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天に愛された少年の物語  作者: みかんちゃん
第1章 幼少期
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第6話 覚醒

 話は戻りライラは竜の声を聞くことに成功した。


 『声は聞こえたのね』


 『君が僕の中にいる竜?』


 『そうなのね、やっとご対面できたのね。魔力共有ありがとなのね。おかげでここまで無事育ったのね』


 ライラと竜は意識の中で対面している。ライラの前で竜と名乗る存在は自分のイメージとは随分かけ離れていた。


 『えっと、一応確認するけど君は竜?あと魔力共有って?』


 『そうなのね。我輩の名はシンなのね。実は以前死にかけてしまってね、君の魔力を貰って辛うじて生き延びてる状態だったのね。

 だけどもう大丈夫。こうして話せるようになったから魔力を貰いすぎたり枯渇して我輩が死ぬ事もないのね。

 今まですまなかったね、お詫びというわけでは無いんだけど今度は君に恩返しをしないといけないと思ってるんだけど何がお望みかね?』


 シンはそう言うと小指をピッと立てた。ライラはその姿を見て少し軽蔑した目になった。


 『えっとそんなんじゃなくて力が欲しい。って言っても強くなるとかじゃなくて。竜を追い払うだけの力が欲しい』


 『あれ?違うの?これまでの人間は大概、異性を惹きつけるフェロモンを要望してきたのに』


 『僕そんなのいらないよ』


 『何だって?何と欲の少ない子なのね。嘆かわしいのね』


 『フェロモンはいらないって言っただけなのにそんな扱いなの?そっちの方がビックリだよ』


 『まぁいいか、力が欲しいってのが望みなら二つ選択肢を与えるのね。

 一つは我輩の爪と鱗を使って武器を作り出す方法。

 もう一つは我輩を負かし従える方法。

 どっちにするのね?』


 ライラは迷う事なく選択した。


 『シンを従える方で。武器をもらっても僕には使いこなせないよ』


 『オッケー。じゃあ勝負しよう勝負』


 シンが身構えたがその姿にライラは違和感を感じた。


 『あれ?勝負って戦わなきゃいけないの?』


 シンはそう言われると構えを解いた。


 『それもそうだね。じゃあ何の勝負にする?』


 『じゃあさクイズにしよう。勝っても負けても楽しいよ?』


 『ククク、愚かなる子供よ。我輩は全知全能なのね。知恵比べで負けるはずがないのね?じゃあ行くぞ!上から読んでも下から読んでも同じ野菜はなーに?』


 ーーただいまクイズ中


 ーーシンの回答中


 『……何故だ。全くわからないのね。全知全能の力が役に立たないのね。……悔しいけど降参なのね』


 『やったー!僕の勝ちだ。力を貸してくれるんだね?』


 『あぁ負けは負けだ。我輩の方に手を出すのね』


 ライラはシンの方へと手を差し出した。


 『ライラを我が主とし認め、主従の誓いにおいて我が身を託す』


 ライラの手に竜の紋章が浮かび上がった。その紋章が光り輝くとライラは苦しみのたうち回った。


 『っは、……にこれ』


 『契約は完了した。後は君が竜の紋章と適合出来れば君は竜使いとなるのね。だけどほとんどの人はこれで命を落としてる。これ伝え忘れてたのね』


 頑張れ、君なら絶対大丈夫なのね。



 ーー苦しい、助けて。お父さん、お母さん。


 ーートール君、メアちゃん。二人とも今戦ってるんだよね。僕の為に戦ってるんだ。早く行かなきゃ!


 ーー負けるもんかぁ!


 ライラは気を失いかけながらも気力だけで立ち上がった。


 「負けるもんかぁ!」


 ライラの身体が全身光り輝き竜の紋章へと光が集約されて行く。もうそこは意識の中ではなかった。村の向こうでは大量の竜と村人が戦闘を繰り広げている。


 ライラは紋章を確認した。


 「不思議だ、聞いてもないのに力の使い方が感覚的に分かる。結合(リンク)!!」


 ライラがそう叫ぶと竜の紋章が光り輝く。ライラは身体の中に竜の血が流れ込んでくるのが分かった。


 「今行くぞ!」


 そう言うとライラは村人達のいる方へと全速力でかけて行った。


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