姫では一切覚えないスキルや魔法など、覚えさせてもらった。覚えさせてくれたロバンには、とても大変感謝してます。異世界召還されてから、まだ1日しか経ってないけど、(冒険ギルドはどこよ??)みたいな感じで、私はミスティアの中心部辺りをずっと迷っていた。(けして、迷子ではない。)と、私はそう思って噴水の前を通っていた。
「ひ、ひぇん。ひぇん。」と、噴水の前を通った時、私の目の前で青色の女の子が咳き込むような感じでと泣いていた。その子の見た目は、私の妹と同じ保育園ぐらいかな?と、そう思った。でも、その子の親が何とかあやしてるけど、なかなか泣き止まなくて困っていた。その時、私の頭の中ではこんなコマンドが浮かんでいた。
話を聴いてみる?←
そのまま放置する
↑という、私の中ではこんなコマンドが浮かんでいた。そう言えば、女神様が(どちらかを選んで、その未来を変えるのが貴方の使命だから。)と、そんな感じで言ってたような気がした。私が選んだのは、歌姫。誰かを助ける意味でなったんだよ。このままじゃ、この子の命は消えてしまうかもしれない。それか、私の力が無くてもこの子は大丈夫かもしれない。それでも私は、この子を助ける意味で上を選ぶ。❪貴方が選んだのは、話を聴いてみる?ですね。……… そう、それが貴方の選んだ未来。幸となるか、不幸になるのかも。貴方が今、選んだ選択です。では、このまま続行させてもらいます。❫と、女神様はそう言って私の中から消えたように感じた。
「あの、何かお困りですか?」と、私はその子の親に話を聴いてみる事にした。「娘のアイリが原因不明の咳き込みをしてて、今日もずっと専門の病院を回ってたんだけど、今すごく限界がきてどうしたらいいのか困ってて。」と、アイリちゃんの両親は、今にも泣き出しそうな顔をして私にそう話をしてくれた。(もし、自分の妹が同じ病気でも、私が必ず治してみせる。)と、自分のこぶしを軽く握りしめた。「私は、見習いの歌姫なんですけど今日、せっかく出会った縁だと思いたいので、アイリちゃんの為に歌いたいと思います。」と、私はアイリちゃんの両親に軽くお辞儀をして、それから歌い始めた。
[エーテルワールオーラルエース❪彼女の痛みを和らげろ❫]と、私が癒しの歌を歌い出した瞬間、アイリちゃんの咳き込みが治まっていくのを感じていた。「アイリ。咳き込みはどうだい?」と、アイリちゃんの両親が、おそるおそる聴いていた。「パパ、ママ。私、どこも痛くないよ。」と、アイリちゃんはとても嬉しそうに、元気に走り回るようになった。「治って良かったね。」と、私ははアイリちゃんに笑ってそう言った。「お姉ちゃん。私の病気治してくれてありがとう」と、アイリちゃんはそう言って、両親と一緒に自分の家に帰って行った。「ピロン」と、言う音と同時にレベルアップの音が聞こえた。さっそくスキルを確認したら、悲しみの歌を覚えた。(悲しみって、どんな場面で使うのだろう?そう言えば、女神様は私の選択で、未来が変わると言っていた。だから、この世界もいろんな感情があるんだろう。)と、私はそう思っていたんだ。この先で待ち構えている運命があるとはしらずに…………
❪最初の難関はどうやらクリアしたようですね。もし、別の選択を選んでしまった未来を少しだけ覗いて観ましょう。……………… 結局、アイリちゃんはこうなった原因が分からずに、そのまま亡くなってしまったのですね。そう、貴方がもし選んでしまった未来はこうなってしまうのです。でも逆に、別の未来を選んでいたら助かったのかもしれません。この物語では、貴方の選択で助かる未来、もしくはその結末が変わるのかもしれません。では、また次回お会いしましょう。さよなら。❫と、幕が降りる。
次回、ギルドで大ピンチ??歌姫なんだから、頑張るじゃけんねん。を、お楽しみ。