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天に愛された少年の物語  作者: みかんちゃん
第1章 幼少期
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第3話 仲間

 ランスが村に滞在して半年が過ぎた。その間にランスはライラに剣技、一般教育、魔法の知識を教えた。


 最初の頃は木刀をろくに振ることも出来なかったライラも今では早朝のトレーニングとして一時間の走り込みの後、木刀の素振り1000回、軽くストレッチを朝食前に済ませるほど向上した。


 ライラは今日もトレーニングを終え朝食を取っていた。ライラが基礎体力が付いてきたのは知っていたがあえてランスは質問した。


 「トレーニングだけではそろそろ物足りなくなって来たんじゃないか?」


 「うん、最近は朝のトレーニングで疲れなくなったよ。最初は何一つ出来なかったのに。だけど魔術も実践に入りたいなぁ」


 「すまんな、魔術はまだ知識の方だけで我慢してくれ。その代わり今日からライラの同年代の子達も勉強に参加する事になっている。名前は何と言ったかな」


 「今日から一緒に勉強するの?誰だろう」


 そんな話をしていると二人の子供が家を訪ねてきた。ライラの母ミネアはランスにその事を伝えるとランスは立ち上がってライラに先に行ってると伝え食卓を去った。


 ライラは急いで朝食を駆け込みランスの後を追った。


 ライラが既に集まっている三人の元に駆け寄り二人の顔を見て名前を呼んだ。


 「トール君にメアちゃん!」


 「おっす。今日から一緒に教えてもらう事になったんだ。よろしくな」


 「ライ君おはよう。私も今日から一緒に教わる事になったから。……その暫く見ない間に逞しくなったね」


 「ありがとう。まだ村の中では全然なんだけどね」


 トールは子供の中で一番、身長が高く髪、目の色は金色で髪は短く目は鋭い。そこら辺の石ころであれば親指と人差し指で挟んで砕くことができるほどの腕力の持ち主であり村の中でも勝てる人はいないんじゃないかと噂される程、強靭な身体をしていた。


 メアは子供の中で一番可愛いと言われる程、肌は白く髪、目の色共に赤色で綺麗な顔立ちをしていて、この村にしては珍しくライラに次いで体力がない子供であった。体力のなかった二人は昔から良く遊んでいたのだった。


 この所、トレーニングやランスの授業で全く遊びに参加できなかったのでしばらく子供達だけで話し込んだ。そろそろ話を止めにして本題を話したいランスは話を一旦中断させた。


 「私がランスだ、トールとメアにはこれからライラと一緒に勉強に参加してもらう。午前中は三人仲良く剣術、武術、魔術、教養を勉強してもらい午後は実践方式で学習を行う。今日は半年先に学んだライラにこの世界の教養を説明てもらう。いいな?」


 「うん、自信ないけど世界の教養だよね。じゃあ二人はそこら辺に座って」


 授業はあらかじめ黒く表面を焼いた板を黒板として使い文字を書く時はナイフで木を削って使う。道具を用意したライラはランスも座らせて授業を開始する。


 「では。この星は『アース』と呼ばれ大きく五つの大陸に分かれています。そしてここスターテは『ノース大陸』に存在し『スカーイツ国』に統治されているがこの村は税対象外となっています。ここまでで質問は?」


 「ライ君教えるの上手ね」


 「……まじか。俺、アースしか分からなかったんだけど」


 トールに合わせると時間がなくなるので先に進めるようランスは指示をした。


 「では次に時間です。二十四時間で一日と計算します。そして月は二種類ありクリスタルの月と星の月が存在しそれぞれをクリスタルの夜、星の夜と分類され二つがどちらもある状態をフルムーンと呼びます。何か質問は?」


 「そもそも数字がよくわからないんだが?」


 「トール君は黙ってて。私が質問する時は手を上げるからどんどん進めていいよ」


 ライラはランスをチラ見すると小さく頷いたのでメアの言う通りどんどん進める事にした。


 「では次は貨幣についてですが金、銀、銅の硬貨で世界中利用が可能です。但し大陸により貨幣の価値は違い極端に言うと銅貨一枚で宿に泊まれる場所もあれば金貨一枚でも泊まれない場所も存在します。後は補足として身分証の提示や他国の推薦状無しでは行き来できない国も存在します。次は魔術の基礎に入ろうと思うのですが師匠いいですか?」


 「構わないよ、やれるところはやってみて」


 「では次に魔術の方に入ります。魔術は魔法とも呼ばれ術の工程を集約し一括りで言えば魔法となります。なので一般的には魔法と呼ぶのが正式かもしれませんが僕達はまだ工程の段階を習っているので魔術の学習となります。魔術は元素または体内の魔力を消費し発生させ形成し魔法として使用します。あっメアちゃんは魔法使えるんだった」


 ライラの思い出したかのような発言にランスは驚きつつもメアに質問するとメアは戸惑いながらも首を縦に振った。


 「ほお、凄いなこの歳で。では午前はこれ位にして午後はメアの魔法を一度見せてもらおうか。その前にトールは起きなさい。午前はもう終わったよ」

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