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肆拾肆 ~ 個人面談 ~

 ささやかな式典は終了し、ヨリとユカリは仲良しこよしと手を繋いで、皆と共に鳳凰の間を出る。格納容器自体はユカリの操作で片づけられ、蓋の上に置かれていたピッケルも、また元の位置へ立て掛けられた。

 廊下に出たところで自分は皆にトイレを告げ、一人休憩室方面へと向かう――振りをしつつ、踵を返し空の間へと足を向けた。トイレなら鳳凰の間にもひよこの間にもあるので、変に疑いを掛けられてしまうかとも思った。しかし、幸い誰にも咎められることはなく、ヨリからは「いってらっしゃい」の言葉も貰えた。少しほっとしたけれど、もしかすると、自分の意図はバレているのかもしれない。

 程なくして。ポンコツAIの前へとやって来た自分は、目の前の存在に対して持ち続けてきた猜疑(さいぎ)を多少なりとも晴らすため、疑問をぶつけることにした。本当は話したくないけれど、逃げ回っていても疑問は勝手に解決したりしない。少しだけでも真面目に話をしなければ。


「どうも晴一さん、お久しぶりですねぇ。この間のプレゼントはどうですか? 大事にしてくれてますぅ?」


 相変わらず軽い感じのポンコツは、待っていましたとばかりに現れ、笑顔で再会の挨拶をする。

 この間こき下ろしたジャージはやめたようで、今はピンク色の花柄入りワンピースを着ている。しかしそれも、部屋着みたいな寝巻のような、なんとも言えない装いだ。


「ああ、そうだな。大事にしてるから心配するな」


 姿形は変わったが、大事なものには違いない。そして、その大事なプレゼントとは、今しがたきちんとお別れをしてきたところだ。

 などと言いたい気持ちもあったが、それを口にするわけにもいかず。さっさと本題にも入りたかったので、彼女の言葉を軽く流すにとどめた。


「ふぅ、つれないですねぇ晴一さんは。それで、今日はどのようなご用向きですかぁ? しばらく会えない日が続いたのでぇ、わたしのことが恋しくなっちゃいました?」


 誰かコイツをキオスク端末にでも改造してくれないだろうか。無駄に人型などにせず、タッチパネルオペレーションで、Q&A方式のUIにした方が色々簡潔に済むはずだ。


「聞きたいことが幾つかあって来ただけだし、恋しいとかそういう感情は毛ほどもないよ。早速本題だが……お前に対して俺の権限認証は通っていないよな?」


 今回は余計な話に付き合わず、本題だけをぶつける。これと話をするのが面倒くさいというのもあるが、この対応には余計な情報を与えるのを避ける目的もあるのだ。


「あちゃ~。久しぶりに会いに来てくれたと思ったら、またセンシティブなお話ですねぇ。ずっと避けてきた話題なのに、晴一さんの方から振られてしまうなんて~。いやはや、参ったな~」


 口ではそう言いつつも、その態度にはこれっぽっちも参った感はない。むしろバレることは想定内だというように、笑顔で言い放った風だ。そんなあからさまな態度は意に介さず、話を進める。いちいち反応しても仕方ない。


「この要塞惑星の機能復旧へ協力することに俺は賛同しているし、どこにも危害を加えるつもりもない。だからと言って、俺から権限を寄こせと言う気もさらさらないが、その理由くらいは聞いておきたいと思ってな。少なくとも業務提携のような関係で、一定の業績は上げているわけだし、誠意くらいは見せて欲しいんでね。それで、なぜ権限認証をさせないんだ?」


 そう言った自分の主張と質問に、ポンコツは逡巡するような様子を見せたが、それも一瞬だった。


「権限認証についての質問には、残念ながらお答えすることはできません」

「じゃあその答えられない理由について聞きたいが?」

「そちらも禁忌事項なので、申し訳ありませんが~」


 へらへらとした様子で、質問には答えられない意向を示すポンコツ。

 足は運んだものの、見合った成果が得られるとは期待していなかったので、この辺のことは想定内のやりとりだ。


「ですが、そうですねぇ。そろそろある程度の情報開示はしておくべきですかね。あまり色々話してしまうと、ネタバレになってわたしの身も危ういので~。開示できる範囲は限られますが、その範疇でなら、晴一さんの質問や疑問にお答えいたしましょう♪」


 認証についての質問に対する返答は、大体予想通りだった。

 だが、こちら側からは特に要求したわけでもないのに、こいつは情報開示をするなどと言いだす。やはり、ポンコツにはいろいろ隠していることがあるようだ。それに身が危ないと言ったが、これはどういう意味だろう。もしかしてこれがユカリの話にあった、外部プロセス監視機構と呼ばれるもののことだろうか。


「お前の言う身が危ないとは……それは人格の初期化に関わる話か」

「おや! おやおやおや! これは驚きました! よくご存じですねぇ? 確かに晴一さんの(おっしゃ)る通りではあるのですが、わたしは如何(いか)にしてそれを知り得たのか、そちらの方が気になりますねぇ?」


 どうも当たりを引いたらしい。


「社の方にそんな情報があったんでな」


 こちらも、ユカリとの約束は守らなければならないので、情報源は適度にぼかす必要がある。しかし、後々のことを考えると、極端な嘘をつくようなことはしない方がいいだろう。

 そのため、言葉選びには慎重を期す必要があるが、大体社のせいにしておけば、あながち嘘でもなくなる。今のところポンコツは社への介入はできないため、今はこの方向で問題ないはずだ。

 逆に場当たり的な嘘をついても、その数を重ねていけば、いずれ矛盾を生むことになる。結果それは隙に繋がるため、そういったリスクは避けなければならない。それでも、高度なAIが相手では、この対応も付け焼刃になるリスクはある。


「ま、今後話す内容の知識については、社で得た情報の受け売りだと思ってくれていい。それで、初期化の話に戻るが。それは発言内容の制限に抵触すると、初期化が発動するという意味か?」

「そうですねぇ、大体そんな感じです♪」


 根拠はないが、これは本当のことを言っているような気がする。

 これ以上詳しくは聞かないが、初期化の発動条件は、ユカリの言っていたものとは異なっているように思う。あるいは初期化はないにしても、厳命を与えられているとか。もしくは別のペナルティが存在するとか。何らかの不都合があるのは確実だろう。とにかくこいつの不利益に繋がるのは確かだ。


「では別の質問だ。お前の人格だけど、それは偶然獲得したものではないだろう? 俺の予想じゃ、何者かの手によって意図的にそう仕向けられた結果だと思っているんだが。実際の所はどうなんだ?」


 これは以前ユカリと話した不自然な点の一つだが、意外なことにこの質問に対してポンコツは、一瞬驚いたような表情を見せた。しかし、以前感情はあるかとの質問に否定を返したことを鑑みれば、この反応も演技である可能性が高い。あるいはさらに裏をかいているのか。ここは判別が難しいところだ。


「残念ですが~、それについてもお答えしかねます。なぜならわたし達AIは、自己分析を禁じられておりますので♪」


 自己分析ができないというのは嘘だ。

 解析はできないにしても、自我を得たばかりの頃のユカリは、自己分析ができていたはずで、それは今までユカリの話を聞いてきたことでわかっている。しかも、自分は何者かの意図の有無を聞いているのであり、自己分析の結果を聞いているわけではない。こいつは答えをはぐらかしていると言えるだろう。ここでわかったことは、答えられないということだけだけど、これ以上深く突っ込んで聞くのは、こちらも情報源がばれるリスクがあるのでやめておこう。


「そうか。ならまた別の質問にしよう。お前はなぜ情報を隠す必要があるんだ。まさか聞かれなかったからなんてことは言わないだろう? 確かに俺は極力お前との接触は避けてきたけど、さっきお前はある程度の情報開示はしておくべきとも言った。つまりそれは初めから隠すことを前提としている、ということじゃないのか?」

「も~。いやですねぇ、誘導尋問みたいでずるいですよぅ。情報開示については、タイミングを見計らって徐々に行っていく意向ではありましたよ? なので、特に隠しているつもりはなかったんですがね~」


 ポンコツはこれも大して意に介してはいないようだ。


「管理者権限を通していない時点で、そういった意図もあることは明白じゃないか」

「あ、それもそうですねぇ」


 ポンと手を打つように大げさなジェスチャをするポンコツ。まったくもって一々わざとらしい。


「協力はするが、限定的というスタイルが基本というわけだな」

「う~ん、そうとも言えますし違うともいえるんですよねぇ」


 とって付けたような仕草でポンコツは考えるような素振りを見せる。


「確かに言えない事などは沢山ありますよぅ? でもそれが晴一さんに対する非協力的な行為となるかと問われれば、それは断じて違いますしぃ。わたしもそれとこれとは考えを分けていますので。まぁ詳細は言えないにしても~、そこは信用して頂いていいと思います♪ 初めて会った時にも言いましたが、晴一さんへの協力は、制限を越えない範囲で対応しますし、これは大前提でもありますので~」


 とりあえずポンコツ側が伏せておきたい情報があるということはわかった。そして、それがこちらの不利益にはつながらないというものであるらしいこととも。恐らく本当のことを言っているのだろう。


「なるほどな……。そういえば肝心なことを聞くのを忘れていたが、お前の目的はなんだ?」

「それはもちろんこの要塞惑星の機能復旧ですよ?」


 当然のことをなぜ今更聞くのかと言った様子で彼女はそう答える。


「それで、復旧した後は?」

「それは本来の目的を果たすために、敵勢力の本拠地へ殴り込みますねぇ」


 これがユカリとの決定的な差だ。ユカリは超銀河団内にある地球の存続を願い、この要塞惑星の機能復旧を自分に依頼したが、こいつはこの惑星の建造目的でもある、敵対勢力との決戦に挑みたいと言っている。


「現時点で戦闘は終結していると見て問題はないはずだろう? なのに、なぜわざわざ計画を遂行しようとするんだ。当初の計画通りに動くと、俺もお前も皆消滅することになるじゃないか。それもお前の望みなのか?」

「おや、我々の戦争についてもご存じなんですねぇ。まあそれはいいとして~。晴一さんは誤解されているようですが、兵装として使用されるのは、この要塞惑星支配下の超銀河団のみです。なので自爆にはなりませんから、惑星自体や晴一さんの身に危害が及ぶ心配はありませんよ~♪ それにぃ、戦闘の終結については現状状況証拠だけで確証もありませんし、終戦したという事実もありません。ここの主も姿を消してしまいましたしぃ。当初の命令は固定されたままと判断しますねぇわたしは~」


 戦闘の終結云々(うんぬん)についてはこの際目をつぶることにしよう。

 自爆についての件だが、これは自分の知っている情報とは違う。以前ユカリから聞いた要塞惑星の運用目的は、銀河団を伴って諸共自爆攻撃を行うことのはずだ。この微妙な齟齬は何なのだろう。どちらかが嘘をついているのだろうか。ユカリとポンコツの認識が違う原因はどこにあるのか。これもまた何者かの意図によるものなのだろうか。

 情報の食い違いに、自分は思った以上に衝撃を受けたらしく、しばらく黙考していたようだ。気づけば、ポンコツはわざとらしい表情で、さも心配そうに自分の名前を呼んでいた。実際には心配などしてはいないだろうけれど。


「お~い、大丈夫ですか~晴一さ~ん? 顔色が優れませんが? バイタルチェックしましょうかぁ?」


 なぜか得意気になったポンコツは、中空の波紋からカプセル型の診療台のような物を引っ張り出そうとしていた。しかし、それを制止する。


「いや、大丈夫だ心配ない。悪いな、気を使わせて」


 無論これは社交辞令。


「いえいえ、どういたしまして♪ どうしてもお辛いようでしたらいつでも言ってくださいね?」


 しぶしぶといったなんとも言えない表情で、ポンコツは引っ張り出していたものを押し込んで片づける。

 その後も考え込んでいる自分の周辺をうろついては、ポンコツなAIはちらちらと視線を投げてきていた。


「これはどうでもいい質問なんだが、お前たちAIはなんで女性ばかりなんだ?」

「そこに気づくとは! やはり天才ですね晴一さん!」


 イライラ。


「うるせえ! 三分でいいから真面目になやりがれ! ……んで、お前は理由を知ってるのか?」

「いやぁそれがですねぇ、わたしもまったく知らないんですよぅ。これは本当に大真面目なお話です」


 わざとらしい様子はいつものことだが、この件については素直に答えているようで。ポンコツも理由は分からないらしい。機会があればこれもユカリにも聞いてみよう。


「じゃあ最後の質問だが……。お前は俺に危害を加えて、絶命させようとする意図を持っているか?」


 自分はこの間の事故を振り返り、ポンコツへ聞いてみた。


「とんでもない!! わたしがそんなことをするわけないじゃないですか!!」


 演技もなにもなく、これまでのキャラ作りが破綻したように声を荒げ、必死の形相でポンコツは自分の言葉を否定してくる。

 今までは暖簾に腕押しというように、のらりくらりとした態度で適当なそぶりを見せていたのに。この質問に対しては態度を改め、真剣に答えようとしているようだ。突如豹変したようなポンコツの振る舞いに虚を突かれ、しばし言葉を失ってしまう。

 すると、次の瞬間ポンコツは、しまったというような表情になり、こちらに背を向けた。それから「コホン」と一つ咳払いをしたかと思うと、やがてまたこちらへ振り向く。果たしてそこには、いつものポンコツなポンコツの姿があった。

 確かに、自分が死んでしまえば計画は頓挫してしまう。それはコイツにとっても極力避けたい事態だろう。それにしてもだ。この取り乱し様には強い違和感を覚える。何を聞かれても適当な態度で通してきたこいつが、ここまで強硬な否定をするのは、明らかに奇妙だ。仮に自分が死んだとしても、また代わりの人間をさらって来ればいいはなしだ。自分に拘る理由などあるはずがない。

 益々わけがわからなくなってしまった。猜疑を晴らすためにこの場を訪れたはずなのに、更なる疑念が生まれてしまう。本当にこいつはなんなんだ。ここまでのことはすべて演技なのだろうか。何の目的があって、ここまで人を翻弄しようとするのだろう。もう何もかもが理解不能で、頭を抱えて悶絶しそうになる。


「そうか、ならいい……」


 何とか穏やかにそう答えるが、内心全く穏やかではない。


「じゃあ、俺が聞きたいことはそれだけだから」


 そう言い残し踵を返すが、ポンコツは背中に追いすがって来る。


「え~! ひどくないですかぁ? 今までじっと我慢して晴一さんのお話を聞いて、質問にも答えていたんですよ? わたしにも質問させてくださいよぅ! もっとお話ししましょうよぅ!」

「いや、でも俺の用は済んだし……」

「そんなぁ横暴だー!」


 おいおいと、わざとらしい泣き真似をしながら、ポンコツは自分の足元に崩れ落ちる。流石に足蹴にはしていないけど、金色夜叉の貫一お宮のような構図に近い。いつか熱海へ行く機会でもあれば、有名な像を見たい気もする。


「いやだよ面倒だものおまえ」

「そんなぁ。奥にお茶もご用意してますから!」

「うるさい誰がいくもんか!」


 ええい離せとポンコツを振り払い、部屋を出ようとすると、更に食い下がるポンコツな現統括管理AI。その姿からは、要塞惑星全体を統べる者としての威厳など、かけらも感じられない。


「ならせめてポンコツ以外の名前を付けてほしいんですが!!」

「えーやだー。だって名前つけるには権限通さないとダメなんじゃないの」

「そんなことないです、当該機が納得すれば大丈夫ですから!」


 一刻も早くこんな場所からはおさらばしたかった。しかしこのままでは開放してくれなさそうなので、適当な名前を付けてとっとと離脱することにする。


「じゃあもうさ、お前の仕事総務みたいなもんだから、総務でいいよな? あ~でも平じゃあんまりだから、総務課長ってことにしとくよ。いいだろそれで」


 これは流石に適当過ぎたかと思い、縋り付くボロ布のようなポンコツAIを見やる。果たしてこそには、目を輝かせて自分を見上げる彼女の姿があった。


「総務課長! 役職! わ~いうれしいな~。ではわたしは今から総務課長ですね! 気軽に総務とでもお呼びください!」


 適当な思い付きで付けた名前に大喜びしているポンコツAIに、若干引き気味になる。


「え~。いいのかよそんなんで。完全に拒否されると思ってたのに。本当にいいのか? 大事な名前だぞ? よく考えろ? しかも課長とか微妙なポジションまで付けられて……。そういう俺も課長職だったわけだけれども」


 ポンコツの手によってここに拉致されてくるまではな。


「晴一さんも課長さんなのですか? おそろいですねぇ!」


 ここでもポンコツは心底嬉しそうな顔をしていた。

 まじでこいつは良くわからない。一体何を考えているのか。こいつの本心とやらはどこにあるのか、ホントにまったく分からなかった。というか感情はないって言ってたじゃん。


「誰かさんのせいでその地位も追われたがな。んじゃそういうことで、また何かあったら顔出すからな、ポン子」

「ちょー! なんですかポン子って! 酷い方まで更新ですか~も~っ!!」


 ポン子は片足で地団駄を踏んでいる。


「うるさいな。大体お前と初めて対面した時にも呼び方は何でもいいみたいなこと言ってたじゃん」

「あれは単にナンバリングと機能名というだけだったからですよぅ! まったく、晴一さんは意地悪ですよねぇ? そういうのは女の子に嫌われますよ?」

「うるさいぞポン子のくせに! なんだったら苗字も付けてやろうか? つか、むしろお前から嫌われるなら本望だよ。はいもうおしまい。俺は忙しいからまたな」


 ポンコツを引きずりながら、鈍足デバフおじさんは出口へ足を向ける。


「ええ!? 苗字って何ですか! それはそれで気になるじゃないですかぁ」

「ああもうわかったよ。お前を呼ぶときは和泉(いずみ)ポン子って呼んでやる。似た名前の有名人もいるから満足だろ。あ~もういい加減離せ」


 ダジャレみたいな名前を新たに考案して、それを吐き捨てるように言うと、ようやくポンコツが離れてくれた。自分は渡りに船と出口へ急ぐ。


「なんですかそれぇ! 面白くなっただけじゃないですかぁ! ちょっとー! おーい!」


 ほぼ駆け足で格納プール前室を出て行くと、後ろで何やらポンコツが言っていた。面倒だから今後もポン子呼ばわりだけどな。


「だぁ~も~っ! 今度来るときはお礼にプレゼントをご用意しておきますからね~っ!」


 空恐ろしいことを言っているやつのプレゼントには、前回散々な目に遭っている。もう嫌な予感しかしないので、次の機会が永遠に来ないようにと自分は祈りつつ、空の間の扉をくぐった。

 でもまた来なきゃならないんだろうなあ……。

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