第4話◆新渡戸VSデート商法、前編◆
新渡戸寅ノ助は夜、書斎にこもりパソコンを眺めていた。今日は日課である『小説家になろう』を執筆してはいない…なぜか?それは新渡戸にとって思いもよらない事態が起こってしまったからだ。
話を10分前まで戻す
新渡戸は今日も小説執筆のためパソコンを開いた。すると一件のメールが届いていた。新渡戸のメールアドレスを人に教えた覚えはない。本来ならメール等来るはずはない…不審に思いながらもメールを開く。ここにメールの全文を記載しておく。
3/1 20:32
件:アナタのチンコ及び精子高額買取淫乱妻
>セレブ妻の精子買取オークションが秘密裏に行われていることを知っている人は、最近では多くなってきたと思います。
>
>貴方の周りにもいませんか?最近羽振りが良くなった人。
>そういう人は、だいたいセレブと言われる女性達にチンコ及び精子を高価で買い取ってもらっています。
>早い話、欲求不満な金持ち淫乱女とセックスをしてるんです。
>
>貴方のチンコを買い取り希望の女性が【1名】いらっしゃいます。
>ここから写メ・条件をご確認後、無料承諾を行ってくださいませ。
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「私の精子を買いたい?当然だなぁ…天才新渡戸寅ノ助の精子だからなぁふふふ…高くつくぞ!その辺の精子とは違うぞ!だがアナタの選択は間違ってはいない!」
新渡戸は単純に嬉しかった。最近、女と縁がないこれほど良いことがあるだろうか?女と関係を結び更にお金も貰える…こんな良いことがあるだろうか?
なぜアドレスを知っているのかはどうでもいい。新渡戸の精子を高額で買い取りたいという女性がいる現実…
新渡戸は嬉しくて嬉しくてたまらない。とりあえずサイトに登録しこの新渡戸の精子を買いたいと言う女性を見ることにした。
「ほう?なかなか気品のあふれた奥様だ…慶應大学出身?まずまずだなぁ?なるほど旦那は医師で最近はセックスレスかぁ…なるぼどねぇ…明子さんね…」
単純に美人だ。この明子と言う女性は32才、芸能人でいうと仲間由紀恵のようなキレイな女性である。かなり上玉だ。京大生にはない大人の魅力を感じる。
新渡戸は流行る気持ちを抑えつつキーボードを叩く。
カタカタ
『手が震える』
カタカタ
『私は緊張しているのか?』
カタカタ
『早く返事が来ますよ〜に…送信…と』
新渡戸は椅子にの横の葉巻を手に取った。メールを送信してから数秒だったと思う。葉巻に火を付けようとした瞬間…
『!』
「き!来た来た来た来た来たーー!熱っ!」
手に持っていた葉巻を落とす右手は黒く焼かれてしまったがそんなことはどうでもいい。正直こんなに早く返事メールが来るなど想像すらしていなかった。そこまでして新渡戸の精子が欲しいのか?震える手を抑えながらメールを開ける
3/1 8:45
件:明子です。
お返事ありがとうございます。恥ずかしいのですが私は自分でも淫乱だと自覚しております。1000万であなたの精子お譲りいただけませんか?ーーーーーーーーーーー
話が早い。新渡戸もそのつもりである。2、3通明子とメールのやりとりをする。話がトントン拍子に進んでいく、気がついたときには会う約束まで取り付けていた。
新渡戸は昔からどちらかと言うとモテる方だった。
だが彼は女性を見下し下等生物と思っている。体だけの関係なら構わないが恋人関係には一度としてなったことはない。下等生物など好きにならなかったし、なりたくなかった。だから今でも独身なのだ。この明子と言う女性話から察するに体だけの関係を求めているこんな都合のいい女はいない新渡戸はそう思っていた。
そして1週間の時が流れ明子との約束の時がやってきた…